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お別れの仕方
年々、利用者さんのご家族・ご親戚のご不幸が増えます。皆さん、年齢を重ねていかれるので仕方のないことです。その状況をどのように受け止めてどのように乗り越えるかということが支援になります。
今まで、いろいろな形でお別れの場面の支援をしてきました。ご家族の依頼で、式に利用者さんと一緒に参列し横に座っていたことがあります。控室で利用者さんと待機して肝心なところだけ一緒に参列したこともあります。式への参加は難しく、病院でお別れをしたこともありました。
利用者さんの受け止め方も様々です。誰かの死をきっかけにしていろいろな死や別れを思い出して不調になられる人がいました。しんみりと何度も現実を言葉にしながら乗り越える人もいました。お父様が亡くなられて一年後ぐらいに遺影に向かって語りかけ始めた人、大好きな叔父さんがなくなった後、私には、お母さんの用事で休むから、とだけ言って耐えていた人もいました。
私が若いころ、ある利用者さんのお父様がお亡くなりになりました。そのとき、ご家族の希望で利用者さんは「緊急一時」いう制度を使って一時的に入所施設に入りました。そのときは、親の葬式に出られないなんて、と憤っていました。私が付き添うから式に参列させてあげてください、そんな失礼なことを言ってしまったこともありました。
お別れの仕方は人それぞれ、いろいろあります。式に参列するだけがお別れではないということを知りました。大事なのはご本人がその悲しみ、現実を受け止めて乗り越えることです。私たちがお手伝いするのはそのときです。
今は、あの頃よりは悲しみを分け合えるようになった気がします。