2021年の振り返りと「できなかった」こと
暦とは人類が創造した素晴らしい概念の一つで、12月は「師走」という名の通り、慌ただしく一瞬で過ぎ去った月でした。年末にかけても1年間の身体的な疲れがどしっと押し寄せ、後半は結構ぐったりしていました。
今日は12月31日、2021年最後の日です。
改めて2021年を振り返りながら、今年は「できたこと」よりも「できなかったこと」に着目をしてまとめていこうと思います。「できたこと」を並べてしまうと、それに満足して「できなかったこと」に向き合えない気がしました(自分の性格上も)2022年は自分に厳しめに、一生懸命非連続な成長を求めて頑張ってみようと思います。
2021年という年
2021年という年は、私たちにとってはいい年でした。コロナが進めば進むほど、#おうち時間が増え、デジタルに滞在する時間が増えることで、逆にデジタルデトックス系の商材が伸びました。お茶は休息のツールとして暮らしに浸透し、サウナ、マインドフルネスなどのムーブメントとも並走する形で大きく躍進しました。国内で起こることが同時に海外でも起き、世界からはスーパーフードとして、また東洋のシンボル的な商材として需要が急伸しました。自分たちの実力以上に社会が反応したという印象を受けますが、時代がやっと自分たちのものになったと感じた一年でした。
できなかったこと
時代の応援や、実績の可視化、自分たちの考える思想の共通を適切に行えた人が増えたことによって、大手企業との共創は数多く進み、次々と事業化されています。(2022年も大量に共創の事業リリースが出ると思います!)社内のメンバーも増え、数多くの成功や失敗を経験しながらも着実に成長しています。
そんな良い動きができていそうな裏で、できなかったことは数え切れないほどあり、いまでも悔しいことばかりです。これからどんどんと解決していきたいことを整理し、共有することで、一緒にぜひ課題を解決してくれる人に届けば良いななんて思いとともに書いてみます。できたことも多いですが、日々悔しさばかりですので、少しでもご興味いただけたらぜひご連絡いただきたいです。
■思想の会社への体制変更
私たちは創業より自らを「思想」の会社であると定義してきました。共創の事業も全て概念や思想での共感により進んでいますし、(こっそりと)毎週茶の稽古場や茶事を招待制で開催しているのは、思想をどう共有し、ともに歩んでいけるかを考えてきた結果です。
しかし、現実はそんなに甘くなく、スタートアップといえども、茶というレガシーで重たい産業と向き合うために、まず目先の売り上げや座組み作りに注目してまいりました。農業法人の設置や、業界内のプレイヤーとの協業、行政連携、B2Bの卸販売による売り上げ安定化。その結果として、比較的安定的な会社が作れました。けれども自分たちに求められるのは改めて「思想」の会社であるというスタンスと、それを形にするスタートアップ組織です。
思想をどう事業と組み合わせていくのかを考える事業開発部隊、思想をどう世界へ浸透させていくのかを検討する編集者、グローバルに戦う上で大切なパートナー陣、世界水準で戦える仲間がまだまだ必要です。2022年は社内公用語が英語になる可能性もあるくらい、非連続な組織変更を起こしていきたいと思っています。
■営業部の組成と仕組み化
2021年まではほとんどが代表である私、岩本依存の営業組織でした。その結果、自分にタスクが集中し、クライアントへご迷惑をかけた出来事もありました。それをどう組織化していくかが重要になっています。営業チームは製造部も含めると10名近くなりますが、その組織が自走するだけの仕組みと、営業チームが会社のキャッシュを常時稼ぐだけの強い新規営業が必要です。難易度は桁違いに高いですが、国内、グローバルに日本の価値を伝えていく担い手がもっともっと必要です。
■視座を上げる時間や体験の確保
時代が自分たちを求めていただいたことや、営業部の上記都合によって私自身が時間を全然確保できず、本当に毎日深夜までアポまみれな日々でした。身体的な疲労はもちろんのこと、精神的な疲れもたまることがあり、ふらっと一人旅に出ることもしばしば。圧倒的に視座を上げる時間が必要でした。
年末にニセコにお伺いしたのですが、その時にご紹介いただいた海外の有名な投資家の方に事業について簡単にご説明したところ、真っ先に言われたのは「Who you are? Why you do it? How you help people?」の3点でした。自分は誰なのか?なぜやるのか?どう人を助けるのか?この3点に端的に英語(相手の言語)で、相手の文脈も理解しながら答えられる起業家がどれだけいるのか?逆にこの3点についてだけ考えて、自分の視座を上げる活動や、提供価値の高い事業を作らなければ、自らの存在価値はないのではないか?と改めて思うきっかけになりました。社長という役職は楽しいですが、未来について高い解像度が求められるかと思います。そこに集中できる環境を2022年は早期に整えていきます。
■短期、中期はチームに任せること。自分は長期に専念
起業家というと、短期+中期が強いバイアウト型の起業家もいれば、短期、+長期に強いビジョナリーで気合の入った起業家もおり、様々なタイプがいるかと思いますが、総じて全員に言えるのは「短期」が圧倒的に強いことです。ただ最近自分が気づいたのは「短期」が圧倒的に弱い、もしくはあんまり興味がないことでした。(これは起業家としては欠陥)
自分が叶えたい世界を想像するのはとてもワクワクするのだけれど、短期で売り上げが立つことにあまり面白みを感じない、簡単にいうとそんなイメージです。これはかなりどうしよもないのですが、これが自分の性格だと感じたのでもう素直にチームにも言っています。だからこそ、自分はちゃんと時間を作り、短期中期はチームに任せ、長期、超長期のみを目掛けて進んでいけるような体制作りが急務です。世界に向けての施策も1人で世界中飛び回り、いろんな首脳たちと茶人として会えるようなそんな人間にもなりたいなと思っています。来年には国際会議の場で茶人として招聘されているようなそんな茶道家/起業家を目指していきたいなと思います。
■チームへの感謝と、見えないものを見る力をさらに強化すること
最後になりますが、まだまだ自分に圧倒的に足りないと思っているのは、チームへの日々の感謝と見えないものを見る力です。自分がこれをしたら相手はどう思うだろう?と考えること、見えないところで起きている見えないことをどう見るか?見えない課題や見えないアセットをどう可視化、言語化して実社会に実装するか、自分にとっての課題はたくさんあります。
様々な経験をする中でさらに見えないものを見ることを心がけながら生きていこうと思います。私は昔お茶の先生に「教養とはなんですか?」と質問したところ「見えないものを見る力」です。と言われたことがあります。人の見えない苦しみや悲しみを見て寄り添えるか、見えない強みをみて活かせるようになるか、もどれだけ自分が経験してきたかを体現する教養の一部です。そこをもっと育てていきたいと思いました。
2022年に向けて
正直自分では想像もしなかったくらい、たくさんの海外の仕事が入ってきており、私自身はそこに向けて動いていく予定です。そのために国内事業の安定化と組織化、社内も非連続へ向けて取り組んでいきます。また、プロダクトの会社のように見られがちですが、本来の思想の会社の姿へ戻していきます。本の出版や稽古場の公開、聖地となるような体験場の設置、グローバルとの繋がり強化と実ビジネスの拡張、様々やることはありますが、総じて「人」に紐づく課題かと思いますので、一つずつ自分たちの考え方を伝えながら、仲間を増やしていけるような対話ができると嬉しいなと思います。
2021年はとってもいい年でした。2022年も大きく成長できるようがんばりますので、また引き続きよろしくお願いします!
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