旅行のお土産を買うときのいろいろ
旅行の楽しみの一つにお土産があります。今日はお土産・買物に関する話題です。
障がいのある人が利用する事業所を経営しています。先週から、事業所の事業で利用者と一緒に行く旅行についていろいろな話題を書いてきました。今までの記事は、今までにどんな旅行に行ってきたか、旅行が苦手な人の話、旅行と労基法の関係、外出で学ぶ社会のルール(バスの中)と(新幹線の中)、ホテルの中でのハプニングです。今日は、お土産を買ったりする買物でのできごとを書きます。
お土産の購入も個人差があります。たくさんお土産を買いたい人、お土産を買いたいけれど何を買って良いかわからない人、お土産を買いたいけれど禁止されている人、さまざまです。
たくさん買いたい人
ある遊園地に行ったときのことです。夜、私の部屋に別のグループの利用者がこっそりやって来ました。その人は、お土産を買いすぎて、おこづかいがなくなっていました。お金を貸して欲しいと頼みに来ました。
利用者の中には、常に支援者が付き添っている人もいれば、自由に行動をしたい人がいます。夜、私に相談をしに来た利用者は自由に行動したい人でした。自由に行動しているうちにお金がなくなっていました。食事代など必要経費は別途預かっていたので、おこづかいがなくても、旅行をすごすことはできます。しかし、おこづかいがないと不安です。だからといって貸すわけにはいきません。そのときは、おまんじゅうひと箱を買わせていただき、その代金を渡しました。
お土産を選べない人
買物の習慣がない人がいます。日常生活で自由に買物ができません。買物と言ってもいつも決まったお店で決まった物しか買えません。コーヒーもお菓子も同じメーカーの同じ物を同じお店で買います。そのため日常生活に選ぶということがありません。
お店で、「どれにする?好きな物を買っていいですよ」と声をかけても困ってしまいます。しびれをきらした支援者が「これは?」と何か商品を見せると「それでいいです」と答えます。また別の商品を見せて「これは?」と聞くと「それでいいです」と答えます。
買物が大好きで買いすぎる傾向のある人の支援は比較的容易です。お財布の中を一緒に確認しながら、計画を立てます。反対に、選ぶことが苦手な人の支援は難しいです。そういう利用者の書類には、優柔不断と書かれることがあります。しかし、優柔不断なわけではなく、日常生活において経験が少ないため決めることができないだけです。
初めての旅行で、駅弁を選ぶことができなかった利用者がいます。そのときは、電車の時間があったので、支援者が選んで、無理やり電車に誘導しました。しかし、その利用者も、外食の経験を積み、グルメになり、その後は、自分で食べたいメニューを誰よりも早く主張するようになりました。
買っても持って帰れない人
お土産を買っても持って帰れない人がいます。病院に入院をしている人です。サービスが不足しているため、居住場所がありません。そのため、病院に入院をしています。病院に持ち帰ることができない物があります。そのため買える物にも制限があります。自由にお土産を買うことができません。
旅行は学びの宝庫
買物一つとっても人それぞれの事情で支援が異なります。ここでも支援者は、個別ケア、利用者本位、ノーマライゼーションといった、福祉サービスの原則を学ぶことができます。利用者と一緒に出かける旅行は、学びの宝庫です。
一週間を通じて、事業所で利用者と一緒に出かける旅行について書いてきました。しかし、皆さんが楽しみにしている旅行も、今年は中止です。来年、旅行に行くためには、今、一人ひとりが感染予防をすることがだいじ、今日はそんなお願いを皆さんにしたところです。