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『本業2024』感想 004│長嶋一茂『三流』(幻冬舎)

長嶋一茂『三流』(幻冬舎)


著者(長嶋一茂氏)に対する呼称が、
一貫して【一茂くん】である事に気づく。
五月蝿いくらいに【一茂くん】が連呼される。
これは「田園調布で育った自然児」を表すのに
ピッタリだ。

純粋で、天然なエピソードの数々…。
中でも一番笑ったのが、
「4-0で負けている9回の裏、満塁という場面。
そこでホームラン!」という彼の妄想。
その時点では逆転にはならないのだ。

しかし、それらのエピソードは、
偉大なる父、長嶋茂雄氏への愛情から成るもの。
父とはいえ、遠い存在…。
ずっと追いかけ続けてきたのだろう。
最後の“キャッチボール”の話が切ない。

その後の「その後の話・24年近況」では、
呼称が【長嶋一茂氏】に変わる。
父の茂雄氏が倒れた時の仕切りぶりや、
芸能界での活躍を評価している…という事だろう。
しかし最後の最後で、【一茂くん】らしい
“オチ”もあるのだ。

《言葉遊び》

「三流」の「二代目」、哀しき「一茂くん」

『本業2024』32頁 

「太田胃酸」ならぬ「親の遺産」

『本業2024』33頁

数字で遊んでみたり、韻を踏んでみたり。
不意に出てくるから笑ってしまう。



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