見出し画像

プラモデル製作記 イタレリ 1/72 A-7D "SLUFF"


はじめに

イタレリの「1/72 A-7D "SLUFF"」を作りました。型番は「1237」です。
以前「A-7 コルセアII」を作ったことがありましたが、その時はハセガワの「A-7A」でしたので、空軍型の「A-7D」は作ったことが無かったなと思い、手に取りました。
現在は入手が困難なキットですので、新品で組みたい方は前述のハセガワのキット(海軍型)をオススメします。

箱写真

「A-7D "SLUFF"」について

まず「A-7」とは、アメリカの「LTV(リング・テムコ・ヴォート)」社によって開発された、アメリカ海軍の攻撃機です。
当時アメリカ海軍では「A-4 スカイホーク」攻撃機が運用されていましたが、機体の小型さゆえに兵装搭載量が少なく、これに代わる攻撃機として大きなペイロードを有する攻撃機が求められました。
開発にかかる費用を削減するために、既存の戦闘機をベースとして改造する計画となり、本機は超音速戦闘機の「F-8 クルセイダー」をベースとして設計されています。
「F-8」を亜音速攻撃機とする上での改良や改善も施され、超音速性能が無くなった代わりに、搭載量は大幅に強化されました。
当時アメリカ空軍でも近接航空支援に戦闘爆撃機を亜音速で運用することが多く、専用の攻撃機を求めていたことから本機が注目され、空軍仕様として改修されたものが「A-7D」となります。
改修点としては「フライングブーム方式の空中給油口の追加」や「エンジン強化」、「機関砲の変更」等が挙げられます。
愛称の「コルセア(corsair)」とは「海賊」を意味し、「II」と付いていることからも分かるようにヴォート社が第二次大戦時に開発した「F4U コルセア」に継ぐものですが、空軍ではこれが嫌われたようで別の愛称で呼ばれ、それがキットのタイトルにもある「SLUFF(もしくはSLUF)」です。
英語のスラングで「Short-Little-Ugly(-Fat)-Fellow」、直訳すると「チビで醜い(太った)奴」という悪口なのですが、このように呼ばれて重用されたようです。
実際に「F-8 クルセイダー」よりも短く、胴体の長い戦闘機と比べるとそのように呼ばれるのも納得の見た目ではあります。

キットについて

このキットについて調べてみると、どうやら元はエッシー(ESCI)という会社のキットで、倒産後にイタレリに金型が引き継がれたものだそうです。
パーツ分割自体はフジミのキットに酷似していますが、インテークのダクト再現等はされておらず、「フタ」としてインテークカバーのパーツを取り付けるようになっています。

デカールは

  • U.S. Air Force Ohio Air National Guard 180th TFG (72-0180)

  • U.S. Air Force 354th TFW 355th TFS (70-0952)

  • U.S. Air Force Oklahoma Air National Guard 138th TFG 125th TFS (71-0366)

となっていまして、箱絵がオハイオ空軍州兵のグレー迷彩スペマ機となっています。

完成写真と改造点

完成写真はこちら。背景はいつもの「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものです。

完成写真1

デカールは3番目、オクラホマ空軍州兵のダークグリーンとグレーの迷彩を選択しました。
キャノピーは開状態で、インテークカバーは外せるようにテープで貼り付けています。

完成写真2

背中の出っ張りが、追加された給油口です。
F-8では主翼の迎え角を変更するシステムが搭載されていましたが、A-7では廃止されています。

完成写真3

ハードポイントはF-8から大幅に増え、胴体横に1箇所と主翼下に3箇所。
キットでは「AIM-9 サイドワインダー」と「増槽」、「AGM-45 シュライク」「AGM-65 マーベリック」「Mk.82 スネークアイ」と「MER」「TER」が付属し、選択できるようになっています。(ただしMk.82爆弾は10個のみのためフル爆装はキットのみでは不可)
今回は増槽はともかく、胴体横のサイドワインダーはキット付属は「AIM-9B」のようなので「ハセガワ エアクラフトウエポン」より「AIM-9L」を、キットから「MER」と「Mk.82 スネークアイ」を計8個、外側に自作の「BLU-27」(フィン無し)を吊るしてみました。

下から

爆装メインの今回の吊るし物。
主翼下のハードポイントの重量制限的には「MER」に「Mk.82」を6個まで吊るせるそうですが、内側パイロンに増槽を搭載する場合には干渉するため外側に4個までとなるようです。

箱と合わせて

今回は「A-7D "SLUFF"」を製作しました。
豊富な兵装類と組み合わせることで、様々な楽しみ方ができそうです。
惜しむらくは現在新品で入手可能な「A-7のキット」が少ない点でしょうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?