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プラモデル製作記 ハセガワ 1/72 ハリアー GR Mk.3

ハセガワの「1/72 ハリアー GR Mk.3」を作りました。型番は「00236」です。
少し前の再販分ですが、新品で購入して積んでいたものです。

箱写真

「ハリアー」と聞けば、飛行機好きなら車ではなくこちらがすぐ思い浮かぶくらいには有名かと思います。
イギリスで開発された、初めて実用化されたVTOL(垂直離着陸)機で、ジェット機ながらエンジンノズルを偏向することでヘリコプターのように垂直に離着陸できることが特徴です。
(実際には垂直離陸可能なペイロードに制限があるため、短距離離陸と垂直着陸を組み合わせたSTOVL運用をすることが多くなります。)
アメリカ海兵隊でも採用され、改良型の「ハリアーII」を日本でも見る機会がありましたが、後継として同じくVTOLの可能なF-35Bへと更新が進んでいます。

ハリアーはイギリスの「ホーカー・シドレー」にて開発された攻撃機ですが、アメリカも開発に関わっており、両国の様々な仕様の違いから多くのサブタイプが存在します。
今回製作したのは「GR Mk.3」(以下「GR.3」とします)となっていますが、簡単に言うと「イギリス空軍向け第一世代ハリアーの対地攻撃能力向上型」です。
ハセガワからは多くのバリエーションが1/72スケールでキット化されており、今回製作したもの以外にも

  • AV-8A ハリアー

  • シーハリアー FRS Mk.1

  • AV-8B ハリアーII

  • AV-8B ハリアーII プラス

が現在ラインナップされています。

製作したキットはイギリス空軍向けということで、デカールも

  • 駐西独イギリス空軍第4飛行隊 (XV786)

  • 駐西独イギリス空軍第3飛行隊 (XV738)

の二つから選択可能となっています。

さて、私がハセガワのキットを作るとき、ハリアー含むアメリカ以外の国が製造した機体でいつも気になっていたことがありました。

説明書の外部兵装搭載図

それはこの「外部兵装搭載図」です。
付属の兵装以外の参考に、ハセガワのキットでは説明書の片隅に記載されていますが、ヨーロッパ機の兵装はエアクラフトウエポンシリーズでもあまり扱いがありません。
一番気になっていたのは「LR155ロケットポッドを2つずつ」主翼下内側ステーションに搭載できるとの記載。
キット付属のLR155は合計2つで、それぞれ主翼下内側パイロンに個別に取り付けるようになっています。
これについて調べると「ML 2連装兵装搭載装置」という名称で「週刊ワールドエアクラフト」に「LR155を2つ搭載するラック」の図解と写真が掲載されているのを発見しました。
「ML」とあるように「ML Aviation」で製造されていたようで、どうやらNATO規格のスリングを持つ兵装を二つ搭載できるラックとのこと。
ハリアーのほか、アルファジェット等で使用されているものも同じようです。
ロケットポッド程度の重量なら内側に限らず外側でも搭載が可能と思われ、AIRFIXの1/24ハリアーGR.1ではLR155を合計4つ、このラックを介して外側ステーションに搭載しています。

というわけで、ラックの詳細な仕様・寸法までは出てこなかったものの、3Dプリンタにて製作することとしました。

LR155は以前製作したこちらを使用。

内側ステーションには何か飛びものをと考えたのですが、調べてみるとGR.1のときに対レーダーミサイルのAS.37マーテルを内側ステーションで搭載試験したことがあるそうです。
GR.3への改修時に同じく対レーダーミサイルであるAGM-45シュライクの運用能力が付加されているので、これより大型で長射程のマーテルも比較されたのではと思います。
こちらもミサイルは3Dプリンターにて製作しました。ほぼ仕様の同じ対艦・対地バージョンのAJ-168も製作しています。

完成写真はこちら。背景はいつもの「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものです。

完成写真1

キットの搭載兵装と比べるとかなりの重量増、プラモデルの見た目としてはかなり見栄えはするかと思いますが、実際にこのような搭載が可能なのかはわかりません。ミサイルとロケットポッドが干渉しそう…
仮にできたとして、実際の運用では単体では乏しい対抗手段も検討しないといけないですね。非対称に搭載し、空いたステーションにチャフディスペンサーならまだ現実的でしょうか。
まあそこはプラモデル、自由にいきましょう。

完成写真2

重量級のコンフィグレーション、増槽が無い分戦闘行動半径も狭まるので、空中給油頼りになるはず。
というわけでノズルの角度はSTOの位置に合わせ、後付のプローブも当然追加しておきました。

機首回り

補助インテークはキットのままだと全て閉じた状態になっているので、本来駐機時には開いているらしいいくつかを削ってそれらしくしてあります。

箱と合わせて

そんなこんなで安価に製作できるハセガワのハリアー。
今回は豊富な兵装を作成し、あれこれと妄想全開で楽しんでみました。
みなさんも、たまにはインスト以外の様々な兵装を搭載してみてはいかがでしょうか。

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