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【雑記】異世界の車窓から

 昨夜は一睡も出来なかった。
 いつものように22時過ぎに床に就いたが、ウトウトしはじめた0時少し前、隣室からの騒音により完全に目を覚ましてしまった。

 隣人には、先日も午前2時頃に騒音にて起こされ、そこから30分ほど眠れず、元来睡眠の質がけして良くはないが睡眠に幸せを感じる私は、当然ながら腹を立てた、ということがあったばかりだった。

 昨夜も、腹を立てるところまでで止めておけばよかったのだが、よりによって、私の元ルームメイトを廃人に追い込んだ配信サイトなど開いてしまったのは、気の迷いだったとしか思えない。

 しかも、ルームメイトばかりか、私の生活にまで害を及ぼした主犯格のアカウントに出会してしまったのは、運が悪かった。

 まさか、と思ったが、その人物の配信を、音を消した状態で閲覧してみると、元ルームメイトその人が、コメントを延々と付けていた…道理で最近になってもまだ様子がおかしかったわけだ。彼女はまだその泥沼から這い上がれてはいなかったのだ。

 それでさらに私の眠気はどこかへ消え去ってしまった。

 思い余って眠剤を服用する。
 効かない…あまりに興奮状態が強いと、薬もその効果を発揮できなくなることは知っていたが、何もこのタイミングでなくても良いだろう…。

 私は、自らの気の迷いを恨んだ。
 しかし恨んだところで眠れるわけではない。

 そうなると、心配事…9割は実現しないとは言われるその心配事たちが、不安と恐怖と悲しみと化すのに時間はかからなかった。

 気がつくと午前3時。
 私は絶望の淵の底で、次の日は何がなんでも出勤して完結せねばならぬことがあるため、このまま休むという選択肢は無いことを思い出し、どうにか2時間でも良いから眠りたい、そう思った。

 しかし、眠ることは叶わず、そのまま起きてしまい、朝のルーティーンを粛々とこなすと、何ごともなかったかのようにいつもと同じ時間に家を出た。

 不思議と眠くはない。
 しかし、バスの外を流れてゆく景色が、どうにもいつもと違って見えた。
 色味から雰囲気まで、初めて見るような…まるで異世界に迷い込んだかのような、奇妙な気分になった。

 しかし、バスは定刻通り目的地に着く。
 随分と迷ったが、朝食はやはりいつものすき家さんにした。

 本当は、顔馴染みの店員さんたちに、相当みっともない顔をしているであろう私の姿を見られるのが何とも気恥ずかしいような気がしたのだが、ここは敢えていつもと同じお店で、お気に入りの朝ごはんを食べて、いつもと同じように出勤しよう、そう考えたのだ。

 結果、今、少し落ち着いている。

 よし、お会計したら、コンビニでコーヒーを買って、元気に出勤しよう。

 せめて、表向きだけは。
 みっともない顔はしていても、笑顔は忘れたくない。

 さあ、今日も「いつも通り」行ってきます。

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