見出し画像

43年前にあった早月尾根遭難事故

早月尾根の事故報告書を読了した。

半分幽霊部員化しているが、私はとある山岳会に所属している。いわゆる老舗山岳会というやつで、設立は半世紀以上前に遡るらしい。
どうやら昔は今と比較にならないくらい強い人達がひしめき合っていたみたいで、北アルプスの某所の開拓を行っていたり、ヒマラヤに遠征してみたりしていた、とのこと。

1980年の正月、小窓尾根からチンネに取り付き、剱岳を経由して早月尾根を下る計画で事故は発生し、2人の方が亡くなった。

今現在も山で亡くなる人は後をたたないが、現在との捜査態勢と一線を画しているのは組織の力、連帯意識だと思う。
滑落事故が発生した1/6以降、1/12のヘリ捜索まで馬場島や伝蔵小屋(今の早月小屋)を拠点に会のメンバーはもとい全国からのべ100人近い人員が投入されている。事故以降綿密な計画が立てられ、5/1から9/21まで、遺体収容を含めて20回近いパトロールが展開されていた。
人が亡くなる事故が発生したとはいえ、今では考えられないリソースが割かれている。

この差はなんなんだろうか。山に対する思いの強さの違いなのだろうか。
当時のメンバーも歳を重ねていて、生きているかどうかもわからない。

事故報告書

※2023年1冊目の読書。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?