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アドラー心理学の価値(アドラー心理学実践講座 第1回目より)

10月04日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「アドラー心理学実践講座」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面でどのように活用できるか実践報告を交えて考えていきます。

10月03日、第1回目のテーマは「アドラー心理学の価値」でした。21世紀におけるアドラー心理学の価値、さらにアドラー心理学をどう学ぶかということについて学びました。

まずはチェックインです。初回なので自己紹介と講座を受講しようと思ったきっかけについてグループで話し合いをしました。また、その後の全体シェアで紹介された「みんなちがってみんないい」という言葉に向後先生は、「これってアドラー的だよね」とコメントがありました。

先生のお話を聞いて、思い浮かんだことがあります。

軽度の知的障害を持つその彼は養護学校の高等部を卒業したあと、コンクリート会社に就職をしました。そこでU字溝を作る仕事をしていました。その会社は社長夫婦と数人の職人さんだけの小さい会社でした。社長夫婦は大変気さくな方でした。職人さんは無口で昔気質の人でした。その中で彼は、毎日、重たい土を肩に背負い、コンクリートをこねて、泥だけになって働いていました。しかし、10年ほどしてその会社は閉鎖してしまいました。そのため彼は、就労系の福祉サービスを利用することになりました。

私がかかわるようになり、就労支援センターや会社まわりを一緒にしました。そのときに彼が私に言った言葉があります。
「髙橋さん、俺、最初はボランティアって言われて来たのにさぁ、気がついたら利用者になっているんだよんなぁ、早くどこか働きたいよ」

彼は力仕事に自信があります。しかし、今、そういう求人はありません。時代が少し前ならば、働く口はたくさんあったように思います。彼にとっては生きづらい時代です。

彼のような実直な人が、持っている力を発揮して活躍できる場面を見つけてマッチングしていくことが福祉の仕事なのだと思います。


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