大きな成果をあげるのはどんな人か尋ねられ答えた本多忠勝のことば
こんにちは、両兵衛です。
職場を見渡してみると仕事はできるけど、自分で抱えて何でもやってしまう人がいます。一方で、上手に人に仕事を振って任せている人もいます。あなたはどちらのタイプでしょうか。
今回取り上げるのは本多忠勝の逸話です。
忠勝は徳川家康の家臣で、酒井忠次、榊原康政、井伊直政らとともに徳川四天王の一人として知られます。
穂先に止まったトンボが切れたという逸話のある名槍・蜻蛉切を使い生涯57度の合戦で傷一つ負わなかったというのだから驚きです。
また、こんな狂歌で賞賛されました。
「家康に過ぎたるものが二つあり
唐の頭に本多平八」
唐の頭(からのかしら)とは中国から輸入されたヤクの毛をあしらった貴重な兜のこと。そして、本多平八とは本多平八郎つまり忠勝のこと。
そんな家康にはもったいないとまでいわれた忠勝が、ある時、物事を考える人が功名を上げるのか、腕にものをいわせて戦う人が功名を上げるのかと尋ねられてこう答えました。
思量無き人も、思量ある人も
ともに功名するなり
思量ある人の功名は士卒を下知し
大なる功名を遂げるものなり
一方、思量なき人は槍一本の功名にとどまるということ。
有能で仕事ができる人ほど、考えるまでもなく自分でやってしまった方がいいよって抱えてしまうかもしれません。そうではなく、考えて周りの人を巻き込んだ方が、より大きな成果が得られるということですね。
自分ひとりの功名という小さなもののためでなく、家康と供に戦乱の世を終わらせた忠勝らしい言葉だと思います。