『友と目標の狭間で』
「俺は、賞を獲り書籍化作家になる!」先週、右腕を突き上げ誓った。しかし、どうも上手く行かない。仕事から帰宅して机に向かうと、友人から遊びの誘いが来る。
つい先日も「焼肉きんぐ」の食べ放題に誘われ、たくさん贅肉をつけてしまった。ありがたいのだが、3kgも太った。それよりも、「今、俺は机に向かわなきゃなのに!」という迷いがある。
友人関係で悩んでいる。どこで学んだか忘れたが、近しい友人5人の平均が自分だと言われる。そこで、私の友人を見直してみた。
同じ脚本家の師匠に学んだ同門の友人は、一番苦しい時に助けてくれた恩人であり、終生の朋(とも)なので省く。
1人目は病気を抱えながらゲームをする友人。向上心高い。
2人目も病気を抱えておりゲームをする友人。向上心ある。
3人目は病気を抱えるギャンブラー。向上心高い。
4人目は病気を抱えメンタルは不調だが向上心はある。
5人目は病気を抱えており、メンタルも向上心も不調。
現状の私は、病気を抱え、ゲーム(中毒性のある遊び)とギャンブル(博打)にハマっている。向上心も乏しい。これを書きながら頭を抱えた。そら、ダメだ。
人の長所だけ学べばいい話だが、欠点ばかりが目についてしまう。同じスマホでも、スクリーンがあれば背面カメラもある。右には電源ボタン、左には音量ボタン。見方を変えれば、良いところも見えてくるはずだ。
弟子の頃に、師匠から、悪いところは自分でよく分かるから、他人様の良い所を探せと教えられ、そのように心掛けて生きてきたが、今の環境はまるで沼。登ろうとすれども、ズブズブと足が嵌り、這い上がれない。いや、友人たちが悪いわけではない。自分の心を厳しく保てない自分が弱いのだ。
はぁーと、ため息をついて、風呂で考え込んでしまった。
風呂では、大体、YouTubeを聞く。無作為につながった動画で、『ブッダが教える4種類の悪友と縁を切ること』が流れた。その悪友とは、
1自分が得をする事しか考えず、周りの人から利益を奪おうとする人。
2口先だけ良く、裏では陰口を叩いたり、約束を破ったりする人。
3目上の人には良いことを言い、裏では悪口を言う、二枚舌。
4飲酒・ギャンブルに溺れ、不道徳な生活を送る人。
風呂で、溺れた。病気の影響もあるかもしれないが、一人を除いて、どれかに当てはまっている。
1/5悪友な私は、どうしようもない。
目標を達成するためには、悪友と距離を置く、縁を切らなければならない。
逆に、ブッダの言う真の友とは、
1正しい道へと導き、成長を促してくれるような存在。
2悩みや苦しみを抱えた時、励まし、共感し、力になってくれる存在。
3自分自身を向上させ、より良い人間へと成長させてくれる存在。
4裏表がなく、常に正直で誠実な態度で接してくれる人。
真の友とは、成長を促し、支え、裏表なく誠実。
風呂上がり、コンビニへ走ってビールを浴びるほど飲んでやろうかと思った。
けれど、その友人を選んでいるのは、未熟な自分なのだと自戒した。
これまでに出来た心の交流、絆を断ち切るのは淋しい。もしかすると、相手を傷つけるかもしれない。
だが、自分が掲げた目標を達成するためには、もう一度言う。「俺は、賞を獲り書籍化作家になる!」ためには、例え孤独になろうとも、悪友とは縁を切らねばならないのかもしれない。
今、俺に必要なのは、自分自身との戦いに勝ち、揺るがぬ決意で未来を切り拓く強さだ。
「さあ、寝る前にアイスクリームた~べ~よう」
〈了〉