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スモールステップで夢を実現させた彼の話
グルーープホームの男性利用者が引っ越しをしました。暑い中の引っ越し作業は大変なことだったと思います。最後は、お父様と一緒に部屋のすみずみまで掃除をして、引っ越されていきました。彼にとって、これもまた夢の実現に向けた一歩です。
私は、障がいのある人が利用する社会福祉法人を経営しています。法人が経営する事業所の一つにグループホームと呼ばれる事業があります。障がいのある人が支援者と一緒に共同生活をしているところです。グループホームは家に代わる住まいです。
グループホームのタイプ
グループホームには、いろいろなタイプがあります。私の法人のグループホームは、一つの建物の中に6人が生活をしています。それぞれ居室があり、食事は共有のリビングでおおむね同じ時間に一緒に食べます。主に生活全般に支援が必要な人が利用しています。
また、他には独立型のグループホームがあります。建物の作りは同じでも、自分の生活を自分で組み立てる人が生活をするグループホームです。また、ワンルームタイプのグループホームもあります。部屋は完全に独立しています。困ったら支援者に相談するタイプのグループホームです。
それぞれで良い所、悪い所があるので、利用される人の生活状況や希望に応じたタイプのグループホームを選ばなければいけません。
生活のスモールステップ
私の法人のグループホームは、集団生活に近い生活です。入浴や食事等の心配がありません。また、入居されている皆さんが和気あいあいと暮らしています。それが良い所です。その反面、プライベートが確保しずらいという欠点があります。
今回、引っ越しをされた彼は、10年以上、私の法人のグループホームで生活をしてくれました。その中で、自分の生活に自信をつけて独立型のグループホームに引っ越しをしていきました。
仕事のスモールステップ
また、仕事面も計画的に進めてきました。最初は、自主製品作りを主体とする事業所を利用していました。そこで規則正しい生活習慣を身につけ、受注仕事中心の事業所に移りました。
自主製品主体の事業所は、利用者のペースで活動をします。それに比べて、受注仕事中心の事業所は、納期を大前提に活動をします。ここでは作業能力だけではなく、自分のコンディションを保つという能力が必要になります。いろいろな利用者を見ていると、作業能力より、コンディション維持で苦労している人が多いように思います。
引っ越しをされた彼も、コンディション維持が課題でした。しかし、少しづつ立ち直る力、順応する力をつけていきました。その結果、今年の春には、さらに難しい仕事を請け負う事業所に移りました。将来は、雇用契約を結べるようになりたいと言っています。
スモールステップ
彼とは15年ぐらいの付き合いになります。去年、私が行っている地域事業にシンポジストとして参加してくれました。スモールステップで夢を実現させている話をしてもらいました。
私は、すぐに結果を求めようとする傾向があります。また、すぐに結果が出ないとあきらめてしまいます。彼から、実際のスモールステップについて学ばせていただきました。
また、しばらくしたら彼の話を聞いてみたいと思います。
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