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9.斜陽

9冊目は斜陽。太宰治。
好きです。

夕日ってどの場所から眺めても綺麗なものだと思うんですが、この作品も、どのページを開いても、一瞬一瞬、美しくて、夕日を眺めているような気持ちにさせてくれました。

とくに感情表現が豊かで、喜びも不安も、どうしてこんなにピタッと言い表せるんだろうかと、文章を読み返してはウムウムと、心が弾みました。

どの登場人物にも共感できる部分はあり、とくに直治の手紙には圧倒されます。
この、直治という人が感じていたすべては、もしかしたら、誰もが少なからず感じるものなのでは?とさえ思える、葛藤。憂い。

毎日太宰治の作品を読み続けていたら、多分服装も表情も全部変わっていくと思います。
中毒性があるのでしょうか。

太宰治の本が手元にあると安心する自分もいますが、あまり近い距離にあると、喰われてしまう気がする作家です。

読書を通して自分でも気がつかなかった側面に光が当たるものですね。
いやはや…。

明日へつづきます。



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