プラモデル製作記 ホビーボス 1/72 T-6G "Texan"
ホビーボスの「1/72 T-6G "Texan"」を作りました。型番は「80233」です。
最近ジェット機ばかりだったので、たまにはとプロペラ機に手を出しました。
「T-6 テキサン」は、第二次大戦中から各国で使用されたレシプロの練習機です。
第二次大戦後には米軍から供与された機体が自衛隊で使用されていたため、日本国内の各地で今でも展示されている機体を見ることができます。
また「ゼロ戦風」に改造された機体が映画で活躍したり、その製造数の多さから今でも飛行可能な機体が国外には存在したりします。
現在も童友社より「1/72 航空自衛隊 T-6G テキサン」として航空自衛隊で運用されていた当時のデカールをセットにして発売されているキットがありますが、ホビーボスのパッケージ替えキットであり、今回製作したのは元となったキットのようです。
ちなみに、童友社からは塗装済みの完成品モデルも出ています。
(リンク先の情報がうまくバナー表示されません…リンク上が空自テキサン、下がUSAF完成品です。しかし空自版、以前より価格が上がりましたね。)
キットは開けるといきなりのブリスターで、大きい箱といい保護には過剰な気もします。
「Easy assembly authentic kit」と書かれているように、部品点数が少なく、主翼が最初から一体成型となっています。
実際に組んでみるといわゆる「士の字」になるまでほとんど時間がかかりませんでした。
もっともパーツの簡略化も目立ち、コックピット内は座席こそありますが計器板や操縦桿の類、また前後席の間の部品等も一切ありません。(写真のように、底もありません)
キャノピーは閉じた状態だけですが、窓が大きいだけに、中が気になる人は気になるかも…
コックピット周りについては、過去にアカデミーから発売されていたキットや、それをベースとしたであろうウルフパックデザインのキットがよく再現していたと思いますので、そちらを探すのがいいかもしれません。
デカールはホビーボス版では2種類から選択できるようになっており、
USAF 6147th TCS, 1952 (TA-260 / 285260)
China PLA Air Force
となっています。説明書記載では「R.O.K. AIRFORCE」ですが、デカールは「U.S. AIRFORCE」です。
USAFの機体は朝鮮戦争での「モスキート・ミッション」で知られていますが、人民解放軍空軍で使われていた機体あったっけと思って調べてみると、どうも中華民国から接収した機体を運用していたことがあるとかで、なるほど…
この二種類が並んだデカール、なかなか珍しいのではないでしょうか。
プロペラの取り付けには「謎の円筒パーツと金属シャフト」が出てきますが、どうやらこれは「モーターライズ化」も可能なようにできているようです。
今回はそこまで力を入れる気はなかったので、普通に製作しました。
(ただし、普通に組むとシャフトが胴体内に脱落しやすいので、円筒パーツにプラ板を接着して脱落防止だけしておきました。)
完成写真はこちら。背景はいつもの「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものです。
困ったのは、塗装指示がざっくりどころか存在しない箇所がある点でしょうか。機体内部とか、主翼の黄色とか、ウォークラインとか、はたまたお腹のライトとか、色々と足りていません。
童友社パッケージの日本語版ではしっかり直っているようなので、これから空自版を作る方は問題ないかと思います。
デカールは無難にUSAFを選択しましたが、発色はともかく非常に硬いデカールで、特にカウルのチェッカーマークや尾翼は貼るのに難儀しました。
マークソフターもまったく効かず、溶剤で柔らかくするという最終手段をとっています。そのせいもあり近くで見ると若干シワが…
ちょっと気になったのが、主翼の上反角。実機はもう少し角度が付いていたような。一体成型なのでこれを直すには主翼をぶった切る必要があり、仕方なくそのまま組みました。
とはいえ、ぱっと見はそれほど問題なく、機体の外形はしっかりと特徴を捉えているのではないでしょうか。
キャノピー後方のADFアンテナは、涙滴型と円筒型の2種類から選べるようになっています。
後方とカウル下のロッドアンテナは有無や取り付け位置を選択可能になっているので、これだけでも製作のバリエーションが広がりますね。
できてみると、やはりレシプロ単発機、とても小さいです。
キットとしてもインスト通りに組むなら難しい点はほとんどなく、いい気分転換になりました。