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褒めて良いのか悪いのか…(教える技術 4回目より③)

01月09日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「教える技術」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面で活用すること、また支援者の働き方改革への活かし方考えて書いていきます。

4回目からは、コースの設計です。コース設計に入る前に、前回の講義についての質問に対して、グループごとに質問会議を開きました。今回、取り上げた質問は、苦手意識を持つ分野の学び方です。いくつもの提案がありました。その中の一つ、褒美の使い方について、気になる説明がありました。これは私がここ数年悩んでいたことに対する一番しっくりくる回答でした。

私は、障がいのある人への支援をしています。6年ぐらい前、私が、アドラー心理学に出会う前のことです。仕事で、応用行動分析の研修に参加しました。応用行動分析は、発達障害や強度行動障害を持つ人の支援に有効だと言われています。

研修は、たった半日だったので、応用行動分析という手法があるということを知ったことと、大きな疑問を持って終了しました。研修の中で、応用行動分析の「トークンシステム」を用いた支援場面の映像を見ました。場面はある入所施設の一室で、支援者が利用者を作業活動に参加させようとしていました。その利用者は、強度行動障害といわれ、ちょっとした声かけにも過剰に反応して、自傷行為をおこない、部屋の片隅にうずくまっていました。まず支援者は、テーブルにお菓子を用意して利用者を呼びました。利用者がそのお菓子を食べにテーブルつくと、支援者は、「よくできたね」と、いっぱい褒めてまたお菓子を出しました。それを何日も繰り返し、やがてブロックの色分け作業ができるようになりました。そういう映像です。

私の事業所にも同じような障がいの人がいます。研修のあと、同じような障がいのある人に対して、映像のような支援ができるか考えました。私の事業所は、一人の利用者に対して支援者が一対一でかかわることができません。それを考えると難しい支援です。さらに私は、お菓子というご褒美や、成人の利用者に対して「よくできたね」という褒め言葉に違和感を感じていました。

それからしばらくしてアドラー心理学に出会いました。アドラー心理学では、褒美を使いません。褒めることもしません。アドラー心理学は、感謝の言葉と勇気づけです。私が、アドラー心理学にひかれた理由の一つがここにあります。

それから一年後、教える技術に出会いました。そこでまた新しい悩みが生まれました。1ヶ月前まで、アドラー心理学を教えていた先生が、教える技術では、即時フィードバック、相手を褒めていました。

褒めて良いのか悪いのか、いったいどっちなんだ…。(つづく)

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