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不安に寄り添う言葉が見つからないとき

利用者の中には地震に対して過剰に反応してしまう人がいます。東日本大震災の恐怖がいまだに消えません。

昨日は横浜でも体に感じる地震が2回ありました。1回目は朝の9時10分ころにありました。利用者は、ちょうど日中活動に向かう途中のことでした。2回目は19時半ころでした。私は評議員会の真っ最中で、利用者は家でテレビを見ているときでした。地震の後、不安で私に電話をしたりメールをしたりしました。でも私は会議中で、すぐには折り返すことができませんでした。

あとから連絡をすると「いじわる」と怒っていました。ごめんなさい。とても不安だったことと思います。

障がいのある人は、情報収集が苦手で予測ができない分、不安が大きくなります。先が見えない不安というのは得体の知れない不安で、とても怖いものです。また逆にネット等で過度に情報を集めすぎて情報に溺れて苦しくなる人もいます。いろいろなことが気になりすぎて何かに縛られたような苦しさのようです。

どこかで地震が起きると、利用者からは電話やメールがあります。それは近くの県でも、遠い国の出来事でも同じです。以前、「大丈夫、遠い国だから」って、応えたら「どうして」と聞きかえされて回答に困ってしまいました。「大丈夫」という言葉はおまじないです。でも虚構です。根拠がない、大丈夫はかえって相手を不安にさせてしまうことがあります。

いつ何が起きるかわからない不安なんて、気にならない人にはまったく関係のない不安です。でもそれで身動きができなくなってしまう人もいます。どうにか力になりたいと思うのです。でもそんなときに役立つ適切な言葉が見つかりません

昨日は、「明日、ゆっくり話しようね」と言って電話を切りました。今日は、利用者の方から話に来てくれました。話をすると「ここ(事業所)来るとき地震どうする?」、「ここ壊れない?」、「ご飯は?」といろいろな不安について二人で10分ほど話をすると「わかった」と言って自分の持ち場に戻っていきました。

昨日は、朝晩の地震で不安な夜を過ごしたようです。今日は安心した夜を迎えられるよう願っています。

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