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描くための読書録:山地酪農 - p.2

続:第4章 これからの日本の酪農

中洞さんは日本の酪農業界を変えたいと言っている。
まずは、なかほら牧場の山地酪農を広めること、山地酪農をやりたいと思う人には惜しげもなくその方法を伝授することにした。いわゆる、フランチャイズ化だ。

そして、なかほら牧場を株式会社にして、株式公開して投資家を募り、そこから新しく牧場を創業する酪農家への資本貸付、自然酪農に転換する牧場への支援をするそうだ。
アルフィオーレの目黒さんが話していたように、本当に大事なことをするためには時間とリソースという初期投資が必要だ。それがなかなか手間だからみんなやりたがらない。中洞さんもまたその初期投資を買って出ようというのだ。その道に進みたいまだ若い人たちはすぐにでも支援を受けるべきだと思う。

そもそも日本酪農の何がそんなに問題なのか?

日本酪農のかかえる問題は、業界主導の閉鎖的な物流に起因している。それを解決するカギは、これまでのような一社の規模の拡大ではなく、小さな牛乳プラントのネットワーク化やフランチャイズ化である。本当に価値ある牛乳を生産するためには、生産者と消費者の顔がお互いに見える規模の地場流通を各地に構築していかなければならない。

これってGOOD EAT CLUBの楠本さんが言ってることと同じだ。これまで縦割りだった食の業界を横串でぶっ刺して、生産者やシェフやお店や食の偏愛者、はたまた食の世界の外にいた人たちもシナプスの様につなげて、新しい食べる体験 (EATING)を作るのがGOOD EAT CLUBでやりたいこと。
さらに、そうやって生まれた食べる体験自体が日本の資産だから、それが日本の強さになる。
さらにさらに、横串だけじゃなくて、縦串。つまり、世代を越えた繋がりを作ることで、おじいちゃんおばあちゃんが繋いで作ってきた食べる体験を未来に繋いでいく。

いま、食べチョクなんかの産地直送サービスが生き生きしているのも、生鮮食品の壁が鮮度だったから。amazonが無理矢理こじ開けた物流の限界と、そこから学んで最適化されたシステムによって、今や全国の生鮮食品が楽しめる。

物流システムや冷凍冷蔵技術はそれくらいブレイクスルーだし、これからどんどん進化していくはず。

ということで、中洞さんは今よりずっと先のことを見据えてることがわかりました。

なかほら牧場が提案する日本型酪農
ここでは中洞さんが目指す牧場像が書かれているからぜひ読んで欲しいんだけど、中でも牧場内にキャンプ場やログハウスを作るって書いている。人々が山の中で満喫できるよう開放するって言ってて、それは観光地としたいのではなく、あくまで生産の場としての牧場というコンセプトなのだ、と。

ぼくが尊敬してやまない、アルフィオーレの目黒さんも、天水棚田の林良樹さん、玉名牧場の矢野さんも、FIL STUDIOの穴井夫妻も、みんな生産の場を作っているんだ。ただ、自然に優しいのではなく、ただ人が集まるのではなく、生み出す場所なんだ。

ぼくもそれをやりたい。そんな場を作って、そこに大好きな人たちが集まって、そして祭りをやりたい。ぼくの夢です。

今日はこのへんにしておこう。


描くための読書録
本に書いてあるテーマはとっても気になるからこそ、本は買うけどなかなか読み進められない。本を読むのが遅いので、それならば文章を書くため、何かを新たなものを描くために読めば、読むのも進むのではないかと思い、徒然なるままに書き、その流れで本を読んでみようという至極個人的な小さなチャレンジです。
想いのままにやるので、読みたいところまで読んで次の本に行っちゃうかも知れませんがすいません。。

 まず読み進めるのは、山地酪農のパイオニア なかほら牧場の中洞正さんの「幸せな牛から美味しい牛乳」です。一部、この本から文章を引用しながら書き進めていきます。


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