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Adler Festo 講演より/職員研修の目標は共同体感覚を養う

09月21日、早稲田大学で開催された「第5回アドラーフェスト」にて行われた向後先生の講演「“態度”をアドラー心理学から捉えてみた」をふりかえり、実際の支援場面と結びつけて考えます。

態度はブルームの3分類における態度技能です。他には認知技能運動技能があります。

現在の人材雇用における試験および雇用後の教育は運動技能ばかりに注目していることに気がつきました。結果、言われたことはできるけど、それ以上のことができないという支援者になっています。

一回の面接試験と1、2回の実地試験で、応募者の合否を決めなければいけません。結果、大きなマイナス要素がなければ採用ということになります。それ以上は研修で何とかしようという腹づもりがあります。さらに報酬単価の関係で余裕をもった人材雇用ができません。よって、研修のゴールを、とりあえず現場を一人で任せることができれば良い、というところに設定します。そこで成長が止まっています。

運動技能は体で覚えることです。言われなくても、意識しなくてもできることです。認知技能は頭で考えること、知識です。支援は援助技術だけでは成立しません。さまざまな制度を上手に組み合わせて支援をします。制度を覚えていくことは、認知技能になります。また態度技能については、向後先生から社会・情動的スキルであるとお話がありました。自己をコントロールして他者と協力する技能です。

以前の障害福祉サービスは、利用者自身に課題を見つけて、その課題を解決していくことに重点が置かれていました。しかし、現代の支援はエコロジカルアプローチといい、利用者をとりまく環境にはたらきかけて、社会的障壁を取り除きます。ここでは態度技能が必要になります。態度技能が養っていないと、自分勝手な支援に走り、他の支援機関と連携を組むことができません。

今まで、態度技能を意識した研修をしていませんでした。また、研修を担当する支援者も、態度は社会人としてすでに身に付けていて当たり前、教えるものではない、と思っています。そこから改善が必要です。

研修の内容の見直しと、研修担当職員への意識改革が必要です。

アドラー心理学においては自己をコントロールし他者と協力していくスキルを共同体感覚といい、共同体感覚は訓練されなければ上達しないと言います。

これからの研修目標は共同体感覚を身に付けることです。

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