モノづくりは、未知しるべ。〜青雲編〜
ざっくりまとめ
①スケッチを業者に送ってみよう。
②時には、気合より、努力より、科学を信じてみよう。
③とりあえず、やってみる意識を大切に。
◯自己紹介
はじめまして!急に思い立ってブログを書くことになった、27歳 写真好きの散歩マスター、空前絶後の変な声で、毎日会社員しております、リョウジと申します。
デザイナーとして活動したり、写真展を開いてみたり、8pinoという電子基板を作って、スタートアップ的なものをやってみたり、何でもかんでも、やってみよう家です。(やってみよう家っていう職業考えてみました笑)
学生時代の思い出をきちんと残そうとおもって、noteに投稿しちゃえ!とおもった次第です。
苦労より楽をとり、努力より睡眠を優先する、でもちょっとそんな自分に後悔してる。でもやめられない、二流の人間ですので、二流の文章です。
何かしら皆様のお役に立てれば幸いです。
(役に立たないかもしれませんが笑)
これから書くコトは、このミラノサローネに10万円で作った照明を出展するまでに至った僕の思い出と学んだコトです。
◯ミラノサローネって、なによ?
ミラノサローネというのは、インテリアデザインのパリコレです。
世界最大の家具の祭典、世界中のデザイナーたちが集まり、作品を発表していく場。毎年十数万人が訪れるイベントです。
日本だとインテリアデザインでそんな人が集まるの?って疑問に感じるかと思いますが、ヨーロッパでは新築の家を建てるより、古い家に新しい家具を入れることが多いので、日本にとっての建築業界に近いものがあります。きっと大きな市場があるから、大きく発展したのだと思います。
サローネのHPはこんな感じ
http://www.milanosalone.com/
○小ちゃかったミラノサローネ
たまたま幼少期に、父の同級生がデザイナーを知っていて、ミラノに来た時にサローネに連れて行ってもらったことがあります。まだサローネが全く有名ではなく、デザイナーの学会みたいだったころ。
ほとんど記憶がないけれど、サローネという名前だけは知っていました。まさか自分が出すとは思っていませんでしたが。
ちょっぴり歴史を話すと、サローネは、もともとサロンという意味で、それぞれの家具屋さんが期間中に綺麗にショーウィンドーを飾って、商談するというスタイルでした。その結果、町歩きしながら家具を楽しむスタイルになって、当時一番大きかったドイツのアンビエンテより次第に人気になりました。
たしかに展示会といえば、幕張メッセとかビックサイトみたいな一箇所で見せるイメージなので、新鮮だったのかも。
◯青雲やめますか、青春やめますか?
みなさんの地元はどのくらい田舎ですか?
僕の通っていた学校は、住所で言うと町より小さな規模の左底郷と言われるくらい田舎に通ってました。
絶対に行きたくないけど、中学受験に落ちるのはプライドが傷つく。受かってければいいと思って、受かってから親に行かないと言ったら大もめ。入学式前日は正座をさせられ、すごく厳しいことで有名な青雲(男子校)に通うことに。
どのくらい厳しいかというと、戸塚ヨットスクールか青雲かと言われるくらいで、体罰ありの中学一年生から高校三年生まで7時間授業土曜ありの学校で、250人の同級生が卒業時には190人くらいに減っていました。僕も先生に首を絞められたことがあります笑
という訳で、
僕の母校の裏のキャッチフレーズは、青雲やめますか青春やめますか。
という名前が付いていました。
でも、6年間厳しい代わりにみんな東大や医学部に入っていくような学校。
(僕は、早稲田大学になんとか入れてもらいました。)
そんなところに雑貨とかのデザインをしてみたかった少年が入学したというわけです笑
僕は、青雲をやめたかった。笑
家族に許してもらえませんでしたが。
◯問題:美術系の進路に進む素質があるか証明しなさい。
首都圏の人はイメージつきづらいかもですが、地方だと国立大か医学部を目指せみたいな風潮があり、私大よりも九州大学の方がいい。頭がよければ、医学部を目指すべき。という雰囲気が流れてます。
青雲の学生は、お医者さんの息子が多く、より一層医学部目指している人がおおい。何を隠そう、わたしも医者の息子。
ある日、デザイナーになりたいんだけど、というと。
父、マジギレ。
すごく怒られました笑。
そう、青雲ではデザイナーを目指すなど言語道断。
長崎の田舎では、みんなデザイナーという存在もほぼみたことがなく、芸能人になりたいといっているようなものなのです。
カエルの子は、カエル。
医者の子は、医者。
そうかもしれない。
でも、勝手に決めないで。
ムカつくんだけど。
と思いました。僕は。
そこで、一つ作戦を思いついたのです。
実際、デザインできるって証明しちゃえばいいんじゃない?
