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恥をかかせない細かな配慮が部下をやる気にさせる立花道雪の逸話

こんにちは、両兵衛です。

以前、「部下の出来が悪いのは上司に問題があるからだと言い切る立花道雪の逸話」という記事を書きました。

立花道雪という武将は、このような考えのもと家臣に対する逸話が数多く残されています。今回も「常山紀談」という逸話集にある、家臣に対する配慮の逸話を取り上げます。

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若い武士が宴席で失敗をして打ちしおれていた。

そのことを知った道雪は、その者を客前へ呼び戻してそばに据え、笑いながら言った。

「この者は、まだ若輩で、座敷ではとんだ粗忽をお見せいたしたが、戦での働きは火花を散らすばかりでしてな、槍を持たせれば家中随一の腕の持ち主なのです」

と、槍をしごいて奮戦する姿を実演した見せた。すると客は拍手喝采、当の若い武士はもちろん家中一同、道雪の心情に感銘し、「この人のためなら命を捨てよう」と、あらためて誓い合ったという。

たしかに宴席では失敗したが、武士として最も大切な仕事である槍働きでは、うちの家臣の中で誰にも負けない優秀なヤツなんですよ、と客に言って家臣に恥をかかせない配慮が失敗した本人だけでなく周りもやる気にさせているんですね。

道雪は戦では足が不自由だったため輿に乗り、陣中で病に倒れるまで指揮を執った闘将でした。一方で、平時では上は主君に対して諫言し、下は家臣に対して厳しさと同時に今回の逸話のような細かな配慮を行える武将でした。

上司と部下という関係のあるところで、道雪のような上司を持った部下は幸せに働くことができることでしょう。

使えねぇヤツだなと部下を罵倒することしか能がない現代の上司と呼ばれる人たちには、まず道雪の輿を運ぶところから始めてもらいたいものです。



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