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国際都市チューリッヒを観光-ヨーロッパ放浪記part7 -

バーゼルから電車で1時間、チューリッヒへ向かう。
チューリッヒはスイス最大の都市であり、国際的にも金融業が盛んである。
また、美術館やオペラハウス、チューリッヒ大学、チューリッヒ工科大学なども存在し、文化や教育などでもスイスの中心的な街である。
このような背景があり、世界の住みやすい都市ランキングではトップ10に位置している。

街を歩いていると過ごしやすいのが伝わってくる。

繁華街にはさまざまな店があり、人々で賑わいを見せるが、ゆったりとした空気感がある。
また駅を少し離れると、ひっそりとした住宅地が密集する。
人口密度が低いのか、定かではないが、街を歩いていてもノッキングが起きない。
ノッキングとは、歩いているときに前に人がいて避けたり追い越したりすることである。全体的にチューリッヒ市内の道が混雑していないので自分のペースで歩くことができる。
これが、時間がゆったりしているように感じる所以なのかなと思う。

そして、有名なグローバル企業の支店や、金融会社の本社がある。
様々な企業がチューリッヒを中心に活動しているが、意外と小規模であると感じた。
スイスは平均賃金が世界で一番高く、その中でも国内最大都市のチューリッヒは、街全体がビジネスの街なのかと勝手に想像していた。
しかし、どこかひっそり落ち着いた雰囲気がある。

チューリッヒ市内で最も高さのあるビル120m
チューリッヒ市内で最も高さのあるビル120m
オフィス街

さらに街を散策すると、チューリッヒ美術館があった。
チケットを買うか迷っていたが、水曜日は無料で入館することができると書いてあったので、入館することにした。

チューリッヒ美術館

芸術や絵画に疎い私だが、大学の「映像と表現」という講義を受けてからピカソの絵が好きになった。(にわかであるが笑)
その理由はピカソの表現技法にある。
ピカソの絵は一見、不気味というか何を描いているのかよく分からない印象を受ける。
私も以前はそう思っていた。

ピカソの作品が、変な絵のように見えるのは、
例えば人を描く時「正面から見た右耳、右から見た鼻、左から見た口、斜めから見た目、後ろから見た左耳」を一つの絵画として表現するからである。
全て顔のパーツを描いており、別に何もおかしくない。
だが、私たちは変な絵画だと思う。(『泣く女』がまさにそう)

これが、どういう意味を持つのかといえば、
人間は「物事を一つの観点で捉えること」が染み付いており、その習慣は危険だということ。ピカソの絵はそれを暗示してくれる。

つまり、私たちは人間を対象に絵画を描くとき、自然と正面からの観点でしか絵を捉えようとしない。
だから、様々な角度から顔のパーツを描いたピカソの絵を変な絵だと感じる。
そして、このような「物事を一つの観点でしか見ない習慣」は人間関係や社会で起きている様々な問題にも当てはめることができる。

これを大学の授業で興味深く学ぶことができた。
(先生がこのような意図で発言したのか分からないが、私はそう解釈した。)

それからというもの、ピカソの絵が好きになったのだ。

今回、ちょうどチューリッヒ美術館でピカソの絵画を見ることができたので、前述の内容を思い出した。

「物事を複合的に見なければいけない」
戒めとして、ピカソの絵からはそんなことを感じる。

ピカソの絵
ピカソの絵
ピカソの絵
ピカソの絵
ピカソの絵

ピカソの表現技法の説明は私の勝手な解釈です。専門家が言っていることと異なっていると思いますが、あくまで私の解釈であることをもう一度強調しておきます。

2月12日スイス・チューリッヒにて。

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