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ジェルくん小説「遠井さんは青春したい!」~ママリスナーの読書感想文~

2024年12月24日、昨年のクリスマスイブ、すとぷりの最強エンターテイナー、ジェルくんの手掛ける人気動画シリーズ『遠井さん』初のオリジナル長編小説が発売されました。ジェルくんが、何年も前から準備をし、推し進めている遠井さんプロジェクトの1つとして制作された遠井さん小説版。今回、遅ればせながら、感想の記事を書かせていただこうと思い、せっかくなのでAmazonの商品ページへのリンクを貼ろうと検索したところ、なんと!!売り切れではないですか!! 現在、オンラインの書店ではどこもかしこも在庫切れ状態。すご~い!! 重版が決まったそうなので、また市場に出回る日を心待ちにしつつ、ひとまず、Kindle版のリンクを貼らせていただきます。

『遠井さんは青春したい!-って言ったら青春ロマンス部のツッコミ役にされたんだけど何この学園コメディ-』
って!!!

「え? どこまでがタイトル? オレンジ部分も含めて全部ですか?」「いや、青春ロマンス部って何!?」などなど、いきなりこっちがツッコミ役に回りたくなるような、タイトルからして遊び心いっぱいのこの本。表紙はとっても素敵すぎるフカヒレさんのイラストですが、アニメ動画でお馴染みの面々のその奥で、窓の外を見つめる女子生徒は誰?と気になります。最初に遠井さんシリーズ小説化が発表され、このタイトルと表紙が公開された時、そんな風にとってもワクワクしたことを覚えています。

発売日より前に、冒頭の何ページかはサンプルとして公開されていたのですが、私は先入観なしで一気に物語の世界に入り込みたいタイプなので、事前の試し読みはしませんでした。

私が小説を受け取ったのは、発売日当日の12月24日。その日は平日だったので、時間のある休みの日に、落ち着いて読もうと思っていました。それでも、どんな雰囲気なのか少しだけ見てみようと思い、最初の数ページをめくったら!!!!!

うわあああ~~~~!!!!

面白すぎて、ページをめくる手を止めることができず、家事もそっちのけで一気に最後まで読んでしまったんです。

途中、思わず何度も声に出して笑いながら。
時には、胸がギュッと苦しくなって。
時には、ほっこり心が温かくなって。
後半、クライマックスに向けては、ドキドキ、ハラハラしながら。

そして、完全にやられました。
最後の8行に…。
とてつもなく大きな感動が、胸いっぱいに広がって。
読み終えた時。
気付けば、私は泣いていました。

いや、ジェルくん!!
これは反則だよ(大泣)

…というわけで。
遠井さん小説版は、自分が予想していたより、さらに数段上を行く面白さと感動の嵐だったことを告白します。もう少しさらっと読めるものを想像していました。ジャンル的には、いわゆる「ライトノベル」に属するのでしょうが、侮るなかれ!! その読みやすさ的にはライトだけど、中身はずっしりと重くて、読み応え抜群でした。

本を読んでいる時。自分の周囲の現実世界がいつの間にかどこか遠くへと消え去り、身も心もその本の世界にどっぷりと浸かって旅をする感覚。そして、その旅を終えた時に訪れる、とてつもなく大きな圧倒的感動…。しばしすべてを忘れて放心状態に陥ってしまうような、まさに至高の瞬間。

この遠井さんの小説は、そんな極上の体験を与えてくれた1冊でした。じつをいうと、私は昔から読書感想文が苦手なのですが…。大好きな推し、ジェルくんへこの感動と感謝をどうしても伝えたい一心で、特に心に残った点を頑張って綴ってみたいと思います。

【ここから先、小説の内容についてのネタバレありです!!!】

その1:とにかく、読みやすい!面白い!

とにかく、読みやすくて、面白い! まずはこれに尽きます。物語は、遠井さんの一人称で語られ、会話を中心にストーリーが展開していきます。文字もぎっちりではないので、すいすいと読めてしまいます。読書に慣れている人なら、2,3時間もあれば読めると思いますし、普段活字が苦手という人でも気楽に楽しめること間違いなしです。

しかも、ジェルくんの遊び心とこだわりが表れているなぁとニンマリしてしまったのが、ところどころで、文字が太字になったり、フォントや文字サイズが変わったりするとこと。普通の小説では、あまりお目にかからないような、見た目の工夫も凝らされており、読み手を飽きさせません。

そして、やっぱり、1にも2にも、面白いっ!! 小説全体を通して、遠井さんシリーズのファンならよく知ってる人気のネタがふんだんに散りばめられており、しかも、物語の展開を邪魔することなく、自然に織り込まれているのが、さすがだなぁと感動しました。

もちろん、初めにジェルくんと遠井さんが出会うシーンは、今から6年前、2019年4月にジェルちゃんねるに投稿された、伝説の第1話目そのままですし。他にも、珍回答や運動会ネタ、「くっそだるい♪」の校歌などなど、出た出た!と思わず声を上げたくなってしまうシーンのオンパレードです。ジェルくんのショート動画で目下バズり中のクッパのネタも、さりげなーく出てきますよ!

