好評につき第二弾!287系「パンダくろしお」編成で行く!関西貨物線ツアー 日帰りの旅で年納め!
クラブツーリズム鉄道部のお家芸とも言える貨物線の旅が首都圏から関西圏へと初めて進出したのが今年の8月であったが、JR貨物関西支社の全面協力の下、2度目の貨物線ツアーが12月30日に開催され前回に引き続き参加した。
今回の旅のポイント
①神戸貨物ターミナル駅、吹田貨物ターミナル駅、京都貨物ターミナル駅、安治川口貨物ターミナル駅といった、普段は入ることが出来ない貨物駅に入線します。
②287系「パンダくろしお」編成で、通常は旅客列車が運行していない北方貨物線を走行します。
③台紙付き鉄道部オリジナル記念硬券セット付き(お一人様おひとつ)
④車掌はJR西日本車掌・長尾寛氏を予定しております
※「長尾車掌の車掌業務は2024年12月現在の予定です。急な体調不良、やむを得ない都合により、長尾車掌が乗車できない場合でも当ツアーは実施され、最小催行人員に達した場合はツアーを催行いたします。
⑤クラブツーリズム鉄道部員が同行いたします
鉄道が大好き!鉄道の知識が豊富なクラブツーリズムのスタッフが皆様をお迎えします。
287系パンダくろしお編成が貨物線を走る!
当日は冬型の気圧配置がやや緩み寒さも落ち着いた晴天であった。使用されたのは287系パンダくろしお編成で、特急くろしお号で使用される特急型車両のうち、アドベンチャーワールドとタイアップしたラッピング車両である。1号車が半室グリーン車付きの6両編成である。
前面にはパンダがデザインされた編成がJR神戸線、北方貨物線を始めとする貨物線を走るのも貴重な機会となった。
新大阪→大久保 9563M
乗車する団体臨時列車は9:49頃入線した。7分の乗車時間が確保されていたが、前回と比較して若干の余裕はあったものの、280名前後の団体客が素早く乗車したものの、発車が11:19となり2分の遅れが生じた。次の大阪で運転停車し11:25に発車した。この先は概ね所定通りのダイヤで運転された。再度淀川を渡り、塚本を通過する。水色の287系がJR神戸線を走る貴重な時間が幕を開けた。
尼崎駅を軽快に通過する。新快速以下のすべての列車が停車するため、特急列車や臨時列車にでも乗らない限り通過は体験できない。武庫川を渡り、阪神間の中間と呼ぶべき西宮に到着する。
西宮を発車し外側線を走行する。近年は阪神間のJRにおいても駅数が増加しており、駅間距離が短くなっている。さくら夙川、甲南山手、このあと運転停車する摩耶がその例である。六甲道駅を通過し、高架線を下ると東灘信号場に差し掛かるが、現在はその一部が摩耶駅として運用されている。列車は東灘信号場の待避線に優先する。ここで待避する列車はなかったが、特別列車ゆえ、普段は知らない線路を走るのがクラブツーリズム鉄道部の特徴であり、待避線への進入もその一環である。
2分停車した後、待避線から外側線に転線し、低速で灘駅を通過する。この先鷹取駅に併設している神戸貨物ターミナルまで一気に進む。三ノ宮、元町、神戸、兵庫、新長田を通過し、神戸貨物ターミナル駅に到着する。
新長田駅の先で貨物ターミナル構内に転線していくが、65キロ→45キロ→ 35キロとスピードを落としながら神戸貨物ターミナル着発2番線に到着した。
西明石駅手前の貨物待避線に入線した。六分の停車である。普段この待避線に入ることは極めて稀であるとのアナウンスがあった。新快速に道を譲り、西明石駅を通過した。大久保駅で進行方向を変え、今度は上り線を走行していく。
大久保→吹田西貨物 9564M
大久保駅を11:25に発車する。上り本線へと転線し、神戸駅まで運転する。西明石、明石を通過しやがて車窓右手には明石海峡が見える。特急、新快速、貨物列車は兵庫駅まで列車線と呼ばれる線路を走行する。快速が停車する舞子、垂水、須磨の各駅にはホームが設置されていないため必然的に通過となる。神戸駅は1番のりばに到着した。1番のりばは朝の時間帯のみ使用されるため、土曜・休日ダイヤの昼間に使用されることは極めて珍しいと言える。神戸ではドアが開き25分間停車した。
外側線本線に合流し上り線を走行する。この先、吹田貨物駅まで運転停車は行わずノンストップで走行する。通過する列車が少ない三ノ宮駅の通過を体験できるのは極めて貴重である。
尼崎は9番のりばに入線し8分停車した。9番のりばは貨物列車の待避に使用される線路である。尼崎を発車し、神崎川を渡った先で北方貨物線に入る。
北方貨物線は貨物のほか、大阪駅を始終着とする特急列車の回送区間としてこの先の宮原操車場への引き上げのために使用される。特急サンダーバード、特急ひだ、大阪始発の特急スーパーはくとが走行するシーンが見られる。山陽新幹線と並走しながら進んでいく。3分ほどすると車窓の右手に操車場が見え今回は宮原操車場北7番線に入線した。隣には特急サンダーバードのほか、待機中の225系、223系、トワイライト瑞風、サロンカーなにわも間近に見ることができる。わずか1分の停車であったが、貴重な経験ができた。車掌の長尾氏も大興奮であった。
やがて貨物線は左に大きくカーブし、新大阪駅の在来線1番のりばを横目にやりながら通過していく。北方貨物線側にホームはない。東淀川駅を右手に仰いで、梅田貨物線と合流し吹田貨物駅まで貨物線と旅客線併せて6つの線路がしばらくの間並走する。神崎川を渡ると吹田貨物ターミナル構内となる。おおさか東線の線路と別れてすぐに南吹田駅手前で分岐する城東貨物線と合流した。
