プラモデル製作記 マイクロエース 1/72 九八式陸上偵察機12型
はじめに
マイクロエースの「1/72 九八式陸上偵察機12型」を作りました。型番は「53012」です。
最近ジェットやヘリばかりだったので、日本のレシプロ大戦機を作るのは久しぶり。以前作った「隼」から数か月ぶりといったところです。
今回も、というか、今回「は」、新品で購入したためアリイではなくマイクロエース版のパッケージ。
本当はもっと前に購入したのですが、在庫切れで数か月の入荷待ちとなり、はたして本当に再販してくれるのか不安になっていた頃にようやくの発送通知となりまして。
「大戦機シリーズ」の共通の箱に中身がラベル貼りされているというコスト削減がされていて、ちょっと寂しく感じます。
「九八式陸上偵察機12型」について
三菱で開発されて旧海軍で運用された偵察機で、「陸上偵察機」の名の通り、陸上基地での運用を前提としています。
元は旧陸軍の「九七式司令部偵察機」で、当時高速偵察機を求めていた旧海軍が仕様変更の上採用したという、珍しい経緯の飛行機です。
もっとも、九七式司令部偵察機を民間の高速連絡機として転用した、朝日新聞社の「神風号」と「朝風号」の方が有名かと思います。
九八式陸上偵察機のうち、「12型」はエンジンの性能向上型で、カウリングに段があった九七式司令部偵察機から設計が変更され、機首周りがスマートになりました。
高速域を重視した設計のため離着陸性能に難があったようですが、固定脚ながら高速で、二式陸上偵察機(後の夜間戦闘機「月光」)と交代するまで偵察任務や連絡任務に活躍した機体です。
キットについて
キットは上でご紹介したパッケージ写真の一覧にあるように、
三菱 雁型通信連絡機 神風号
日本陸軍 九七式司令部偵察機一型
日本陸軍 九七式司令部偵察機二型
日本海軍 九八式陸上偵察機12型
のバリエーション違いのうちの一つで、このうち実は「九七式司令部偵察機二型」のキットは「九八式陸上偵察機11型」のデカール(台南海軍航空隊「8-1」)を含んでいることから、これだけでかなりのバリエーションを製作することが可能となっています。
この「九八式陸上偵察機12型」のキットのデカールは
第3航空隊「X-14」
第251航空隊「251-03」or「UI-3」
となっており、前者が全面灰色、後者が上面暗緑色の機体となっています。
完成写真
完成写真はこちら。背景は以前使用した「芝生調シート」は少し小さかったので、結局いつもの「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものにしました。
暗緑色+明灰白色(+黄橙色の識別帯)という安定の旧海軍色の組み合わせと、三菱設計による流線型の機体形状のため、すごくお馴染みの飛行機のように見えます。
デカールは「第251航空隊」のものにしましたが、いくつもの「偵察用窓」を除けば一般的なこの当時の飛行機らしい形状です。
風防周りを見ると、戦闘機との違いが分かるかと思います。
「窓の塗り分け」を考えたときに、「戦闘機の方がラク」なポイントですね。
この色合いだと、「固定脚」というのも違和感を覚えるポイントかもしれません。
この頃の固定脚は、本機か「九九艦爆」くらいでしょうか。
今回は「九八式陸上偵察機12型」を製作しました。
非常に安価な価格帯ながら組みやすいキットで、他の「九七式司令部偵察機」ベース機体のバリエーションも豊富です。
戦闘機と比べると地味に感じる偵察機ですが、ぜひ一度組んでみてはいかがでしょうか。