私がここで、改めて凄いと感動してしまったのは、白黒ページで文字だけでも、ジェルくんのネタは思わず声に出して笑ってしまうほどの面白さがあると言うこと。ジェルくんのアフレコの声と、アニメーションの効果によるところが大きいのかと思いきや。逆に、文字だけだからこそ余計に内容の面白さが際立つのです。源先生とジェルくんのコントのような会話の場面を、先日電車の中で読み返していて、あやうく吹き出すところでした。

その2:個性溢れるキャラクターたちの魅力が倍増!

アニメ動画の中では、すでにお馴染みの遠井さんとジェルくんとその仲間達ですが、小説の中では、それぞれのキャラクターの魅力がさらに増し増しになっています。より人間味を帯びて、リアルな高校生として描かれます。相変わらずそれぞれ個性的過ぎるけど、最高に面白くて楽しくて、何より友達思いの優しい仲間です。

かわいくて真っ直ぐな妹、ももちゃん
みんなを優しく見守るお姉さん、ゆりちゃん
ピュアでかわいい弟、サタンくん
頼れるカッコイイお兄さん、尾宅くん

そして、普段は9割ふざけまくっているのに、ここぞというところでは、急にどきりとするほど真剣な眼差しを向け、大きな優しさで、みんなを導いてくれる、ジェルくん。

小説の中のジェルくんが発するセリフの数々が、現実のジェルくんご本人とたびたび重なって、そのたびに、胸がギュッとなりました。

そして…。
アニメ動画でも、小説でも、主人公でありツッコミ役の遠井さん。冒頭でも書いたとおり、この小説は、遠井さんの一人称で語られていきます。私が、遠井さんシリーズの最大の魅力だなと常日頃から思っているのは、遠井さんが、本当にごくごく普通の女子高生であるということ。平均的と言う意味の「普通」ではなく、何ていうんでしょう…。至って普通の感覚の持ち主、というのでしょうか? それゆえに、誰しもが違和感なく、自然に自分自身を遠井さんに重ねられるし、遠井さんのツッコミに共感しちゃうし、遠井さん目線で物語に入り込める。いわば遠井さんは、もう一人の自分だと思えるところではないかと思います。

最初は、おかしなオレンジ男(笑)ジェルくんを思い切り警戒し、青春ロマンス部にもしぶしぶ付き合う羽目になる遠井さんですが、次第にジェルくんのペースに巻き込まれ、ジェルくんが奥底に隠し持つ優しさと人間的な魅力に気付いていきます。揺らぎながら変わっていくその心の内が、とっても自然に描かれていきます。

遠井さんの視点を通しているから。この物語が、すとんと自分の中に入って来るし、自分自身のストーリーとして、リアルに心に響くのだと思いました。

その3:笑いと涙が同時にやってくる!

『笑いあり、涙あり』
…そんなうたい文句の小説や映画は世の中に溢れかえっていると思うのですが、それってつまり。「笑えるシーもあるし、泣けるシーンもある」という意味ではないでしょうか?

でも…。
遠井さんのこの小説はひと味違うんです。
なぜなら、泣きながら、笑える!!

そう、笑いと涙が同時にやってくるんです。どうしたらいいの?ってなります(笑) めっちゃいいシーンなのに、ただの感動の涙だけで終わらないという。これもまた、ジェルくんだからこそできる離れ業だと思いました。

私が特に心に残って好きなシーンが、ジェルくんとサタンくんが出会って友達になるところ。中学生の頃いじめを受けていたことを告白するサタンくん、ここでキュッと胸が痛くなり、鼻の奥がツンとしたと思ったら、ジェルくんが急に遠井さんを…

「なあ、そう思うよな。サキュバスよ!」

「サキュバス」呼びするから!!(笑) 厨二病のサタンくんと世界観を合わせて会話を進めるためのめっちゃ重要なとこなんですけどね。笑いながら泣きました。

こんなふうに、読み手の感情がコロコロと転がされていくようなシーンが盛りだくさんで、本当に楽しい体験ができます!

