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理にかなった教え方をする (教える技術 5回目より②)
01月09日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「教える技術」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面で活用すること、また支援者の働き方改革への活かし方を考えて書いていきます。
5回目は、コースの設計の続きです。先生が、前回の講義についての質問に答えたあと、コース設計についての説明がありました。昨日は、コース設計におけるリソース(資源)について書きました。今日は、フィードバックについて書きます。
リソース(資源)を使って活動をしたら、忘れずにフィードバックをします。講義では3種類のフィードバックがあると学びました。それは、次の3つです。
▶ 強化としてのフィードバック(即時)
▶情報としてのフィードバック(KR情報)
▶コミュニケーションとしてのフィードバック
(学習会全体へのコメント、助言)
また向後先生は、教え方は理にかなっていなければいけないといいます。障がいのある人たちへの支援において、支援者の教育は大事な仕事の一つです。特に、支援者の失敗でヒヤリハット事例や事故事例になったときの事後対応の教育は大切です。理にかなった教え方をしないと支援者はいつまでも成長せず、その場に立ち止まったり後退をしてしまいます。
私は、教える技術を学ぶまで、間違いを指摘するだけで教えた気になっていました。間違えたところを指摘して、こうでなければいけない、どうすればいいか自分で考えなさい、と言って終わっていました。利用者へのかかわり方は自分で考えることが適切であると思っていました。また、残念なことにこのように考えている支援者は他にもいました。
教える技術を学んだあとの私は、若い支援者が不適切な支援をしてしまったあと、具体的にこうしたらどう、試しにこうやってみたら、と説明をしました。それを見た別の支援者が、その教え方は甘やかしている、自分のためにならないのではないかと、私に助言してくれました。
情報としてのフィードバックは、正解を説明して上達できることを目指します。失敗をしてしまった支援者は、それだけで気持ちが萎えています。その状態で上から、自分で考えろ、と言われても考えられません。また自分考えて間違えると「何度言ったらわかるんだ」と再び注意されてしまいます。
教える人と教えられる人は対等です。ゴールを目指して、教える人は教え方の工夫をし、教えられる人は上達できるように努力しなければいけません。対人援助において援助者に求められることは、利用者の最善の利益です。支援者が支援技術を習得できず、そこで立ち止まったり、後退していては、利用者の最善の利益を実現できず、利用者に不利益が発生します。支援者の教育は、利用者の最善の利益のために理にかなった教え方を心がけるようにしなければいけません。