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「ご破算で願いましては」で、日本は再び立ち上がる。

あまり知られていませんが、小学1年生のときから「算盤(ソロバン)」を習っていました。

一時期やめた時期もあったものの、中学3年の夏ぐらいまで約9年間にわたってそこそこ真面目にソロバン教室に通い続け、最終的には【珠算3段】【暗算6段】まで合格しています。

(今でも、2桁のフラッシュ暗算ならみんなが驚く程度の速さでも答えられる自信がある)


そして、ソロバンの『読み上げ算』(他人が読んだ数字を計算するヤツ)をするときの一般的なスタートの合図、

「ご破算で願いましては」

が最近よく頭に浮かんできます。きっと、2020年は「ご破算で願いましては」と大号令が叫ばれる時期なのだろうなと。


❇︎


2月末に購入して以来、積読状態になっていた『シン・ニホン』を数日前に一気に読み終えました。新型コロナで世界が混乱し始めたあたりから、評価が再浮上している書籍です。(紙版は品薄状態が続いているらしい)

この中で、著者が「日本の本来的な勝ち筋」として4つのポイントを挙げていました。ザッと紹介すると、

① すべてをご破算にして明るくやり直す
歴史的に見ても、既存のものをゼロベースに戻して徹底的に新しいものに乗り換えるのが得意な国である。
 例1) 明治維新で地方分権システムを一気に中央集権モデルに創り変えた
 例2) 伊勢神宮では飛鳥時代から社殿を20年毎にすべて造り替えている(式年遷宮)

② 後追いだけど圧倒的スピードで追い抜く
いつも参入は遅いものの、一度スタートすると瞬く間にキャッチアップして世界トップレベルに応用させてきた。
 例1) 発祥後1000年以上経って伝来した「仏教」を一気に派生発展させた
 例2) チェーンストアの概念も輸入したものを拡大発展させて逆に輸出した

③ 変革期には若い人を信じて託して応援する
イメージは薄いかもしれないが、日本は何度もこのやり方を使って未知なる変化を乗り越えてきている。
 例1) 明治維新を支えた「岩倉使節団」の主要メンバーは20代後半から30代前半で平均年齢は30歳だった
 例2) SONYの創業者(当時25歳と38歳)を支えたのは元宮内庁長官&元文部大臣などの大物シニア層だった

④ 不揃いの素材を活かして強いものを作る
日本はアシンメトリーから美を生み出す世界的にも稀な伝統的バランス感覚を有している。(素材の癖や特徴を活かして大きな何かを作り上げる能力)
 例1) 薬師寺の東塔などの裏側では不揃いな木が総持ちで支えている
 例2) インテリアや空間デザインの分野でも「折衷主義」が活かされている

という感じです。

言われてみれば、日本の文化の中には

・今まの価値観を一気に転換させる力
・新しい価値観に順応していく対応力
・若い世代を信頼して夢を託す懐深さ
・バランス良き折り合いを紡ぎ出す力

が備わっているのかもしれないなと強く感じます。


昔から日本人が基礎教養として大事にしてきた『読み・書き・算盤』の中で、何気なく刷り込まれてきた言葉のひとつ。それが、

「ご破算で願いましては」

であり、この言葉の裏には、「今までの価値観をご破算して、新たな価値観への順応に備えよ!」という隠れたメッセージが込められている。


もしかしたら、未知のウイルスは我々日本人に向けて「ご破算で願いましては」と語りかけているのかもしれません。


この国は、今までの価値観を捨てて、新たな価値観を創造し、もう一度立ち上がれる。この転換期に生きる僕たちは、後世に良い未来を残せるのでしょうか。今の僕らの頑張りが、これからの未来をつくる。


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というわけで、今日の記事は以上です。
少しずつコロナ時代の解像度が上がってきて、進むべき方向が分かり始めてきているような気がしている、今日この頃なのでした。

では、またあした〜!

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P.S.
400ページ以上と分厚くて定価2,640円と高価な本ですが、現時点で2020年ベスト書籍だと感じたので、ぜひ読んでみてください!(個人的には「風の谷構想」に対してあまり共感できませんでしたがw)


合わせて、渋沢栄一の『論語と算盤』も今このタイミングで読んでおくべき一冊かなと。これからの社会を考える上で大事なポイントが詰まってます。


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りょうかん
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