見出し画像

【黄色い家】楽しい苦しい 読書感想#9

古本屋でゲットした川上未映子さんの黄色い家。帯にクライムサスペンス!と記載があり、ドロドロの登場人物たちが堕ちていく様を想像して購入。


全然違った…。
形容し難いが、読了後の疲労感とモヤモヤ感。自分とはまったく別の世界だけど、物理的距離の遠くない世界。今こうしている間にも同じような境遇の若者がたくさんいるんだろうなと思いながら読みました。

ストーリーとしては、
主人公の花は幼少期から底辺に近い暮らしをしており、ある日母親の友人である黄美子と出会う。その後、黄美子と貴重な共同生活が始まるがそれは非常に生き生きしたもので花の生活は充実していく。その後、さらに二人花と同世代の女の子と出会い、同じような境遇の二人も一緒に共同生活が始まる。

しかしある日、4人で楽しみながら回していたスナックが火事にみまわれる。その後、花はカード詐欺の出し子を始め、なんとかこの共同生活を維持しようと奮闘する。ただ、後から入った二人の責任感のなさ、想像力の欠如にどんどんフラストレーションが溜まっていき、ついに花が同居人を恐怖と管理で支配するようになる。

そうした日々の中、花はさらに危険な詐欺に手を染めようとするが、ある日同居人がみんなで貯めたお金の持ち出しを試み、花に見つかる。
そうして、花は激怒し同居人を軟禁する。その後琴美という黄美子の親友であり、花の心の支えであった女性の死が告げられる。しかもその死は花が漏らしたちょっとした秘密が原因とわかり、花の精神は崩壊する。

花の精神の崩壊により、同居生活は黄美子を残し解消となる。そして約15年を経て花は黄美子に会いにいき謝罪する。。



黄美子が軽度の発達障害のような表現がされており、黄美子と花の絡みを読むたびに、胸が苦しなる感覚。これは可哀想という気持ちと愛おしいという気持ち。花の気持ちが少しなぜかわかる。

とりあえず面白かった…。

では!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集