見出し画像

ダメージ毛のヘアカラー、その髪の毛ちょっとまった!!

初めてお会いするお客様。ご挨拶とともにパッと髪をみた時、「???」と頭の中を埋め尽くした。

席について、お話を伺った。「今日はどんな感じにしましょうか?」といつも通りに誰にでも私が最初にかける言葉だ。

👩「以前に縮毛矯正をしてから髪がスカスカになってしまって、なんだか柔らかくなってしまって?なんだか違うなって思って以前行ったお店を一旦行くのをやめ、こちらに伺いました。」

根元に強い癖。毛先に向かっては真っ直ぐなストレートな髪。
(数ヶ月前にストレート施術をしたんだなとわかる状態)
だがしかし、全体的に髪が至る所で切れてしまった跡が残っている。本当は20cmあるであろう髪の毛がいたる箇所で5cmくらいにまで短くなっていた。長い髪と極端に短い髪が混在していて、根元に比べて毛先にいくにつれて髪の厚みが薄っぺらになっていく状態…。

私が初見に「???」となってしまったのも何か普通ではないことが起きているとすぐに察知したからである。
おそらく、スカスカになってしまっているのは切れ毛のせいだと思われる。しかも、毛先はかなりのダメージを受けている。

切れ毛になってしまう原因「ダメージ」

👩(お客様)「今まで3~4ヶ月に一回のペースで縮毛矯正をかけていたんですが、こんな感じになることは初めてで、、前回の縮毛矯正は薬剤を変えてますって説明を受けたのでそのせいかな?って思ってるんですけど…」

💁🏻‍♀️(私)「うむ、、どんなお薬だったのかわからないですが、合わなかったのかもしれませんね、、🤔」

長期に渡りストレートパーマやカラーで元々ダメージがある状態に、またさらに薬剤や熱で処理することで髪の毛が耐え切れなくなると溶けてしまったり、焼けたように縮れたり、切れたりしてしまうんです

引っ張ったり、雑に解かすと容易に切れます。

👩(お客様)「それで、今日はスカスカ感をなくしたくて、、それと色が明るいとスカスカ感が目立つのが嫌で髪の色も暗くしたいです。」

スーパーダメージ毛にヘアカラー

そのお話を聞いて、率直に今のお客様の髪の毛の状態を説明させていただき、いままでの施術での薬剤でだいぶ負担が生じていることをお伝えした。

💁🏻‍♀️(私)「前にカラーしていた部分の色が抜けて、透明感が出てしまっているんですね。確かに暗く落ち着かせると、見た目も重たくなるのでスカスカ感は軽減できそうです。」

さて。じゃあ、今日は何をしていくべきか。

まずは、この現状を受け入れて何をすべきなのかを考えていかなければなりません。

お客様はヘアカラーをしたいとのこと。ですが、最近のカラー薬剤は痛みにくいものが増えてきていますが、今回はダメージがほぼ無い状況を目指さなければなりません。

💁🏻‍♀️「ヘアマニキュアって知ってますか?」

👩「??知らないです…。」

ヘアマニキュア、ヘアカラーの違い

ヘアカラー:ファッションカラー、白髪染めなど
一般的なヘアカラーというのは、毛の色を抜きながら入れたい色を浸透させて染めていくアルカリ性の薬剤を使用して行うカラーのこと。明るく発色させるファッションカラーや暗くも明るくも発色させる白髪染めにと幅広い表現ができるため、ほとんどの方がこのヘアカラーをしています。

このヘアカラーのメリットは表現の幅が広いことですが、デメリットはカラーリングしていく工程の中でブリーチ(脱色する作用)をしているということ。どんな色にカラーをするにしてもこの工程が欠かせないため、何度も同じ箇所を繰り返しカラーをしていくと髪の毛にダメージを与えることになります。なのでその場合はケアが必要になります。

では、ヘアマニキュアとは…

ヘアマニキュア:奇抜なファッションカラー、明るくしない白髪染め
ヘアマニキュアは、毛をコーティングするように覆うことで染めていく酸性の薬剤で行うへカラーです。黒髪に染めると黒いままに見えてしまいますが、明るい髪に染めると色の表現の幅が増えてきます。

このカラーのメリットはブリーチ力が一切ないのとその上、髪は弱酸性ですがマニキュアは酸性と性質が近いことでダメージがないとされています。コーティングして染めるのでハリやコシなどを与えて髪質を向上させて見せることができます。デメリットはブリーチ力が一切ないために明るくできないことです。黒い髪にどんな色を染めても仕上がりの印象は黒です。逆に元々明るい髪へや白髪の髪へ染めるとハッキリと色が発色します。表現が極端なため色の選択が少なくなってしまいます。

このメリットを利用してカラーをしていきます。

もう一度言いますが、今回は髪がダメージに耐えられなくなっている状態。
ちょっとのダメージも与えられません。

なので、素の髪に近い酸性で、今よりも丈夫に保つためにコーティングできる尚且つ、暗くすることが得意マニキュアが今回は一番いい方法ではないかと提案させていただきました。

施術後、悩みは一時的に解決!

お客様に説明し納得いただき、早速施術。

カットは短い毛にぎりぎり合わせて、ミニボブくらいにカット。
カラーは、地毛の色の黒さに合わせてマニキュアを。
ちなみに色は「マットブラウン」に調合して染めたので、のっぺりと真っ黒にならない処方にしました。
マニキュアに合わせて、髪のダメージ補修トリートメントも一緒に。

施術後、かなりハリやコシも復活して、もちろん色も希望通りに染まり
最初に見せていた髪のスカスカ感もなくなり、毛先に厚みが復活していました。

ですが、これは一時的にカバーをしているにすぎないということは忘れてはいけない。
髪のダメージはカバーしていますが、この処方が持つとされるのは3週間から4週間くらい。時が経つと少しずつ剥がれていってしまいます。

これが美髪づくりの始まり。

健康な髪を育てながら、ダメージ毛の毛先を守り、そして十分な長さを保ちながら、ダメージ毛をカットしていく。

このケアを繰り返しながら美髪が作られるのです
おそらく、根本からのダメージでしたので1年はかかってしまうかな?と見込んでおります。

そんなお話をお客様としながら、次回の計画など(髪質改善トリートメントをお薦めしました!)をお話して、お客様はとても喜んでいただき笑顔でお帰りになりました。

ダメージを受けてしまった髪はもとあった髪に戻ることはできません。
いかに傷つけないか、傷つけてしまったならいかにケアをしてあげるのか。
肌やこころと一緒ですね。

綺麗な髪になることを祈っております。

いいなと思ったら応援しよう!