たった一人の分析から事業は成長する 実績顧客起点マーケティング まとめ
・一人の顧客を徹底して理解することから有効な打ち手を導き出し、拡大展開する。
・対象とする顧客セグメントの人数や構成比の動きを見ることで、マーケティング投資の効果検証を行う。
☆顧客の声はかなり重要
商品の売り・魅力を率直に伝えられる(訴求・アイディアの素)
その声に沿ったマーケティングプランを試せる(マーケティング訴求に変換・庄窪テスト)
顧客像に具体性がないと
→ブレインストーミングをしても既視感、奇抜性のある実現できない案が多く挙がる
→商品提案として広告訴求としても使えない
☆実在する一人の顧客を深堀りすることが唯一有効な方法
→準備として顧客分析のフレームワークで対象ターゲット全体を把握して「どのセグメントのN1顧客を深堀りし何を知りたいのか」を設定する。
N1設定→アイディア と繋がる
アイディアは、独自性と便益の有無、四象限で定義する。(独自性も便益もあるものがアイディア)
独自性・・・Only-one Uniqueness, Never
便益・・・Benefit, 快、楽
2種類のアイディア
1. 商品やサービスそのものとなる「プロダクトアイディア」
2. 商品やサービスを対象顧客に認知してもらうための手段である「コミュニケーションアイディア」
良い・強いパターン:独自性=便益(p.34, 35)
独自性が便益を支えている(p.35) Reason to Believe (便益は競合と同じ)
→競合が追随してくるのでコモディティ化する
→プロダクトアイディアをアップデートする必要がある
コミュニケーションアイディアの独自性・・・「注目に値すること」
コミュニケーションアイディアの便益・・・顧客が広告に接触すること自体が楽しい、面白い、心地よいといったプラスの要素をもたらすかということ
早期の認知形成の重要性
・強い独自性と便益を伴ったプロダクトアイディアもターゲット顧客での早期の認知形成をしないと後発の競合にポジションを奪われる
・世の中の商品やサービスのほとんどは、そのターゲット顧客全体で50%の認知も獲得できていない
→顧客の視点から見ると後発の商品も新商品となり得る
→顧客起点でマーケティングを組み立てなければいけない
まだ実現できていない成長ポテンシャルへのアプローチ
① そもそも知らない(見認知)
→マーケティング投資対象のターゲット顧客層と訴求内容の見直し
→メディア戦略の見直し
② 知っているが買う理由や動機がない
→ターゲット顧客層と訴求内容の見直し(プロダクトアイディアかコミュニケーションアイディアの問題かを見極めてアイディアを強化する
→便益に対して価格が適切かどうか見直し
→そもそものプロダクトアイディアの改良(独自性・便益の四象限で考える)
③ 知っていて買いたいが販路がない / わからない(認知且つ未購入)
→販路自体の拡大強化、もしくは、どこで会えるのかという販路自体の認知形成の強化
N1で勘違いしてはいけないこと
・一人を喜ばせて終わってはいけないこと
・アイディアを掴んだら、それが他の人にも有効なのかを量的調査やテストマーケットで検証して、投資を行うこと
・実地移行にはその結果もたらされる顧客の行動変化や心理変化を評価し、生日を積み上げ、継続的な事業成長を実現しなければならない
☆顧客の変化を捉え、チャンスとリスクを量的に算定するマクロの視点とN1というミクロの視点が必要
顧客ピラミッド
・ロイヤル顧客
・一般顧客
・離反顧客
・認知・未購買顧客
・見認知顧客
① そのブランドを知っているかどうか(認知)
② これまでに買ったことがあるかどうか(購買)
③ どれくらいの頻度で購買しているか(購買頻度(毎日、毎月、3か月に1回、最近は買っていないなど)
この割合と対象マーケット母数としての実際の人口を掛け合わせる(総務省統計局の人口推計)
20-80の法則
・上位顧客20%が全売り上げの80%を生み出している
→中長期で見ればおおむね正しい
・単に売り上げの多くをロイヤル顧客がもたらしているだけでなく、利益で見るとさらに上位集中が起きていることが多い
・70~90%の下位顧客を無視するべきではない
→顧客はダイナミックにそれぞれの層を移動しており、競合への移動も起こる
→新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤル化の両立を実現しなければ事業は縮小する
売上・費用・利益(p.64-
・どこの顧客層から全体の何%の売り上げが出ているのか
・その顧客層はマーケット全体の何%なのか
・投資の施策は何があり、どの顧客層にリーチしているのか
・顧客層毎のシェアに基づく妥当な投資金額はいくらなのか
RFM分析(顧客セグメント分析)
Recency
Frequency
Monetary
→顧客ピラミッドの上位2層に施行施策が集中しがちとなる
→離反顧客をどうするか、認知しているが未購買の顧客をどう顧客化するか、いにんちっ客の認知をどう上げるかといった中長期の成長に欠かせない視点が欠けている
行動データと心理データの分析(p.70-
・顧客ピラミッドの各セグメントの詳細な分析で顧客の行動データとその行動の理由となっている心理データを分析する
行動データ
POSデータ、ロイヤル会員カード情報、優勝の外部データベースの購買情報(アイテム、バスケットサイズ、タイミング、場所・店舗・頻度)
インターネット上の行動(DMP情報、Eメール開封率、返信率、Webやアプリのアクセス情報、ソーシャルログ、クッキー情報、位置情報、自社ECでの購買情報)
心理データ
認知やイメージ、態度など
① ブランドの認知(ブランド名を知っているかどうか)
