プラモデル製作記 ハセガワ 1/72 F-104J スターファイター "JASDF"
はじめに
ハセガワの「1/72 F-104J スターファイター "JASDF"」を作りました。
普段は「箱絵を見たい」こともあってあまり選ばないのですが、リサイクルショップでは箱の無い「袋入りジャンク品」というものがあります。
珍しく物色していたら、箱以外ほぼ完品で揃っていたもので、カナダ空軍デカールも入っていたことから現行品と思います。
航空自衛隊デカールには「折れ」があったためにジャンク扱いとなったようで、「もしダメでもカナダ空軍仕様として作ればいいか」と購入しました。
「F-104J スターファイター」について
アメリカのロッキード社によって開発されたマッハ2級のジェット戦闘機で、「100番台」に位置する「センチュリーシリーズ」の機体の一つです。
細長く鋭い胴体と、小さな主翼を持つ飛行機で、まるでミサイルかのような外観が特徴的な機体となっています。
機首にレーダーを搭載する全天候戦闘機で、一部の空対地兵装も使用可能な戦闘爆撃機ですが、小型軽量な機体ゆえにレーダー性能やペイロード制限の厳しい限定的なものとなっており、アメリカ空軍では方針の変更もあって小数機が短期間配備されたのみとなりました。
「F-104J」は航空自衛隊向けの要撃機としての仕様に特化したもので、三菱重工にてライセンス生産が行われました。
要撃機として加速性に優れた機体でしたが、後継のF-4EJやF-15Jの導入にともない順次退役しました。
現在でも各地の自衛隊基地にて展示されている機体を見学することが可能です。
キットについて
現行品は何度か再販されているもので、商品名が「F-104J/CF-104 スターファイター (航空自衛隊/カナダ空軍)」となっているように、航空自衛隊の「F-104J」とカナダ空軍の「CF-104」とを合わせたキットとなっています。
デカールが「共通デカール+差分」ではなく「2機分のデカール」が封入された、お値段1000円程度と考慮するととてもお得なキットです。
2冊入った説明書を見ると「F-104J スターファイター "JASDF"」と「CF-104 スターファイター "カナダ航空軍"」となっていて、実際に以前のパッケージでは別キットとして展開されていました。
これは現行品の「F-104S/F-104G スターファイター」についても同じで、イタリア空軍デカールとドイツ空軍・海軍デカールがこちらも「2機分」入ったキットとなっています。
話を本キットに戻して、航空自衛隊キットとして封入されているデカールはというと
航空自衛隊 第83航空隊 第207飛行隊 (46-8539)
航空自衛隊 第5航空団 第204飛行隊 (46-8612)
航空自衛隊 第83航空隊 第207飛行隊 (46-8635)
となっています。
実際には「46-8612」のデカールは「第204飛行隊創設20周年記念」のもの、「46-8635」のデカールは「1983年戦競」のシャークティースを加えたグレー迷彩塗装に「F-104 Brothers」エンブレムを入れたものとなっていて、これだけでも実質5機分のバリエーションと言えそうです。
更に部隊マークと機体番号デカールが付属しており、
航空自衛隊 第201飛行隊 (36-8520)
航空自衛隊 第202飛行隊 (46-8618)
航空自衛隊 第203飛行隊 (56-8673)
航空自衛隊 第205飛行隊 (36-8535/旧マーク)
航空自衛隊 第205飛行隊 (46-8576)
航空自衛隊 第206飛行隊 (46-8573)
航空自衛隊 第207飛行隊 (76-8708/旧マーク)
航空自衛隊 実験航空隊 (APG) (36-8536)
航空自衛隊 航空実験団 (APW) (76-8694)
とほぼ全部隊を網羅しており、特に弄らずとも相当なバリエーションを製作することが可能となっています。
コーションデカール類も充実しており、貼り付けやすいように複数のコーションがニスで一体化されていますが、気になる方はニス部分から切り離して付けてもいいかと思います。
また、キットのモールド自体もリニューアル時に凸モールドから凹モールドに変更されていて、かなり力の入ったキットであることが伺えます。
これに加えて、カナダ空軍のデカールが
カナダ国防軍 (航空軍) 第417飛行隊 (104732)
カナダ国防軍 第1カナダ航空群 第439飛行隊 (104733)
カナダ国防軍 第1カナダ航空群 (104806)
となっており、デカール数から見てもとてもお得なキットです。
完成写真と改造点
完成写真はこちら。背景はいつもの「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものです。
デカールはチップタンクの記念塗装が鮮やかな第204飛行隊創設20周年記念のものとしました。
デカールの「折れ」については、やはり破れてしまった箇所がありましたが、なんとか目立たずに貼ることができました。
上から見ると、細長い胴体と小さい主翼がよくわかります。
キャノピーは開状態としましたが、通常の飛行機はほとんど機体の左側から乗り込むのに対し、F-104では右側から乗り込むようになっています。
部隊マークは「第5航空団」を示す「V」の字が「黄色地に青」で力強くデザインされています。
同じく第5航空団隷下の第202飛行隊は色が異なり「赤地に黄」の「V」となります。
機首下面のサイドワインダー用のランチャーはキットに付属しますが、兵装類は付属しないため別途用意する必要があります。
また主翼下のハードポイントには増槽が付属しますが、取り付けると「重厚感」が増す代わりに「スマートさ」が減ってしまうのが悩みどころ。
今回は「機首下面にAIM-9P」と、スマートさをあまり損なわないように主翼下に小径の「RL-4 ロケットポッド」とし、どちらも3Dプリントにて自作しました。
今回は「F-104J スターファイター "JASDF"」を製作しました。
袋入りジャンクに出会わなければそのうち新品で購入しようと思っていたキットの一つでしたので、また購入して別部隊も揃えてみたいところです。
「翼端にサイドワインダー」や「主翼下にダートターゲット」等、兵装のバリエーションを変えてみるのもおもしろいですね。
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