その4:後半ドキドキの展開&衝撃のクライマックス!

前半で、無事に部活として認められ、活動も軌道に乗る「青春ロマンス部」ですが、後半はとある事件が勃発し、そこから急激に物語はシリアスな方向に向かいます。ここからの怒涛の展開が凄い。どうなっちゃうの?と先が気になりすぎて、ページをめくる手が止まらなくなります。

後半のストーリーの中心となる人物は、小説版で新しく登場するキャラクター、白川はるかちゃん。(そう!表紙のイラストで、窓の外を眺めていたあの子です!) 陸上部のエースで学級委員も務める、絵にかいたような優等生のはるかちゃんは、青春ロマンス部の活動を最初からずっと応援してくれていました。ところが、インターネットに投稿されたある画像がきっかけとなり、誹謗中傷に晒され、不登校になってしまうのです。

遠井さんは、なんとか助けようとするものの、遠井さんの起こした行動が逆効果となってしまい、その後、誹謗中傷の的は、ついに青春ロマンス部にも…。いわゆる、炎上してしまった青春ロマンス部。文化祭を目前に、仲間たちの心もバラバラになっていく中で、ジェルくんが考え出した、みんなを笑顔にする解決策とは!? そして、一件落着…と胸を撫で下ろした直後に訪れる、青春ロマンス部、まさかの最大の危機とは!?

最後の最後、一番のクライマックスで、これまでずっと遠井さんだった一人称が、急にジェルくんへと変わります。ここも、「やられたーー!!」と思いました。急なジェルくん一人称で、それだけで胸がギュッとなるのですが、ジェルくんの視点から描かれるクライマックスは、まさに手に汗握る、アクション映画さらながらの展開!! 

最終的に。それはまぁ、とんでもない方法で、遠井さんが危機を突破しますが、この時ほんの一瞬描かれる、ジェルくんの視点を通した遠井さんの姿。めちゃくちゃ感動するんだけど、同時に最高に面白くてスカッとして。ここでもまた、泣きながら笑えちゃうんです。ここに挿入される、それはそれは素敵な桐谷さんのイラストの2人に負けないくらい、私も涙を流しながら笑顔になっていました!

その5:最強エンターテイナー・ジェルくんからのメッセージ!

そして最後5つ目。それは、この本の随所から滲み出ている、ジェルくんからのたくさんのメッセージです。小説を読みながら、キャラクターのその向こうにいるリアルなジェルくんの存在を、ずっと感じていました。

青春ロマンス部の活動として、自分たちの活動を動画に撮ってインターネットで発信していくことを最初に提案した時、戸惑う遠井さんに、ジェルくんはこう言います。

「いや、俺たちが何者になるかはどうでもいい。俺たちの動画を見た人が青春やロマンを感じて、自然に笑顔になってくれたらそれでいいんだよ」

自分たちの動画がバズること、自分たちが有名になることを目指すのではなく、ただひらすらに、「みんなが笑顔になること」を考えて活動していく青春ロマンス部。みんなを笑わせるため、笑顔にするために、何だってするけれど、絶対に人は傷つけないし、誰かが不快になるような動画は決して作らない。

「いくらバズるからって、俺は人を不快にさせる動画なんて絶対上げないよ。」

この2つの言葉は、現実のジェルくんの活動の真髄を表しているように思いました。YouTubeチャンネル「ジェルちゃんねる」のフォロワー数は288万人を突破し(2025年2月1日現在)、ジェルくんんはまさに、今を時めく超人気活動者であり、クリエイターです。

作品が面白いからここまで人気であることは言うまでもないけれど。ジェルくんが作り出す動画の数々、ジェルくんが生み出すキャラクターの数々。その中に、誰かが傷つくような要素や、誰かがそれを見て不快に思うような要素が1ミリもない。それを無意識に感じられるから、見る側は安心して、心から笑うことができるのだと思います。

それはきっとジェルくんが、電波の向こうにいる顔も名前も知らない誰かを笑顔にするため。純粋にただそれだけを思いながら作り上げ、届けてくれるからではないでしょうか。そのことがきっと、今や300万人に迫る勢いの数多くのフォロワーの人たちに伝わっているのではないかと思います。

