本の紹介など
先日、文学フリマ東京に行ってきました。自分が参加していた頃よりは、規模や価格も大きくなっていて、来場者も多くて驚いた次第です。12月に行われるイベントはいつもとは違うビッグサイトで行われるようで、自分も応募してみました。抽選にはなるので、外れたら行けませんが。どちらでもいいですね。ただ、最近自分の日常を形成していた音楽のメンバーが亡くなったという知らせを聞くと、自分も生きているうちにまた詩集だったら、もう一冊作れるかなと思った次第です。
前置きは、このくらいにして、仲良くして下さっていた方から、私が読んでいた小説を読みたい等のご意見をいただき、嬉しいことに私の詩集を読みたいまで仰っていただき、この本の紹介を書くに至りました。ただ、私が読んでいる小説の殆どが海外文学が主なので、何を勧めるか考えた結果、馴染みやすい内容のものにしようと思いました。私の書いた小説含めて3冊の本を紹介しようと思います。
一冊目 愛をみつけたうさぎ : ケイト・ディカミロ
ネズミのデスペローという海外アニメを観て、原作者のケイト・ディカミロのことを知りました。私が他の本も読んでみたいと思った数少ない作家さんです。この作家さんに出てくる小説のストーリーには、だいたい失望や疎外や孤独、恨み、寂しさなどそういったマイナスな感情がでてくるような気がします。デスペローも、お城でスープコンテストをしていたのが、事故になって、そこから心の傷ついた色々な登場キャラクターが絡んでいきます。私が、この作家に惹かれたのも、その心の変わり様を丁寧に描いていたからだと思います。この話、愛を見つけたうさぎも、寂しさを秘めています。ある種の児童文学の典型かもしれません。私の好きなエクトール・マロの家泣き子もそれでした。でも、人にとって理解されない孤独や別れないとならない淋しさはどの世代にでも通ずるものかと思います。ディカミロの描く一貫する淋しさは、あまり他の作家に見れない気がします。まず、読んだ小説で勧めたいと思い浮かんだのはこの小説でした。
二冊目:フランス短編傑作選
元々、ショートショート系の話が好きな自分にとっては、このフランスの短編小説集はとても面白いものがありました。これを読んであとで、よく知られている文豪と同じ時代にこういう文筆家や小説家がいたのかという発見がありました。まだ、全ての話は読み終えていませんが、現代のブラックユーモアに通ずる話もあり、推理小説のような読みやすさも感じますし、文学であるために形や言葉の選び方など、それぞれの作家の特色がよく反映されているかと思います。イスラエルの短編小説集(分厚いですが)も持っていますが、やはりこういった発想や思考があるのかを知るのは、興味深いものがありました。特にこのなかで、最近印象的だったのは、アンドレ・モーロワという作家さんのタナトス・パレス・ホテルで、安楽死希望の旅行者をホテルに呼んで、そのお手伝いをするという話です。展開は、なんとなくわかったものの、引き込まれましたね。こういうお話は。1960年代くらいに書かれた話なようですが、その頃にもこういう話があるというのは、普遍的なものを感じました。生きることからの逃避といいましょうか。作家によって書かれる内容も違うので、この本は楽しいと思います
三冊目:ラベンダー :蓮井遼
大分前に書いた小説ですが、この本は結構流通にも費用がかかったので、自身のサイト以外でもAmazonで買えるようになっています。中古でほぼタダでも出回っているようですね。一度蔵書検索したときに、地方の図書館に置いてあるようで驚きました。わざわざそんなところに取り寄せるくらいなら買ってくれよとは思いましたね。でも、図書館だと物を持つよりも共有できるので、反対に色々な方に目が届く機会にはなるのかもしれませんね。この小説の内容は、海外の国々を舞台で起きていることをコンセプトにしていたと思います。日本の話もありますが、交通事故で親友を失った方が命の電話相談室に手紙を送ったりとか、当時の命についての私の考えや思いが籠っているかと思います。本の内容のいくつかは、小説家になろうでも閲覧できますので、下にリンクを貼っておきます。よかったらこちらを読んでいただければと思います。先ほど挙げた内容の命の電話相談室に送られてきた手紙について書いた
「届けられた手紙」
アフリカでエボラの治療のためにしばらく隔離された友人とその家族を描いた「先祖」
そして旅行の際中に船に乗るなかで、これまでの生き方を自然と振り返ることになった「フェリー」
本には入っていないものの、こういう詩を書いていますという詩集が閲覧できるようになっています。
https://ncode.syosetu.com/s7563c/
Amazonで購入できるページはこちらになります。
ひとまずは以上となります。お読みいただきありがとうございました。私、最近の気になっているものとしては新宿のCDショップでクロアチアのフォークミュージックバンドの音楽を見つけたのですが、これがなかなか良くて、
ちょっと他にも知りたくなりました。折角なので、見て下さる方限定で挙げておきます。