プラモデル製作記 フジミ 1/72 F7U-3 カットラス
はじめに
フジミの「1/72 F7U-3 カットラス」を作りました。型番は「7AH10」です。
オークションで入手したもので、割と程度のいい状態でした。
なかなかキット化されることのない機体で、フジミのキットは現在でも人気があるのではないかと思います。
箱は大きいですが、完成サイズはそれほど大きくはありません。
「F7U-3 カットラス」について
ヴォート(チャンス・ヴォート)社で設計され、アメリカ海軍で運用された艦上戦闘機で、特徴的な「無尾翼形式」を採用しています。
愛称の「カットラス」とは、海賊が使うような湾曲した刀のことです。
「F/A-18」のような現在のアメリカ海軍の戦闘機と「名前の付け方」が異なるのが分かるかと思います。
これは当機が1945年に開発を開始した機体のため「命名規則」が一昔前のものであり、当時は「機種記号」「通し番号」「製造メーカー」の順に記号が振られていました。
「F7U-3」の場合、戦闘機「F」、ヴォート社で7番目の機体、ヴォート社の記号「U」となり、その中での3番目のモデルであることを表しています。
この命名法は1962年で改められ、次のヴォート社の戦闘機「F8U(=F-8)」から見慣れた名前となりました。
機体を「無尾翼形式」とした理由はまさしく「高速性能」を追求した結果で、当時としてはとても「尖った」機体デザインです。
結果として速度性能は当時の機体の中では勝っていましたが、代わりに離着陸・離着艦時の揚力確保のため前脚が長くなり、視界不良と相まって事故の多い機体となりました。
このため配備期間は短く、目立った活躍こそありませんが、その特徴的なデザインから人気の高い機体です。
キットについて
キットはエンジンをアフターバーナー付きに改め翼面積を拡大した後期量産型のもので、主武装は4門の20mm機関砲、機体下部に2.75インチFFARロケットパックの搭載が可能となっています。
デカールは
U.S. NAVY VF-124 (129592 / D410) ※全面シルバー
U.S. NAVY VF-124 (129601 / D415) ※上面ガルグレー+下面ホワイト
U.S. NAVY VC-3 (129550 / NP75) ※全面シルバー
U.S. NAVY VX-3 (129643 / XC03) ※全面シルバー
となっており、今回はガルグレーのD415にしました。
完成写真
完成写真はこちら。背景はいつもの「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものです。
フジミのキットは動翼が別パーツとなっているものが多く、本キットも選択可能となっていたため、前縁スラットおよびエレボンを動かしておきました。
特に前縁スラットは隙間が赤になっているため、模型的に映えやすいですね。
デカールは古い割には程度もよく、問題なく使用できました。
キャノピーは可動もできるようになっていますが、可動軸の隙間が見えてしまうので開状態に固定しました。(ちょっと曲がってしまいましたが…)
横から見ると、運用上で問題になった前脚の長さがよくわかるかと思います。
おもりを入れないと尻もちをついてしまいますが、空間的にギリギリ詰め込みました。
覗き込まないとわからないのですが、下面にロケットパックを付け、吊るし物は増槽2本としています。
ちょっとシンプルなので、吊るし物好きな方は「スパローI」ミサイルの搭載が可能な「F7U-3M」のほうが面白味があるかもしれません。
今回は、機体の形状が特徴的な「F7U-3 カットラス」を製作しました。
今見ても斬新さを覚えるデザインの機体、当時はいかに未来的に見えたでしょうか。