「頑張ること」と「すきなことをする」を両立できるために 013

12月にはいり、就学にむけた最終調整、最終決定の時期に
なってきました。
保護者さんは、療育施設や幼稚園との面談、就学時相談、
特別教育相談、それらを終えてのさらに臨時面談、、
様々な関係機関の方々と
お子さんの特性や特徴について、お話をされていると思います。

療育者がこの時期もっとも難しいと感じるのは、
「境界域」に属する、とりわけおとなしいタイプのお子さんが
集団生活の中で感じている困難さを
どのように可視化して保護者の方と共有したらよいのか

ということです。

おとなしく席に座っていられるお子さんは、
大きく集団を乱しません。
先生が言う説明が分からなくても、課題に興味がもてなくても
パニックを起こしたり、大声を上げたりせず
じっと座っています。
周りのお友達の様子を必死に観察しながら
その真面目さゆえに、なんとか真似しようと努力し続け
課題をこなしていくのですが、
いつも心の中には、不安や、焦りがあるでしょう。

その状態におかれているお子さんに
「がんばってきてね」「頑張ってくれると思ってるよ」と
保護者がねがうのは、
あまりに過酷なのでは、と思うのです。

ただ、
全ての「境界域」のおとなしいタイプのお子さんが
このような状況におかれている、とも思っていません。

自分のすきなことに
どっぷりハマれる時間をご家庭の中で持てる、
大好きなことを通じて、人とやりとりすることが楽しめる
課題に追われることなく安心してゆっくりと過ごせる
第三の居場所がある
趣味で繋がる場所、コミュニティがある
周囲に理解のあるお友達や先生に恵まれ、
助けてもらえる環境がある
こどもにも、有給休暇があっていい、と思える…

こんな時間や環境や考え方を
保護者が大切だと理解してくださり、
お子さんと一緒にみつけていけたなら
お子さんは、がんばること、と、ゆっくりすきなことをすることの
バランスをとる
ことができると思うのです。

「がんばらせる」だけでは、
あまりにもツラすぎます。

お子さんの自己肯定感を大切にしながら
就学先と、小学校生活にむけた環境設定を
していってほしいな
、と願っています。


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