吹田西貨物→京都9564M、京都→京都貨物 入9564M
吹田貨物駅はJR貨物が誇る巨大ターミナル駅へと生まれ変わっている。2013年3月16日に開業している。7258メートル。着発12線、吹田貨物駅西本線に運転停車した。右奥には吹田工場が見える。吹田貨物駅で3分停車した。千里丘駅の先まで貨物駅構内を走行する。吹田から千里丘まで約5キロに走行しているので、吹田貨物駅がいかに広大であるかが体感できる。大阪貨物ターミナル駅へと分岐する東海道貨物支線と別れ、JR京都線の本線と合流する。
茨木、JR総持寺、摂津富田、高槻、島本、山崎、長岡京、向日町、桂川、西大路と通過運転が行われた。京都には13:24、32番のりばに到着した。32番のりばは嵯峨野線が発着するホームで水色の287系が入線すること自体が珍しく、そして31番のりばには赤色の287系特急きのさき号が発車を待ち構えていたので貴重な入線シーンとなった。今回の旅は途中駅で扉が開かない運行であり、構内に降り立つことはできなかったが、ホームには貴重なシーンをカメラに収める人を数多く見かけた。
京都で2度目の方向転換を行い、入換信号機(25km/h警戒信号)を使用して京都貨物駅へと向かう。列車番号を持たずに走った。途中に京都鉄道博物館の横を通過する。この日は嵯峨野観光鉄道に使用されるトロッコ客車の留置が確認できた。京都貨物駅で約1時間ほど停車した。着発7番線に到着した。E&S方式の貨物駅である。京都貨物駅は西大路駅の手前に位置している。
京都貨物→安治川口 9565M
長時間停車の後、14:37に京都貨物駅を発車する。
西大路駅構内で特急はるか号が走行する線路に転線し、桂川駅手前で本線を跨ぎ向日町駅手前で本線下り外側線に合流する。向日町駅から長岡京駅間には広大な京都総合車両所向日町操車場が拡がっており、ここにはかつて国鉄型の特急車両が多数留置されていたが、今はJR車両が列を並べている。681系、683系、221系223系のほか、この日はWESTエクスプレス銀河の留置が確認できた。京都発着の列車は向日町操車場まで回送され留置される。かつては客車や長距離夜行列車も向日町で折り返し整備を行っていた。操車場に留置される車両を眺めているとあっという間に長岡京を通過した。
この先茨木駅の待避線に入った。茨木駅はホームのない待避線に停車し後続の新快速を退避した。ここ待避線は貨物列車の他にも特急くろしお、こうのとり号が回送列車として時間調整のため使用されることが多い。団体も含めて営業列車で使用することはレアである。今回の貨物線ツアーではホームのない線路に入線している。西宮、摩耶、尼崎がそうであった。茨木駅まで外側線を走行する。
茨木駅の先で吹田貨物駅へとつながる貨物線に転線し、本線をまたぐ。特急はるか号が走行するルートであるため日常的ではあるが、貨物線を走行する特別なたびであることに変わりはない。吹田貨物駅の着発1番線に停車する。左に貨物駅本線があるが、着発1番線に入線することは旅客列車ではあり得ないのでこれまた貴重である。
15分停車した後、梅田貨物線へ向けて列車は進むが、この先新大阪駅で運転停車する。新大阪駅を発車するとその後、淀川を渡り、地下へ入り昨年完成した大阪駅地下ホーム(うめきた)21番線を通過する。その際、車内を暗くしてフルスクリーンホームドアのある21番線を通過した。前回の貨物線ツアーでは22番線で運転停車した。特別な体験である。
地下ホームを通過すると上り急勾配を駆け上がり浄正橋踏切を渡り、高架線へ上がる。上り途中には大阪環状線福島駅ホームが見える。貨物線は単線のまま西九条駅まで続く。野田駅を過ぎると大阪環状線へ転線する渡り線が何本か存在し、特急はるか号、くろしお号が渡り線を通り天王寺方面へと向かう。西九条駅通過線を通り、桜島線の本線へと合流していく。大阪臨海部野風景を目にしながら、安治川口駅手前で貨物駅へとつながる線路へと転線し、安治川口駅着発1番に停車した。
安治川口→新大阪 9566М
安治川口駅に位置する大阪貨物ターミナル駅は安治川口駅ホームの先に位置する吹田貨物駅と同様の巨大貨物ターミナルである。こちらでも1時間の停車時間が設けられた。長尾車掌によるサンライズ出雲92号おやすみ放送(仮定)が披露された。
安治川口駅17:01に発車した。発車時にはJR貨物の好意で出発メロディーが鳴らされた。桜島線を走行し、西九条駅の通過線で少々停車した後、大阪駅地下ホーム24番線を通過し、17:19に終点・新大阪に到着した。第2回関西貨物線の旅は今回も濃い内容をもって幕を閉じた。
今回も含め、JR貨物関西支社協力の元で開催されている。貨物線ツアーが実施できるのは貨物の営業がない、GW、お盆、年末年始のみとなる。貨物の荷捌きがなく大変落ち着いていた。
特別企画:三度の飯より幕回し@神戸駅
クラブツーリズム鉄道部のツアーでは乗車から降車まで様々なイベントが開催される。そのうちの一つが神戸駅で開催された車両の方向幕や行先を表示させる、いわゆる「幕回し」である。クラブツーリズム鉄道部ではすべてのツアーでではないが、今回と同様に「幕回し」が行われている。題して、「サンドの飯より幕回し」である。287系パンダくろしお編成で対応できる方向幕や行先が表示された。通常運行では表示されない幕や行先が披露された。