そう思って、シャープペンをデザインするコトにしたんです。
penっていう雑誌を読んでいて、とっても文房具が好きだったから。
それで、モンブランの広告のページをよく見てました。
ガラスの中にヒトデみたいなロゴが浮いている文房具。
透明なシャープペンが欲しいなあとおもって、パソコンで作り方検索すればいいじゃない?
◯答え:美術系には進めないが、モノづくりはできる。
さっそく、アクリル、業者で検索!
K&Rっていう会社を発見したのです。
図面を送るように書いています。が、図面を書いたコトがない。
ただ、算数の教科書に3面図っていうページが。。。
これや!
図面の描き方はわからんが、たぶんこれ風のやつを作ればいいんだ。
と真似しながら、書いてFaxで送ってみたのです。
(FAXって、電話についてたメール機能みたいなやつです)
K&Rさんには、極力僕が中学生だとバレないように、青雲で習った謙譲語を使いまくり、大人感を演出しつつ、やりとりを続けました。
ただ、ある日、中学生だとバレる日がきた。
そう、ウソは、バレる。
図面の書き方に不備があり、実家に電話がかかってきてしまったのです。
それを取ったのが、母。
K&Rさんも、僕が中学生だとは思っていなかったよう。
あー相手が子どもだと作ってくれないかもなあ、、、
とおもったら、全然OKでした。
ただ、切削機の精度限界でシャープペンの芯を入れるところがつくれないとのこと。
それ、ただの棒になっちまうよ、、、
中学生の僕は号泣しました。
数百万払って、型を作れば、作れるらしい。
が、俺は、これまで貯めたお年玉3万の予算しかない。
単純なカタチに穴を開けるならできるらしい。
じゃあ、もう一輪挿しにしますわ。
とにかくモノ作れればいい訳だし。
で、できたのがこちら。
1万円で、3個完成。
オレのクソ図面が、職人さんの手にかかるとこんな綺麗なモノになるのか!
とにかく嬉しかった。
家族に見せ、学校に持って行き、アピールしてみたのです。
みんなの反応は薄かった。
でも、デザインって面白いと思えるいい経験になりました。
◯絵に描いたような青春はない
高校になると、男子校の僕らには一大イベントが。
それは、女子が入ってくるということ。
ただ、中学からいる僕らは、中三までに高校一年生の課程は学習済みなので、女子とクラスは一緒になることはない。
嬉しい反面、トラブルの元でもあります笑
思春期の男子校生の最大の関心事。
それは、誰がモテるのか。
ということ。
睡眠不足、先生からの罵倒、女子と触れ合えない環境。
みんなストレスで、揉め事が増えていき、
仁義なき戦いが勃発。
簡単に言うといじめみたいなモノですが、
なぜか自分も巻き込まれていき、
体に力が入っていかなくなり、
勉強もうまくいかなくなり、
負のスパイラルに。
なんで力が入らないのかわからないけれど、
ゆっくり足を引きづりながら歩いて登校していました。
そんな僕に女の子からつけられたあだ名は、
病人。
がーん。
ちょっと恋愛してみたかったけど、
こりゃダメだなーと確信しました笑
今は全くありませんが、
みんな、自分のことキモいって思っているんだろうなと勝手に思って、
人の会話全てがじぶんの悪口のように聞こえてくる感じてました。
今思うと相当な自意識過剰な高校生ですよね笑
◯ゆっくり歩いていたら、変なおじいちゃんに出会った。
超自意識過剰な人間は、どうなるかというと、一人になります笑
一人で過ごしていると暇すぎて、
絵でも描いてみようかなという気分になってくるものです。
ただ、一つ問題が。
僕、めちゃくちゃ絵が下手なんですw
ストレス解消で絵を描きたいのに、絵が下手だからストレスになるんです。
勉強もしないとなのに。。。。
これコスパ悪くない!?(・_・;?
と思って、CM見てたらカメラのCMが流れてきました。
シャッター押せば、綺麗な絵できるじゃん!
とキムタクと渡辺謙がとってる姿をみて衝撃が走りました。
またお年玉2万5千円を使って、中古のpentaxを購入。
学校の帰り道、タンポポをとっていたら、
「おまえそれタンポポだよ。」
と知らないおじさんに言われたり、
「そうなんですね〜(知っとるわ!)」
と孤独少年にも人との会話が。
ダメ息子をさすがに心配したのか、
母が「写真カフェにいってみない?」と声をかけてくる。
当時、撮っていたこんな感じの写真を持って行ってみた。
◯著名人に、人は弱い。
カフェのマスターに見せると、
「あ、こんど、東松さんっていうおじいちゃんに見せてみるね!」
トーマスさん?日本人なのか?