② ブランド選好度(その分ランドを買いたい、または使いたいと考えているか)
③ 属性イメージ(形容詞や修飾語や擬人的表現で、どのように認識しているか、どのような機能やイメージや便益性を感じているか)
④ メディア接触(マスメディア、SNSなどのデジタルメディアを含めて、通常のメディア接触習慣や信頼度)
⑤ 広告の認知経路(いつ、どこで、どんなメディアや機械を通じてブランド認知をしたのか、ブランドイメージを形成したのか)
P.74の例がわかりやすいセグメントを分けて、訴求を変え、成功した例
行動データを見ているだけでは、同じロイヤル化施策の繰り返しや、ABテストをひたすら繰り返す消耗戦や価格競争に陥りがち。
何らかのプランで行動が変わり、売上が上がったとしても、その理由である心の変化を理解しない限り、再現性と拡張性が上がらない。
とはいえ、心理把握はユーザー自身が的確にしていないことがあるので、ここには限界があることをマーケターは認識しておく。
N1起点の分析
その前に。。。
顧客ピラミッドで顧客を5セグメントに分類
売上と人数を可視化
それぞれの行動と心理のギャップを分析して仮説を立てる
→セグメントごとに具体的な顧客一人ひとりに焦点を当てた「N1分析」を行う
架空の想定顧客ではなく、実勢にそのセグメントに属している名前のある顧客個人の生活態度、習慣、購買行動から購買に関連する認知や心理をカスタマージャーニーを想像しながら理解し、それぞれの結びつきを探る
「いつ、どのようなきっかけで、ブランドを知ったのか / 買ったのか / ロイヤル顧客化したのか」
→そのきっかけとなったカテゴリー体験や、商品やサービスの経験、ブランドメッセージとの出会い、何らかの特定の情報認知などがアイディアを創出するヒントになる。
P.77-78 良い例
N1分析は、顧客セグメント条件に合う顧客を事前図クリーニング質問(認知、購買行動、頻度)で分類してセグメント条件に合う方にインタビュー依頼をすればよい。
P.80 実際の分析の進め方(STEP, 質問の例)
N=10の平均的な発見を求めず、際立った体験や認知を見つけることが重要。
N=10は、N=1 x (個別の)10 であって、N=10の塊ではない。
ロイヤル顧客の分析
→認知から顧客化、ロイヤル化までの変遷を捉えられる。(ピラミッドの下の層から上の層へどう移行していったかがわかる)
一人ずつ個別のカスタマージャーニーを時系列で描いて、こちらの創造の範疇にない、異質な体験や認知形成を見つけ出すことが重要。
同時にその背景にある心理状態、どう感じたか、なぜそう感じたかを深く理解することが大切。
広告訴求、ブランドの使用体験、口コミがどんなアイディア(独自性と便益)と感じられたかを理解することが重要。
☆N1インタビューで、思わず驚く、笑ってしまう、信じがたいと思えるような事実がその手掛かり
アイディアの手がかりは、これまでに聞いたことや見たことのない、特殊だったり非常識だと思えるような使用目的や使用方法や場面、商品に関連する個人的な経験や心理状態にある。ここから独自性を抽出し、そこで得られる便益を明示することでアイディアとなる。
使い始めたきっかけと愛用している理由が混在しがちなので、そこは気を付ける。
顧客ピラミッドの各層ごとに合ったおおよその戦略がある。(P. 94-98)
アイディアのポテンシャルを評価する(P. 98-102)
・アイディアの有効性を事前に証明する
・アイディアの有効性をテストマーケットする
・アイディアを展開する
競合分析とオーバーラップ分析(P.102-103)
・自社と競合の強み弱みと攻めるところ守るところがわかる
新規参入(P.105-106)
・同質化しない独自性のある新規参入
BtoB事業での活用(P.106-107)
・経営レベルでは合算されてしまう売上・利益・経費・企業活動・マーケティング活動を顧客起点で可視化する
→これまで見えなかったチャンスとリスクを戦略に落とし込める
顧客ピラミッドとイノベーター理論
・イノベーターとアーリーアダプターは情報感度が高く顧客化しやすいが、離脱もしやすい
・ブランドの継続的成長には、マジョリティ層を取り込む必要がある
・ブランド認知度が53%は必要 (P.110-111)-
顧客9セグマップ
・ロイヤル顧客並みの頻度で購買するからと言って、ロイヤル顧客だとは限らない
→立地などの独自性により購買頻度が高いだけで、それ以外はコモディティというケースがある(ECコマース vs 小売店舗, etc.)
・ブランドとは、購買行動の裏側に心理的ロイヤルティがある
→高頻度購買自体はブランドではない
「買い続けている / 使い続けている」という行動を左右する心理的原因を理解しないと、ロイヤル顧客の売上が減っても本質的な問題が理解できないまま、顧客を失い続けてしまう。(P. 122)
9セグマップ作成方法 - ブランド選好の軸を加える -
・ロイヤル顧客、一般顧客、離反顧客、認知・未購入顧客の4層をブランド選好の有無で8つに分類する
・上記8セグメント+見認知顧客で9セグメント
・ブランド選好とは、購入者本人の次回のブランド購入ないし使用意向
・基礎編で使用した3つの質問項目(認知、購入、頻度)に「当該カテゴリーにおいて、次回に購入 / 使用したいブランド(はどれか)」を加える
① そのブランドを知っているかどうか(認知)
② これまでに買ったことがあるかどうか(購買)
③ どれくらいの頻度で購入しているか(毎日、毎月、3か月に1回、最近は買っていないなどの購買頻度)
④ このカテゴリーにおいて、次も購入 / 使用したいブランドは以下のうちどれか[自社と競合ブランドを列記する
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