紫波町視察ツアーに行ってきました。【2日目レポート】
今日の記事は、昨日の記事の続きです。
先月末に1泊2日で視察ツアーに訪れた岩手県紫波町のレポートになります。
1/30 00:00-07:00 紫波型エコハウスに宿泊
飲み会が終わり、紫波町独自のエコ基準を元に建設されたエコハウスに宿泊しました。
こちらのエコハウスへの宿泊体験は今月末(2/28)までの期間限定なので、気になる方はお早めに問い合わせをしてみてください。
室内はこのような感じ。紫波の森林資源を有効活用するために作られた「地域熱供給システム」を利用することができるので、暖房をつけなくても普通に快適な室温がキープされていました。
この「地域熱供給システム」は、木質チップボイラーで温めた温水を循環させてオーガルエリア全体の住宅や公共施設などに暖房用と給湯用の熱として供給しているシステムです。
壁の断熱材自体も通常よりぶ厚く使われています。
使われている窓ガラスも「トリプルガラス(3枚ガラス)」が使われていて、夜に窓を触っても全然冷たくないぐらいに断熱性が高かったです。
さらに、写真では少しわかりにくいかもしれませんが、ブラインドも屋外に設置されています。これにより暖気や寒気がガラス部を透過しにくくなるので、通常よりも断熱性能が上がります。(ただ、初期費用がべらぼうに高いと聞きました…w)
あと、個人的にすごく良いと思ったのが、ロールスクリーンカーテン。形状的に空気の層ができるようになっているので、さらに窓からの熱を遮断してくれる効果があるとのこと。(ちなみにこれもお値段は張るそうですw)
また、ドアもすごくぶ厚くてビックリするレベルでした。これだけの厚さがあると、絶対に熱を通さない気すらしてきます。
何よりすごかったのは、建物全体がしっかり断熱されているので、室内の空気が均一な温度になっていることです。よく部屋の隅のほうに行くと寒かったりするじゃないですか。あの感じが全くなくて、どこに居ても快適な温度がキープされている感覚をしっかり味わうことができました。
目覚めも良くて、朝から気分が上がる。これは体感した人しかわからない感情だと思います。
1/30 08:00-09:00 TheBAKERで朝食
心地よい朝を迎え、早朝のオガールに向かいます。
向かったのは朝7時から営業しているパン屋さん『The BAKER』です。
鳥取で何度もお会いした懐かしい知人とも久しぶりの再開を果たし、充実の朝を過ごしました。
1/30 09:30-10:30 オガールネスト見学
モーニングを食べて、エコハウスのチェックアウトを済ませて、まずは、くらしすた不動産の手がける紫波型エコハウスの賃貸版『OGAL NEST』の見学をさせてもらいました。
この物件は、全5部屋。1階真ん中の部屋は共有スペースとして住人同士で集える場所となっています。
今回案内をしてくれた 阿部静さん の部屋を覗かせていただきました。
普段から視察の人がきたときのモデルルームとして見学対応しているそうで、しっかり整頓されて素敵なお部屋になっていました。
この日もほぼ暖房は使っていないそうなんですが、室温はかなり高く、上着を着ていると汗ばむほどでした。途中でみんな上着を脱いでますね。
1階中央の共有ルームも見学させてもらいましたが、この部屋も全く暖房をつけてないのに普通に過ごせるほど高い断熱性を実感しました。
1/30 10:30-11:30 はちすずめ菓子店
オガールネストの見学を終えたその足で、部屋を案内してくださった静さんのお店『はちすずめ菓子店』へと足を伸ばしました。
1/30 11:30-12:30 オガール見学
続いて、念願のオガール見学のスタート。案内をしてもらいながらしっかりと見学させてもらいました!
まずは、『オガールベース』の中にある『オガールアリーナ』に。
元バレー部の血が騒いだのが、この体育館で使われている “タラフレックス” です。国際大会基準のコートに使われている素材で、国内ではオリンピックセンターとここにしかない貴重なコートになっています!
奥のスクリーンには、館内に設置されているカメラで撮影した映像が瞬時に投影される仕組みになっており、バレーボールの合宿地としては最高の環境が揃っています。
ちなみに、体育館を出てすぐのところにはお風呂もあり、すぐに汗を流せる環境も整えられていました。
続いて、ずっと行きたかった紫波町図書館。
司書の手塚さんにしっかりと案内をしてもらいました。
少し驚いた点を紹介しておくと、図書館なのにCDと試聴機が置かれていました。
これは同じ建物内に音楽スタジオを有する紫波町図書館ならではの特徴に感じました。
また、本棚がまさかの免震仕様という話にも驚かされました。ちょうど建設段階で東日本大地震が起きたことで導入する運びになったそうですが、日本国内の図書館ではここだけではないかと言っておられました。
図書館の2階部分には、飲食OKなスペースも用意されており、快適に読書タイムを過ごすことができる工夫もされています。
広い学習室も完備されているので、学生にとっては天国のような場所に感じました。(僕もここで勉強したかった…!!)
そして、隣の建物には、エコタウンに温水を供給している「地域熱供給システム」のボイラー室がありました。ここからエリア全体に温水が送られいるんですね。
また、今回は購入できませんでしたが、産直マルシェエリアもあります。
1/30 13:00-15:00 くるみアパートメント
オガールの見学を終え、続いて車で矢巾エリアに向かいます。着いたのは『くるみアパートメント』と呼ばれる複合施設です。
昨日の記事で紹介した『十三日(とみか)』や、前述の『オガールネスト』を手がけている、くらしすた不動産のプロデュース施設でもあります。
2つの飲食店と美容室、そしてキッチン付きのレンタルスペースが併設されています。
まとめ:オガールの波及効果が著しい
長いレポート(と呼べる代物ではないかもしれませんが)になりました。紫波町とその周辺エリアの雰囲気が少しでも伝わったでしょうか?
本や講演会で話を聞いていた紫波町ですが、やはり実際に自分で足を運んで五感を使って感じると全然印象が違ってきます。
個人的に最も強く感じた印象は、「オガールの波及効果がこれほど広がっているとは…」でした。
人口が増えていることや地価の上昇はもちろん、子育て世代が移り住んできたことで小さな町にも関わらず70人近い待機児童が生じてきていることも衝撃な事実です。
そして、そのエリアに住む人たちやお店を営業している方々の意識の中に、地域でエネルギーもお金も循環させている意識が根付き始めている(いや、すでにもう根付いている)ような感覚も抱きました。
岩手県の人口3万人ちょっとの町ですが、これほどまでに行政も民間もパワーとスピードを持って取り組みをしているのを目の当たりにしてしまうと、他の地域が取り残されていく気がしてなりません。本当に危機感。
もし、全国のまちづくり関係者の中で、まだ紫波町に行ったことのない方がいれば絶対に行くべきだとお伝えしておきます。それほどまでに、紫波町のインパクトはデカいです。
さすがに岩手まで行くのは・・・、という方は、とりあえずこちらの「町の未来をこの手でつくる」を読んでみましょう。価値観がガラッと変わるかもしれません。
長いレポート記事になってしまいましたが、読んでくださった方にとって何かしらヒントがあれば嬉しいです。
では、またあした〜!