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心価充足の法則と心価均衡の法則


心価充足の法則

心価の大小は人の行為選択を決定づけている
人は心価で動く
心価の充足、収支プラスの実現をはかる現象

心価のプラス・マイナスが、当面する選択肢や処遇に対する納得・不納得を分ける
人はある行動について期待される心価の収支がプラスと見ればそれを積極的に選択する
並立する選択肢の心価がいずれもプラスなら、より大きいプラスを採ろうとする

マイナスならばできるだけ回避をはかる
並立選択肢がいずれもマイナスの場合は、より小さなマイナスを採ろうとする

心価均衡の法則

人間は一般に、ある相手に関して、心価の収支がつりあうように行動する
支出にふさわしい収入を得ようとし、収入にふさわしい支出で応じようとする
欣量・辛量が過剰となった場合は、相手との関係において、差し引きがゼロに近づくように行動する

収支プラスの場合

貯欣化した心価は、気が済むという形でゼロに帰するまで、必要に応じて恩返し的貢献(返欣)のために支出される
貯欣から返欣という形をとらない場合もある
快諾・受容は変わらないが、プラスの余剰分を辞退して変換するケース
受け取るが、その分仕事を念入りにするなどして即時的にほとんど返欣するケース
いずれも過分の心価をあえて残留(貯欣)の状態にしないパターン

収支マイナスの場合

3段階の反応
第一段階
報酬が不満足な場合、言い訳を考えて拒絶し回避を計る
第二段階
回避が許されない場合、報酬不足分の手抜きをする
第三段階
監視され手抜きもできない場合、江戸の仇を長崎で討つ


反応の結果として発生する被害・損失は、一般に拒絶より手抜きの場合の方が大きい
拒絶の被害は終始顕在的だが、手抜きは思わぬ大被害に進展し得る
拒絶は報酬の上乗せで打開できる
手抜きの被害額より極めて小さくすむ

さらに被害の大きいのは、報復、すなわち返辛の事態
向けられた人の人生や企業、民族の将来が台無しになっても、相手の要求心価が満たされなかったりする
手抜きは心価の支出を拒んだだけで、負の心価の残留はない
報復の事態は穴埋めを必要とする要求心価(欠欣)が存在する上に
実行コストがかかり、非常に解消されにくい
相手の大きな苦しみに比べて、ずっと低い率の満足量を得る典型的な<減欣>行為
相手に支出させた心価に比べて、わずかの心価収入しか得られない性質の行動

心価の測定と人の反応

心価はあるレベルの精度で内省による直接的な測定を行うことが原理的に可能
依頼事項で、報酬に対して所要労力が少なく、心価の収支が明らかにプラスの場合
人はその一件を快諾する
差し引き分の余剰の心価が発生するわけでその分は与欣となる

しかし、心に返欣のエネルギーとして残るのは一部分
心価残留率が常にゼロに等しい人を称して恩知らずという
貯蓄が利率の高いところに流れるように
世間の親切も与欣の貯欣化率の高いところに集まる
感謝の念の旺盛な人は幸せになり
恩知らずは不幸になる


出典:「和の実学」著者:大和信春 出版:博進堂 はる研究院

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