(おじいちゃんにオレの写真がわかるわけないだろうよ、、、)
と思ってました。
だがしかし、
この東松さんは実は日本の写真史に残る有名な写真家だったのです。
勝手に長崎に写真家などという芸術家みたいな人種はいないと思ってました。
ただ、本当に写真家がいたのです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%9D%BE%E7%85%A7%E6%98%8E
そして、後日。
東松さんと対面。
(あれ、ふつうの優しそうなおじいちゃん?
アーティストって草間彌生的なヤバそうな人想像してた、、、)
と思いつつ、写真を見せる。
「キミ、おもしろいねー、今度アトリエおいで。」
母もびっくり。僕もびっくり。
まさか、息子に芸術のセンスがあるとは思わないですもんね笑
アトリエにちょくちょく通ってました。
そのおかげか、ちょっとずつ大学の進路に美術系の学科の志望を差し込めるようになってきました。
東松さんのアトリエに行くと、おじいちゃんなのにモンゴル800とかAKBを聞いていたり、撮影についていくと、勝手に知らない人の家に上がり込んだりして話しかけたりなど、芸術家は変わってるのだなということを実感。
本当に良い思い出です。そして、本当に感謝。
◯気合より、努力より、医学の力。
ようやく、ある程度偏差値が高い、芸術系の学部なら行ってもいいよ感が流れ始める高校2年。
大きな落とし穴が。
成績が上がらない。
というより、テストの時間内に回答が埋まらない。
文章を繰り返し読んでしまって、問題にたどり着かない。
例えば、日本語の一行を20回くらいと読まないと、理解ができない。
進めない。
だから、とっても文章が嫌い!
最近はないですがアレルギー反応出てました、、
(今、ブログやってますが笑)
先生にも、おまえ、なんで真面目なのにできないんだ!と謎に怒られる。
なんだかじぶんでもおかしいなーと思ってたとき、
心療内科に行ってみようかなと思ったわけです。
あんまりジブンの心が弱いとか思ったことはなかったのですが、
同級生が2、3人病院に通ったり、入院したりしていて、
僕もお見舞いとか行ったことがあったので、
意外と抵抗がなかったり、いろんな病気があるのだなと思ったことがあって、もしかして、変な病にかかってるのでは?とおもったりしたのです。
でも、結構緊張する。
俯いている人、リストカットしまくってる子。
(やばいとこ来ちゃったよ!)
先生にあうと、とっても優しそう。
診察室でちょっと話してたら、先生に電話。
先生:「だから、まず診察代払わないと、もう診察しないからね!!!」
ガチャ!と受話器をおく先生(どんな患者やねん、、、)
先生:「もしかして、なんかいろいろ繰り返したりする?」
そうそう、そうです、そうです。
先生:「ある数に執着ない?」
あ、4と11がいつもまとわりついてる気がします
先生:「写真やってるんだ、どんなの撮るの?」
こんなやつ
先生:「親と法的に縁切れるけど切る?」
唐突!!いや、全く切るつもりないです。
そのあと、アンケートみたいなのをやると、
まあまあな強迫性障害というやつに診断されました。
数に執着があって、抽象画を書いたりして、
何かをずっと繰り返す癖がある人はそう呼ばれるようです。
先生:「でもどうしてきたの?」
あのたいへん申し上げにくいのですが、成績あげたくて!
先生:「オッケー!」
まあこんな軽い感じではないですが笑
で、薬飲んでみるとすごい!
120番くらいの成績だった僕が、一気に40番くらいになりました笑
(副作用で、すごく授業中寝てるのに)
それでわかったことは、
勉強は、気合より、脳内ホルモンや!
最近アメリカでは、スマートドラッグと言って、頭をよくする薬をサプリみたいに飲んで勉強するのが流行ってるそうです。まあ、それと似た感じですね。
◯とりあえず、やってみること。
結果から言うと、早稲田大学の建築学科に合格しました!
ただ、先生に呼び出され。
先生:「はっきり言うと、君は、人より要領が悪い。人と同じことを同じようにやると、時間が何倍かかかる。今うまくいってるのは、薬飲んでるから。だから、意識を変えないといけない」
ですよねー。
正直、眠気すごいし、ずっとドーピングみたいなことやっててもね。
とは思ってました。僕も。
先生:「なにか、引っかかりそうになったら、とりあえず前に進んでみること。とりあえず、やってみること。を意識するように」
それから、ずっと。
とりあえず、やってみよう。
とりあえず、やってみよう。
を意識して生きております笑。
そのとりあえずやってみようという意識が、
大学時代にリーンスタートアップ的な概念結びつくとは、
思ってもみませんでした。
大学時代はどうなったのか?
つづく。