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トイレは申告制(福祉業界のあるある)

以前、他業種から転職をしてきた女性がつぶやいた言葉です。「ここって、トイレに行くときに申告するんですか?」
noteのお題に「業界あるある」というのがあります。今日は、私が所属する「福祉業界のあるある」です。

この道一筋35年!

私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。今は、理事長です。しかし、出発は現場の支援者です。私は、専門学校を卒業して以来、35年間、障害福祉サービスで働いています。その分、他の世界を知りません。

また、私が働いている障害福祉サービスの事業所は、小規模なところばかりです。一般の人は「社会福祉法人」と聞くと大きな建物を想像します。しかし、私が働く事業所は、住宅街にある小さな事業所です。

福祉業界のあるある

今、私がいる場所は、以前に比べたら大きな建物になりました。今まで別々の地域にあった2つの事業所を1階と2階に分けて一つの建物にしたためです。「あるある」は、まだ別々の事業所だったころの話です。

小さい事業所は、障がいのある利用者10人に対して支援者が2人体制でした。その利用者の中に、常に視界においておかなければいけない利用者が何名かいました。たとえば、急に立ち上がると転倒してしまったり、異物を口に入れてしまったり、てんかん発作を急に起こしたりする人です。そこで、支援者が何かの理由でその場から離れるときは、もう一人の支援者に声をかけなければいけません。その一つが「トイレ入りまーす」という申告です。

この「トイレ入りまーす」というのは、自分の尿意を他者に理解してもらうためではなく、私の担当する利用者の把握をお願いしますとか、このフロアの支援者が一人になってしまいます、という警告です。

私は家でも…

私は、長年この障害福祉サービスという世界で生きています。そのためトイレに入るときは申告することが当たり前になっています。

また、私の妻も同業者です。新婚時代、二人きりのときも、お互いトイレに行くときは申告していました。子どもが生まれてからもそれは当然にように行なわれていました。今では、二人の娘も申告します。幸いに娘たちは、高齢のデイサービスでアルバイトをしているので、この原理を理解しています。福祉業界のあるあるの一つです。

トイレに行かれないブラックな現場

簡単にトイレに行かれない職場というのは、ある意味でブラックなのかもしれません。しかし、福祉業界では、もっと過酷なトイレ事情の現場があります。ガイドヘルパーやグループホームの支援者です。ここでの支援は、原則一人体制です。自由にトイレに行かれません。私もグループホームに勤務しているときに辛い思いをしたことがあります。

今、私が常駐している法人本部は、比較的人数の多い事業所に併設をしています。そこでも現場の支援者を見ていると「トイレ、行って来まーす」と声を出しています。やっぱり「福祉業界のあるある」です。

連続投稿1000日まで、あと70日

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