しゃぼん玉のような人生だから
仏さまは私たちの世界、その生き様をご覧になって「まるでシャボン玉のよう」と仰っています。ほんの少し風が吹くだけで流され、ほんの少し力が加わるだけで壊れてしまう。あたりまえのように続いている日常も「壊れる時はほんの一瞬」です。これまで地道にこつこつと積み上げてきた仕事や勉強も、鍛え上げてきた技術も、築き上げてきた信頼も、じつはシャボン玉のよう。実際、そういった出来事が現実に起きていて、その可能性は誰にでもあるのです。
もし、目の前にある段ボールに「こわれもの」「取扱注意」と書いてあったら、きっと誰もが丁寧に、慎重に取り扱うと思います。しかし、何も書いてなかったらどうでしょうか。おそらく、先ほどと同じように取り扱う人はグッと減ると思います。仏さまがわざわざ「まるでシャボン玉のよう」と教えてくださっているのは、私たちの人生に「こわれもの」「取扱注意」と書いてくださっているのと同じです。
そのことを知っている人と知らない人とでは、自然と生き方の丁寧さ、慎重さは違ってくるはずです。何かが壊れてから、何かを失ってから、そのことに気づくのではなくて、仏さまからのメッセージに耳を傾けて「大切なもの」をきちんと大切にできるようになりたいものです。