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さりげない確認やお願いの仕方
コロナウイルスの感染者増えています。連日、テレビで感染状況が報道されっています。その報道で、グループホームで生活をする人たちが不安になっています。
グループホームで暮らす人たちの不安
私は障がいのある人が利用する事業所を経営する社会福祉法人の理事長です。理事長業務の他に相談支援事業所の管理者を兼務しています。そんなこともあり、グループホームに入居される人たちから相談の電話がかかってきます。
グループホームで生活をされる人たちの中には、一般の交通機関を使って日中活動場所に行かれる人たちがいます。5月の緊急事態宣言下においては、日中活動事業所から通所を自粛して欲しいという依頼があり、その間、日中活動に行くことができませんでした。またそういう状況になるのではないか、そんな不安を感じています。
手洗った?、どこ行ってたの?、ちょっと離れよう
また、グループホームの入居者からは、このコロナ禍において今までになかった不満が出てきています。その一つが、手洗いの確認です。支援者が、「手を洗った?」と、しつこく聞いてくると怒っていました。また、休日に外出をすると、「どこに行って来た?」と、細かく聞かれるのも嫌だと言っています。「もう、子どもじゃないんだからさぁ…」と愚痴っていました。
しかし、毎回毎回、「手を洗った?」、「どこに行って来た?」と聞きたくなる支援者の気持ちもわかります。グループホームで感染者が出ると、100%クラスターになります。設備的に距離を取ることや隔離をすることができません。今は、食事時間をずらすことで、向き合って食事をする場面を回避しています。しかし、気がつくと入居者同士で密になっています。顔と顔と突き合わせて話をしています。
入居者が、大きな声で遠くから支援者の名前を呼んだり、用事を言ったりすることがあります。コロナ禍以前は、もっと近くでしゃべって下さい、とお願いをしていました。それが今は、近くで話をしないでくださいになりました。そこでも混乱しています。
確認はさりげなく
支援者は、自分が感染することで入居者や今後の支援体制、自分の家族への影響を考えて神経質になっています。その結果、入居者に対してもついつい細かく聞いて、それを書き留めようとします。
手洗いについては、上手に誘導したり、遠目で確認したりするよう、ホームの支援者にお願いをしています。休日の外出先は、私が電話やメールでさりげなく確認をします。
「今日、寒かったね?」
「冬物とか、着る物、大丈夫?」
「今年、買いに行った?」
「今日は、どこ行ったの?」
「混んでた?」
こんな感じです。
今後は、このやり取りの延長から、不要不急の外出をひかえるようなお願いもしていかなければいけません。