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入替戦凱旋歌(『理想と現実』 続編)

 慶應義塾体育会ソフトテニス部の部員日記をご覧いただき、ありがとうございます。
 本日をもちまして、2022関東秋リーグが終了しました。結果は3部全勝優勝、2部昇格を達成することができました。応援本当にありがとうございました。
 昨年10月の代替わりからこの1年間、言葉には形容し難いほどの険しい道を辿ってきました。そこで、今回は番外編としまして、これまでの自分とチームの歩みと今の気持ちを綴らせていただきます。


今回の日記は、前回入替戦敗戦時に投稿した『理想と現実』の続編となっています。是非そちらもご覧ください!





⒈ 今回の入替戦まで

 前回、5月21日(土)、國學院大學の青いコートで、帝京大との入替戦に負け、3部降格が決まりました。最後にコートに立っていたのは僕でした。
 体育会という世界は、所詮結果が全ての世界です。リーグ戦という大きな目標で、「降格」というある意味最悪な結果を残した瞬間は、誇張なく「人生が否定された気分」でした。春の7日間の強化練習も、積み上げてきた何百時間、何千時間の練習も、全てが水泡に帰した瞬間でした。
 そこで僕は、1番手として3部全勝 入替戦勝利 2部昇格という大目標を掲げました。
 そこから東日、インカレと、チームも個人も特に目立った成績を残すことなく、僕たちには「なんとなくだけど勝てない気がする」という、所謂負け癖というものがついていたように思います。自分も間違いなくその1人でした。

⒉ リーグ直前

 そんな「なんとなく勝てないだろうな」という負け癖が漂うチームが変わる出来事がありました。ここでは多くは語りませんが、自分の怠慢に気付かされ、強く意識改革を迫られた瞬間でした。自分ではすごくちゃんとやっている「つもり」になっていたことに、先輩や同期、後輩に気づかせてもらいました。そしておそらく、この心情になったのは僕だけではなかったと思います。
 そこからは、チーム一丸となって、盲信的に勝ちを目指してきました。特に4年生の先輩方の、最後の3週間の凄まじさは本当に目を見張るものがありました。
 そして、9月28日(水)に、運良く学校の授業がなかったので、チームとして3日前からの白子入りを実現させることができました。風が強く芝の長い特殊な環境の白子に、存分に時間をかけて慣れることができました。誰もが最高の状態でした。僕らに残る不足していたもの。それは「勝つ経験」でした
実は今のチーム、リーグ戦で未勝利の選手が大半でした。今回出場した選手で言えば、中牟田(4年),岡田(2年),住吉(2年),樋口(2年),山根(2年),武藤(2年)の6人は白子でのリーグ戦未勝利でした。


⒊ リーグ本番

 そして迎えたリーグ本番。「慣れ」を活かして好スタートを切った慶應は、1対戦目を⑤-0でスタートすることができました。そして実は、これが新チームのリーグ初勝利でした。
 ここで全員が「やることをひたすらやる」という好循環に入り込むことに成功しました。そして、蓋を開けてみれば通算成績22勝3敗。3ペアが全勝しました。僕にとってはほぼ初めてのテニスでの実績で、この全勝賞はとっても嬉しかったです。

 そして、前回と全く同じコートの逆サイド、2部昇格を目指した入替戦に臨むことになりました。
 結果。自分は負けてしまいましたが、他の3ペアが勝利を収め、昇格を手に入れることができました。

入替戦で勝利を決めた最高の同期、山根住吉


⒋ 今回得たもの

 今回のリーグを経て得たもの。それはズバリ「変なチカラ」です。
 高校野球で有名な甲子園。「甲子園には魔物がいる」と良く言われますが、僕らにとっての白子も同じような存在で、「白子には魔物がいる」と言って間違いないでしょう。「変なチカラ」とは、それを味方につける力だと言えます。そして、その「変なチカラ」は、慶應のチームカラーです。「慶應だからできたこと」と言えるでしょう。
 そして、僕が個人的に言えることは「成功体験」だと思います。先述の『人生受験体験記』でも綴らせていただきましたが、自分は中学生以来、何度も本気で頑張って失敗に終わるという経験をしてきました。今回は、それを大きく塗り替え、目標を達成するという大きな「成功体験」をさせていただきました。

⒌ おわりに

 以上のようにして、今年1年間は本当に多くのものを学ばさせていただいた1年でした。浪人した一般受験生でもリーグに勝てること、信じて願えば叶うこと。そんな多くのことを学ばせてくださった4年生には感謝しかありません。
 末筆にはなりますが、この結果を残すにあたって多大なご支援をいただいたOBの皆様、そして、ご声援いただいた皆様、本当にありがとうございました。今後も、応援される選手を目指して日々努力しますので、よろしくお願いいたします。

 長きにわたる拙文にお付き合いいただきありがとうございました。

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