「イシューからはじめよ」安宅和人

「悩む」と「考える」の違い
悩む・・・答えが出ないという前提のもと考えるフリをすること
考える・・・答えが出るという前提のもと建設的に考えを組み立てること

大事なポイント
・「問題を解く」より「問題を見極める」
・「解の質を上げる」より「イシューの質を上げる」
・「知れば知るほど知恵が湧く」より「知りすぎると馬鹿になる」
・「1つひとつを速くやる」より「やることを削る」
・「数字の桁数にこだわる」より「「答えが出せるかにこだわる」

バリューのある仕事
・イシュー度が高い
・解の質が高い
→労働量増加によって本当に取り組み必要のない問題を解くのはやめる
→バリューは上がらず疲弊するだけ
→もし仮に上記の方法でバリューのある仕事ができたとしても、良いリーダーにはなれない

まず徹底してビジネスの対象を意味のあること、イシュー度の高い問題に絞る
「自分が思いついた問題の中で、本当に今答えを出す価値のあるものはどれだろうか」
→解きやすさ、取り組みやすさではなく「イシュー度の高い問題」から取り組む

「イシューからはじめる」アプローチ
・イシュードリブン
今本当に答えを出すべき問題=「イシュー」を見極める

・仮説ドリブン①
イシューを解けるところまで小さく砕き、それに基づいてストーリーの流れを整理する

・仮説ドリブン②
ストーリーを検証するために必要なアウトプットのイメージを描き、分析を設計する

・アウトプットドリブン
ストーリーの骨格を踏まえつつ、段取りよく検証する

☆イシューを見極める
「何に答えを出す必要があるのか」
→「そのためには何を明らかにする必要があるのか」

✕「これが検証できればすごいだろう」
○「それは本当に受け手にとってインパクトがあるのか」
→「実際にインパクトがあるのか」
 「説得力ある形で検証できるか」
 「想定する受け手にそれを伝えられるか」

◎頼りになる相談相手に確認するのが手っ取り早い

☆仮説を立てる
→「スタンスをとる」ことが肝要

✕「こんな感じのことを決めないとね」
○強引にでも前倒しで具体的な仮説を立てる
そうすると・・・
1.イシューに答えを出せる(仮説が単なる設問を答えを出し得るイシューにする)
2.必要な情報・分析するべきことがわかる(どのレベルのことを議論し、答えを出そうとしているのか明確にする)
3.分析結果の解釈が明確になる(出てきた結果が十分なのかそうでないのか解釈。何をどこまで、どのようなレベルで調べるのか)

※言葉にし概念を定義する
「主語」+「動詞」
WHYよりWHERE、WHAT,HOW
比較表現を入れる

よいイシューの3条件
1.本質的な選択肢
・大きな分岐点を見極める
・今、本当は答えを出す必要のない「なんちゃってイシュー」に惑わされない
・「誰にとって」という主語を変えても成り立つイシューは、まだ見極めが甘い可能性が高い

2。深い仮説がある
・一般的に信じられていることを並べて、その中で否定できる、あるいは異なる視点で説明できるものがないかを考える
→現場やエキスパートから話を聞くのが良い
・新しい構造で説明する(共通性、関係性、グルーピング、ルールの発見)

3.答えを出せる
「本当に既存の手法・やり方の工夫で、その問いに求めるレベルの答えを出せるのか」
「答えを出せる範囲で最もインパクトのある問い」こそが意味のあるイシュー
→そのままでは答えの出しようがなくても、分解することで答えを出せる部分が出てくればそこをイシューとして切り出す
「答えが出せる見込みがほとんどない問題」があることを事実として認識し、そこに時間を割かない

☆イシュー見極めにおける理想
誰もが「答えを出すべきだ」と感じていても「手がつけようがない」と思っている問題に対し、「自分の手法ならば答えを出せる」と感じる「死角的なイシュー」を発見すること

イシュー特定のための情報収集
コツ①一次情報に触れる
コツ②基本情報をスキャンする
コツ③集めすぎない・知りすぎない

その他アプローチ
①変数を削る
②視覚化する
③最終型からたどる
④So whatを繰り返す
⑤極端な事例を考える

☆ストーリーラインづくり
1.イシューを分解すること
2.分解したイシューに基づいてストーリーラインを組み立てること

1.イシューを分解する
・ダブリもモレもなく(MECE)
・本質的に意味のある固まりで(切り分け方は重要なポイント)

イシューを分解する「型」
・WHERE・・・どのような領域を狙うべきか
・WHAT・・・具体的にどのような勝ちパターンを築くべきか
・HOW・・・具体的な取り組みをどのように実現していくべきか
*型がないときには逆算する・・・最後に欲しいものから考えてみる
→仮想的にシミュレーションし、検討事項と答えを出すべきイシューをみつける

イシューを分解すると・・・
a.課題の全体像が見えやすくなる(何をどこまで検討すべきか)
b.サブイシューのうち、取り組む優先順位の高いものが見えやすくなる(検討のフェーズをどのように設計するか、どのように人を割り振るべきか)
☆イシューを分解し、サブイシューに個々の仮説が見えれば、最終的に何を言わんとするのかが明確になる。

2.ストーリーラインを組み立てる
a. 必要な問題意識・前提となる知識の共有
b. カギとなるイシュー、サブイシューの明確化
c. それぞれのサブイシューについての検討結果
d. それらを統合した意味合いの整理

ストーリーラインを組み立てる「型」
a. WHYの並び立て
(理由や具体的なやり方を並列的に立てることでメッセージをサポートする。重要な要素をダブりもモレもなく)
b. 空・雨・傘
(○○が問題だ→この問題を解くには、ここを見極めなければいけない→そうだとすると、こうしよう)
課題の確認→課題の深堀り→結論

☆絵コンテ
ストーリーを絵コンテにする
・イシューを分解して並べたストーリーラインに沿って、必要な分析のイメージを並べていったものが絵コンテ

✕「どんなデータが取れそうか」
〇「どんな分析結果がほしいのか」、「どんなデータがあれば、ストーリーラインの個々の仮説=サブイシューを検証できるのか」

絵コンテづくりの3ステップ
1.軸の整理
2.イメージの具体化
3.方法の明示

軸を整理する(どのような軸でどのような値をどのように比較するか)
分析とは比較。
表現方法は3つ
1.比較(共通項を持ち2つ以上の値を比較)
2.構成(全体と部分を比較)
3.変化(同じものを時間軸上で比較)

イメージを具体化する
数字が入ったイメージをつくる
意味合いを表現する(差がある、変化がある、パターンがある)

方法を明示する(手法と情報源)

☆分析の本質
「閾値を超えない入力は意味を生まない」
「不連続な差した認知できない」
「理解するとは情報をつなぐこと」
「情報wおつなぎ続けることが記憶に代わる

トラブルをさばく
①欲しい数字や証明が出ない →構造化して推定する、足で稼ぐ、複数のアプローチ
②自分の知識や技では埒が明かない 
→人に聞きまくる、期限を決めて見切りをつける

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