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ワンストップとワンウエイ

社会福祉法人を経営をしています。法人の事業に相談支援があります。また、相談支援事業にかかわらず社会福祉法人には、地域福祉の窓口という使命があります。地域福祉の窓口では、地域住民からさまざまな相談があります。そのときに意識しなければいけないことは「ワンストップ」です。しかし、オンライン化が進むと、「ワンストップ」が「ワンウエイ」になることがあります。

兼務の嵐

今日は、ひさしぶりに怒りました。私は、障がいのある人が利用する社会福祉を経営しています。社会福祉法人といっても最小規模の社会福祉法人です。そのため、兼務、兼務、兼務です。私は、社会福祉法人の代表としての対外業務のほか、相談業務、事務のかけもちをしています。

事務仕事の内、私が担当する事務は主に行政関係の届け出です。行政も、福祉関係だけでなく、法人、労働、保険と他分野におよびます。最近、その行政への届け出がオンライン化されてきました。しかし、それは非効率的なオンライン化です。

非効率的なオンライン申請

先週〆切の届け出がありました。私は、〆切の数日前から届け出専用のサイトにアクセスをしていました。しかし、いくら操作をしても使い方がわかりません。サイト上にある説明書を読んでも何を言っているのわかりません。また、説明書の種類が多すぎて、どれを読めば良いのかわかりません。仕方なく、サポートセンターに電話をしました。

しかし、サポートセンターもつながりません。電話をかけると、「現在大変込み合っています。時間をおいてかけなおすか、…」とメッセージが流れます。時間をおいても状況は同じです。そのまま週末を迎えてしまいました。

督促状が届いた

週が明けた月曜日のことです。関係する省庁から手紙が届きました。中の書面の表題には「督促」とあり、本文には「このままでは罰金が生じます」と書かれていました。すぐに督促状を送付した担当者に電話をかけました。

担当者は、「(サポートセンターが)つながりませんか? あっ、メッセージのあとそのままにしていればつながりますよ」と言います。担当者が言うには、音声メッセージで「時間をおいてかけなおすか」をそのままつないでおけばいつかはつながると言っているのです。私は、そこまで気が長くありません。

担当者が使い方を知らない

また、担当者は「難しいですか? でも、できている人もいますよ」と言います。それは私もわかっています。しかし、使えない人を使えるようにするのも行政担当者の役目です。さらにその担当者は「私は、そのシステムについては詳しく知りません」と言いました。その画面を見たことはある、しかしログインしたことはないそうです。この担当者の肩書は「指導官」でした。

この指導官は、最後に「べつに、従来通りの紙でいいですよ」と言っていました。これでは多額の資金を投入して作ったシステムの意味がありません。

もし、この指導官がこのシステムを普通に使えていたならこれ以上のおおごとにはならなかったと思います。しかし使えませんでした。そのため、この指導官が所属する機関の所長とのやり取りにまで発展しました。

ワンウエイではなくワンストップ

私の仕事の一つに「相談」という業務があります。相談される内容は、日常の出来事、将来のこと、サービスの使い方、書類の書き方、まったく専門外のことなどさまざまです。それらすべてに対して一人で完璧な対応ができるわけではありません。しかし、気をつけているのは「ワンストップ」です。

相談をしてくる人の中には、たらい回しにされて来る人がいます。たらい回しにされていると、あきらめてしまう人が出てきます。その結果、不利益を被ることが起きたら大変です。そのためワンストップを心がけています。

オンラインは、使える人には便利です。しかし、一度つまずくと、結果が0になってしまうことがあります。がんばって入力して送信をしたらエラーになり、修正しようと思ったらそれまで入力をしたことがすべて破棄されていることがあります。そうなったらもうやめます。

同様にオンラインによる説明書きも不便です。わからない点が明確な人は便利です。しかし、何を探したらいいか、何を調べたらいいかわからない人には不便です。

今回の電子システムにおいては、案内には「簡単便利でスピーディー」と書かれています。オンラインによってさまざまなわずらわしさが解消されるのでしょう。しかし、現実は違います。

オンラインは、なかなかワンストップで終わりません。ワンストップではなく、ワンウエイ(一方通行)になっていることがたくさんあります。オンラインで物事を発信することが一般的になった今、自分もワンウエイにならないように気をつけていきます。

連続投稿1000日まで、あと68日



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