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客人をもてなす/GWのグループホームにて

ゴールデンウイークの始まりました。私が経営する社会福祉法人にはグループホームがあります。そこでは、主に知的な障がいのある人が支援者と一緒に共同生活をしています。生活をしている人の中にはゴールデンウイークに実家に帰れる人もいれば、もう帰れなくなってしまった人もいます。今日のnoteはグループホームのゴールデンウイークの話です。

私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。法人の事業所の中にグループホームが4棟あります。グループホーム事業を始めたころ、私は週に3泊ぐらいしていました。その後、週末だけの泊まりになり、2年ぐらい前は大きな休みのときだけの泊まりになりました。泊まる回数が減ると、私の価値があがるようです。利用している人たちが私の世話をやいてくれます。

感謝されすぎて恐縮です

グループホームには通常、6人の人が生活をしています。しかし、ゴールデンウイーク等の大きな休みになると、実家に帰省する人がいます。ただし、ご家族が高齢であったり他界してしまい、もう実家に帰れない人や日帰りだけの人がいます。そのため3~4人の人がグループホームに残ります。

残っている人が3人だと車を出せるので、昼間に外食や買物に行くことができます。利用者の中には大喜びをして「髙橋くん、今日はありがとう」と、何度も何度もお礼を言ってくれる人がいます。かえって恐縮していしまいます。

洗濯、ありがとう

夕方、まず支援が必要な人の入浴をします。その後、夕飯を作ります。そのころに、一人で入浴をする人がお風呂に入ります。お風呂から出ると「髙橋くん、洗濯するね、〇〇さん(支援が必要な人)のも一緒に洗濯するから」と言って、洗濯をしてくれます。また「髙橋くん、洗濯機まだ空いてるよ、髙橋くんのも洗うよ」と声をかけてくれます。

私の分まで洗っていただくわけにはいきません。しかし、声をかけてくださるので、首からかけていたタオルをはずして洗っていただきます。

いたれりつくせり

その後、夕飯になると「髙橋くん、薬ね、忘れないで」と薬の準備をすることを教えてくれる人がいます。また、食後は薬用の水を用意してくれます。そのときに「髙橋くんも薬飲むよね」と言って私の水も用意してくれます。

私が洗い物をしていると、2階から布団を運んでくる音が聞こえます。私のために布団を運んでくれる人がいます。しかし、その人は足が悪いなので、私は階段下に飛んで行き、下からハラハラしながら感謝しています。

寝る前のひとときになると「髙橋くんは、〇〇さんと一緒にいて」と言い、洗濯物を干してくれる人がいます。いつも支援者の視界に置いておかなければいけない人がいます。その人をAさんとします。Aさんは、私がのそばに行くと、自分の部屋からウルトラマンの本を持って来て、私に説明をしてくれます。

客人をもてなす

こんな感じでグループホームの一日が終わります。グループホームの2階に住む人が、寝る前に戸締りの確認もしてくれます。私は、ほとんど何もしていません。これでお給料をいただいていいのか悩みます。

利用者の皆さんは、グループホームの支援者がいつもしていることをしっかり見ています。いつもの支援者がいないから、その通りのことをしてくれています。

翌朝、私が朝食の準備をしていると、2階から降りてきた利用者が私に声をかけてくれます。「髙橋くん、よく眠れた?」

グループホームは、利用者にとって家に代わる場所です。私は、その家に来た客人でした。そこで生活する人たちは、私をもてなしてくれていたのです。


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