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他人に厳しく自分にあまい
私の仕事のパートナーがよく言う言葉です。「福祉人って、他人に厳しく、自分にあまいんだよね」。その人は、20年近く私を支えてくれています。それだけに、その人が言う言葉は、私の心に強く響きます。
私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。今の私は、理事次長業務が中心です。しかし、以前は現場の支援者でした。また、そのころの私は、他人に厳しく自分にあまい、その典型でした。
タテの関係から似非ヨコの関係へ
私が現場の支援者をしていたころ、福祉従事者は「指導員」と呼ばれて、タテの関係でした。そのため、私だけでなく利用者に対して厳しい福祉従事者がたくさんいました。また、当時は新しく入職した福祉従事者に対して「利用者になめられないように」と申し送りをしている経験者もたくさんいました。
それが今の福祉従事者は、ヨコの関係で支援員です。しかし、まだまだ指導員的要素は強く、似非ヨコの関係になってる支援者がいます。
似非ヨコの関係には、「利用者のため」というお題目が付きます。支援者は、利用者のためを思って言っているんですと主張し、自分のことには目をつぶり、利用者には厳しく接します。それが毎日のことであれば利用者にとっては相当なストレスになります。たとえば、朝食のことについてです。
朝食を食べる、食べない
グループホームで生活をする人の中に朝食を食べたがらない人がいます。その利用者は、朝が苦手なようで朝はなかなか起きて来ません。支援者は、何度も何度も声をかけて朝食に誘います。しかし、その利用者は朝食を食べることなく食卓でもウトウトしています。支援者は、声をかけたり箸を持たせたりして食事を促します。それでも眠気が優先して食事が進みません。その利用者の支援計画を見ると「朝ごはんをしっかり食べましょう」と書かれています。
以前、事業所の行事で旅行に行ったときのことです。朝食のバイキングで何も食べない支援者がいました。飲み物だけを飲んでいました。私が「調子の悪いの?」と聞くと、その支援者は「朝から食べられないですよ、胃がもたれちゃって…。」と言いました。しかし、その支援者は、目の前に座る利用者に対して「しっかり食べないと、一日がもたないよ。」と声をかけ食事を促していました。
支援者が集まる会議で話を聞くと、朝食を食べないという支援者がたくさんいます。しかし、その支援者たちも利用者が朝食を食べないことを問題にします。どうしたら食べてくれるか議論をしています。たしかに一日のリズムを作るうえで、朝食は食べた方がいいです。しかし、なぜ食べないのか、食べられないのか、そこにも注目をしなければいけません。
特権階級をやめよう
支援者に話を聞くと「利用者に何かあったら困ります。」「自分は、大丈夫です。」と言います。利用者は、自分の体の変調を速やかに伝えることができないというリスクはあります。しかし、支援者より健康的な生活をしていることも事実です。
支援者はいいけど、利用者はダメ、そういう特権階級を、利用者は敏感に察知します。昔の自分を反省し、そういう「あるある」を断ち切っていかなければいけません。
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