プラモデル製作記 ハセガワ 1/72 スピットファイア Mk.I
はじめに
ハセガワの「1/72 スピットファイア Mk.I」を作りました。型番は「A011」です。
かなり前に親戚から作らなくなったプラモデルを頂いたうちのひとつで、以前記事にてご紹介した「T-38A タロン」と同じ時のものです。
「スピットファイア Mk.I」について
イギリスの「スーパーマリン」社で開発されたレシプロ戦闘機で、第二次大戦時に「バトル・オブ・ブリテン」で活躍した戦闘機です。
格闘戦を重視した設計であり、スマートな機体形状と楕円形の翼型が特徴です。
優れた基本設計は変わらずに、エンジンの換装や出力向上等で第二次大戦を戦い抜きました。
改良が施されるたびに「Mk.〇〇」と数字が増えていき、数字以外にも翼型の違いや「低高度仕様」や「高高度仕様」なども存在します。
戦後にも生産は続いたため、20を超えるサブタイプが存在し、今回の「Mk.I」はその最初期型です。
以降のスピットファイアの基本となる機体とも言えます。
欧州では今も保存されている機体が多く見られ、中には飛行可能な機体もあるため、エアショーにて勇姿を見る機会があるかもしれません。
キットについて
キットは旧パッケージのもので、1980年代に「赤帯」から「青帯」へとパッケージが変更されたものと思われます。
コックピット等は簡略化されたシンプルな構成ながら、機体全体のプロポーションは良好で、作りやすいキットです。
残念ながら現在の定番品ラインナップからは外れていますが、不定期にデカール替えの商品が限定版として出ています。
デカールは
RAF 19th Squadron (WZ-T K9794)
RAF 54th Squadron (KL-B P9398)
と2種類から選択できるようになっています。
前者が2枚プロペラで角張ったキャノピーの前期型の機体、後者がディーア大尉搭乗機、3枚プロペラで丸みのあるキャノピーの後期型の機体となっており、それぞれ対応するパーツが付属します。
上面の迷彩はどちらも「ダークグリーン+ダークアース」のイギリス空軍迷彩ですが、下面については初期型が「半分ずつの白黒」の識別塗装、後期型は「全面ダックエッググリーン」となっています。
当然ながら細かいコーションデカールやウォークラインのデカールは付属しないため、あっさりした構成です。
今からMk.Iのスピットファイアを作るならタミヤのキットが考証もしっかりしていて良いかと思いますが、前期型の選択肢はなかなかないですね。
完成写真
完成写真はこちら。背景はいつもの「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものです。
個人的に後期型の機体の方が馴染みがあるため、今回はあえて馴染みのない前期型の機体としてみました。
楕円形の翼型が美しい機体です。
銃口は赤く塗装するよう指示があるのですが、これは実際には離陸前に「赤いテープ」で保護されていたとのこと。
当時の飛行場は砂埃等が多く、離陸時の機銃の故障を防ぐため貼っていたそうです。
Mk.I前期型の2枚プロペラは、昔ながらの木製固定ピッチプロペラです。
このタイプはMk.Iのごく初期の生産分のみで、すぐに金属製3枚プロペラの生産に移ったそうです。
今回は(余力があったので)簡単に張線も施しておきました。
翼上面のラインは塗装指示図を元に手描きしています。が、インスト指示通りにしてしまい右側が正しくないものになってしまったので、考証しっかりしたい方は注意です。
このタイプの特徴は、やはり下面の塗装でしょうか。
白黒の塗り分けは味方からの誤射を防ぐためですが、なかなかのインパクトですね。
(補助翼等、こちらも考証は正しくない予感)
今回はハセガワの「スピットファイア Mk.I」を前期型で製作しました。
古いキット、少ないパーツながら、うまくまとまった良好なキットと思います。