わすれないで/防災訓練を見直す
東日本大震災のあと、そのときのことを忘れないように、利用者や支援者にインタビューやアンケートをとり、それを冊子にまとめました。その冊子が「わすれないで」です。
東日本大震災から10年が経ちました。10年前、東日本大震災のあとに作った冊子「わすれないで」を読み返しています。読み返すと、10年前にいろいろなことを反省しています。その反省をもとに見直したことがあります。また、いまだに改善できない課題があります。10年前を思い出しながらnoteを書きます。
まず大きな揺れがあったときのことを書きました。続いて災害時の備蓄品等について書きました。昨日は、いまだ改善が難しいことを書きました。今日は、最後に東日本大震災をきっかけに見直したことをまとめます。
私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。東日本大震災以前から事業所では毎月一回、防災訓練を実施してきました。しかし、東日本大震災では、その多くが実践的ではないということを学びました。
ヘルメットをかぶる
東日本大震災のときは、ヘルメットをかぶる習慣がなかったということを書きました。そこで、防災訓練のときに、ヘルメットをかぶるという練習を繰り返しています。
写真は、地域防災拠点に避難する練習です。万が一、支援者が不在でも避難できるように練習しています。
利用者と一緒に災害時用備蓄品を管理する
東日本大震災のときは、備えていた備蓄品等をスムーズに取り出すことができず苦労したということを書きました。当時は、担当職員が必要な物をそろえて、上手に収納するという管理方法でした。
そこで、東日本大震災以降は、事業所の活動の一環として利用者と一緒に災害時備蓄品を整備することにしました。利用者の得意なことを役割にして実施しています。
たとえば、字を読むのが得意な人はリストを読み上げ、書くのが得意な人はリストに✔をします。また、他にも探すのが得意な人、運ぶのが得意な人、支援者に渡すのが得意な人、詰めるのが得意な人などがいます。この方法で利用者も支援者も備蓄品を意識することができます。
地域の防災訓練に参加する
東日本大震災では、地域との連携が必要なことだと感じたと書きました。そこで地域の防災訓練に参加するようにしています。しかし、支援者の勤務状況等で主体的に参加することまではできていません。それでも少しづつ、地域の皆さんと協働しています。
写真は、グループホームの入居者が、地域の人と一緒に水くみの訓練をしているところです。
下の写真は、消防の放水体験をしているところです。
また、それ以外にも、地元の消防署の協力を得て、より実用的な防災訓練をしています。写真は、万が一負傷者が出た際に担架で運ぶ練習です。利用者同士で協力して運んでいます。
これからも地域と協働すること、一人一人の力を活かすこと、いろいろな場面を想定することを意識しながら災害に備えます。