そして、さらには。
後半勃発する事件の内容と、それに立ち向かうジェルくんの行動と解決策です。

後半は、思わず目を背けたくなるような鋭い言葉のナイフが、読んでいる私たちの心にも次々と突き刺さってきます。ジェルくんはこの状況を、「コント」というあまりにもジェルくんらしいやり方で解決を試みようとします。ネット上の心ない言葉や事実無根のコメントにすっかり傷つき自信を失っていた遠井さんは、文化祭のステージでコントをするというジェルくんからの提案に、最初は半信半疑…どころか、こんな状況でコントをしようと提案すること自体に落胆し、怒りすら覚えます。でも、いざステージに立つと、そこには予想外の光景が広がっていました。

人ってネットの情報だけで、どれだけ相手のことがわかるのかなあ?

きっと現実のジェルくんご本人も、これまで数えきれないほど何度も何度も…。ネット上の心ない言葉、根拠のない誹謗中傷の言葉に傷ついたことがあったのだと思います。そして、何もかもを信じられなくなってしまう瞬間も、あったのかもしれません。

これは、私たち自身も同じではないでしょうか…。一人スマホばかり見ていると、そこに流れてくる情報の海に溺れ、ネガティブな内容のポストに引きずられ、それだけが全てになってしまって、何が真実なのかを見失いそうになることがあります。

でも…。
ふっと顔を上げ。そこから一歩踏み出して周りを見渡せば。自分を信じて、応援してくれる人、味方でいてくれる人は、必ずいるのですよね。だから…。

どこの誰が書いたかも分からないネガティブな言葉に踊らされるよりも。自分がこの目で見て、聞いて、感じたことを信じていきたいと思うのです。そんなふうに最も大切で、基本的な、でもともすると忘れてしまいそうになることを、強く強く思い出させてくれました。

これまで長きに渡り、インターネットの世界で活躍してきて、その素晴らしさと怖さを誰よりも知っているであろうジェルくんだからこそ。伝えられるメッセージなのかなと思いました。

そして。
この小説を通して、こんなにもたくさんの笑いと涙、そして、大切なメッセージを届けてくれたジェルくんは、やっぱり…。

最強のエンターテイナー!!
ですね!!

ジェルくん、こんなに素敵な小説を届けてくれて、本当にありがとうございました。

これからも、そんな最強のエンターテイナー・ジェルくんにとっての、がんばる理由であり続けられるように。ずっとずっと全力で応援しています!!

相変わらず、長くてまとまらない文章になってしまいましたが、以上をもって、すとぷりママリスナーである私の読書感想文とさせていただきます。毎度ながら好き勝手書いて、本当にごめんなさい!

終わりに:遠井さんアニメ映画化決定おめでとうございます!

そして、最後になりますが。
ななななななーーーーーんと!!!!!

遠井さんシリーズのアニメ映画化が大大大決定!!!
ジェルくん、本当に本当に、おめでとうございます!!!

先日行われた、すとぷりのLIVE『すとろべりーめもりーVol.Forever!! すとぷり Best Album Release Party 2025』さいたまスーパーアリーナでの最終公演にて、この超超ビッグすぎるお知らせが発表になりました。幸運にも、私も会場でそのお知らせを受け取ることができましたが、あまりにもすごすぎて衝撃すぎて、あやうくたまアリの4階席から転げ落ちるところでした。

たまアリのLIVEや、このお知らせを受け取った時の思い、アニメ映画化についてのお話は、また語り出すと止まりそうにないので、別の記事で改めて書かせてください。

取り急ぎ、映画化決定のお祝いを述べさせていただき、この記事を締めくくりたいと思います。ちなみにですが、遠井さんのアニメ映画には、どうやらこの小説版も関係してくるようですよ。映画をより楽しむためにも、ぜひぜひ小説を手に取ってみてくださいね!

この夏、映画館の大スクリーンの中で、遠井さんに会えること本当に本当に楽しみにしてます!!!

追伸:
1月16日に放送された、ジェルくんのメンバーシップ限定の配信にて、ジェルくんご本人から、小説についての詳しいお話を聞くことができました。登場人物の設定などこだわった点や、お気に入りのシーン等、なるほどなるほど…と興味深く拝聴しました。(その辺もこの記事で書きたかったのですが、メンシプの内容なので触れられず、めっちゃウズウズしましたw)  小説を読んで、原作者ジェルくんの解説にご興味のある方は、ぜひぜひ下記ジェルちゃんねるより、メンシプ「ジェルのクラス」へお越しくださいませ!


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