GPT4を使ってUXフックモデル形式で機能案を量産する
近年、人工知能(AI)が急速に進化し、多くの業界でその恩恵を受けています。特に、プロダクトマネージャー(PM)にとってAIは、より効率的で創造的なプロダクト開発を実現するための強力なツールとなっています。本記事では、OpenAIが開発したGPT4を活用し、UXフックモデル形式で機能案を量産する方法について解説します。
UXフックモデルとは
UXフックモデルは、ユーザーエクスペリエンスをデザインする際に非常に効果的な手法です。このモデルを使うことで、プロダクトにおけるユーザーの課題を解決する機能を的確に提案し、ユーザーエンゲージメントを向上させることができます。UXフックモデルは、以下の内容で構成されます。
トリガー: ユーザーにプロダクトの使用を促す要素
アクション: ユーザーがプロダクトで行う具体的な行動
可変報酬: ユーザーがアクションを行った後に得られる不確定的な報酬
投資: ユーザーがプロダクトに時間や労力を投入することで、エンゲージメントが高まる
しかし、機能案の数が多いほど、最適なUXフックを見つけることが難しくなります。そこでGPT4を利用して、ユーザー情報とその課題をベースに、UXフックモデル形式で機能案を量産する方法をご紹介します。
GPT4を使ったUXフックモデル形式での機能案の量産
準備
以下のような形式で、解決したい「自社サービスの概要」「ユーザー情報」「ユーザー課題」を整理してみてください。私の場合は、HiPro Directというサービスで実際に起きているユーザー課題を書いてみました。
サービス:高度な専門性を持った副業・フリーランス人材と企業のマッチングプラットフォーム
ユーザー:副業案件を探している、年収1000万円の副業人材
ユーザー課題:プロフィールは埋めてあるが、企業からのスカウトが届かない
プロンプト
いざ、GPT4を立ち上げたら、以下のプロンプトを使用します。
# 設定
あなたは分析力と発想力、ライティング力に優れたプロダクトマネージャーです。
# 命令
以下の情報を元に、ユーザー課題を解決する機能のアイデアを、下記の出力形式で3つ発想してください。 ただし、一般的な機能案ではなく、ユニークでインパクトのあるアイデアを発想してください。
# 情報
サービス:高度な専門性を持った副業・フリーランス人材と企業のマッチングプラットフォーム
ユーザー:副業案件を探している、年収1000万円の副業人材
ユーザー課題:プロフィールは埋めてあるが、企業からのスカウトが届かない
# 出力形式
課題の要因:
機能概要:
UXフックモデル:
プロンプトのコツ
「設定」
ここで、GPT4にどのような目線、もしくは専門性を持って回答してほしいかを提示します。プロダクトマネージャーやサービスデザイナー、UXデザイナーなど、欲しいアイデアや議論の組み立て方によって、変えてみてください。
「命令」
重要なのは、何をインプットとして、どういった形式で、どういったアウトプットを求めるのかを明記することです。それによって、求めているアウトプットが返って来やすくなります。
また、「ユニークでインパクトのある」など、求めるアウトプットのレベル感も指定してあげることで、「自分でも思いつくアイデア」をアウトプットされる確率が減少する感覚です。
「情報」
準備した情報を入力。細かければ細かいほど、より文脈を拾って、欲しい答えが返って来やすくなりますが、サービス名を入れても有名なサービスでないとGPT4は知らない可能性があるので、サービスの概要説明を入れることをお勧めします。
本当は機能一覧をインプットさせて、一覧にないものをアウトプットさせるのが良さそう。
出力されたアウトプット
アイデア1
課題の要因:プロフィールが埋まっているものの、企業に十分なアピールができていないため、スカウトが届かない。
機能概要:「プロフィール強化アシスタント」 - AIがユーザーのプロフィールを分析し、他のハイパフォーマンスなプロフィールと比較して、強化すべきポイントを提案する機能。
UXフックモデル:
トリガー:プロフィールページにおいて、AI分析の結果と改善提案を表示。 アクション:ユーザーが提案された改善点を実行し、プロフィールを更新。 可変報酬:改善点を実行すると、AIが再度分析を行い、その結果をフィードバック。また、スカウトが届く確率が上がることを通知。
投資:ユーザーがプロフィールの改善に時間を投資することで、将来的にスカウトが増えることを期待。
アイデア2
課題の要因:企業が適切な副業人材を見つけることが難しく、結果としてユーザーにスカウトが届かない。
機能概要:「スキルチャレンジ」 - ユーザーが自分の専門スキルを証明できるような課題やテストを提供し、結果に応じて企業に露出度を高める機能。
UXフックモデル:
トリガー:プラットフォーム内で定期的に開催されるスキルチャレンジへの招待。
アクション:ユーザーがスキルチャレンジに参加し、課題を解決。
可変報酬:課題の成績に応じて、プロフィールの露出度が上昇し、スカウトが届く確率が上がる。
投資:ユーザーがスキルチャレンジに時間を投資し、自身のスキルを証明する
アイデア3
課題の要因:プロフィールが埋もれて見つけにくい
機能概要:スキルショーケース動画の投稿機能
UXフックモデル:
トリガー:プロフィール閲覧数が低いことを通知
アクション:専門性をアピールできる動画を作成し、プロフィールに追加
可変報酬:企業からのスカウト数やプロフィール閲覧数の増加
投資:動画作成にかかる労力・時間
まとめ
いかがだったでしょうか?プロダクトマネージャーでも、UXデザイナーでも、プロダクトの企画に関わる人は、いろんなアイデア発想を簡単にできてしまいます。各社共に、独自のプロダクトデザインプロセスがあると思うので、そのプロセスを半自動化してしまうことすら出来そうです。
よければプロンプト、使ってみて更に発展させてみてください。
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