プラモデル製作記 エレール 1/72 P-39 エアラコブラ
はじめに
エレールの「1/72 P-39 エアラコブラ」を作りました。型番は「80271」です。
リサイクルショップの中古を眺めていた時に、いくつかのメーカーの「P-39」が並んでいたので気になり、アメリカ本国仕様と思われるエレールのものを手に取りました。
「P-39 エアラコブラ」について
アメリカの「ベル・エアクラフト」社で開発された戦闘機で、主に第二次大戦の初期にアメリカ陸軍航空隊にて運用されました。
ベル社は現在のベル・ヘリコプターの元になった会社で、同社製の固定翼機はあまり有名ではないものの、いくつかの戦闘機や超音速実験機「X-1」等を手掛けています。
「P-39 エアラコブラ」は元々「高高度戦闘機」として設計されましたが、途中で仕様変更がなされて中高度戦闘機となり、武装強化もされて重量が増えて性能も低下するという経緯を辿っています。
機体の特徴としては、エンジンを機体の重心に置くことで運動性の向上を図り、大口径の37mm機関砲をプロペラ軸を通すことで安定性を高めています。
当時のレシプロ戦闘機としては珍しい前輪式の機体のため、離着陸時の視界は良好だったようです。
また、コックピットへの乗降はキャノピーを後方にずらすのではなくコックピット横の「ドア」を開けるという珍しい構造をしています。
固定武装は前述の37mm機関砲をプロペラ軸に1門、機首上部に12.7mm機関銃を2門、そして最終型の「P-39Q」では左右主翼下のガンポッドに12.7mm機関銃を1門ずつと、重武装の戦闘機です。
キットについて
キットは金型こそベテランの凸モールドキットですが、「エレール」として1999年にリブランドされた後のパッケージと思われ、ハンブロールのカラー番号が振られています。
箱絵は雰囲気はともかく実機の色とはかけ離れており、またインストもフルカラーかと思いきやフルカラーではなく、色分けはともかく色の参考としては役に立たないので注意です。
翼下にガンポッド形式として12.7mm機銃を吊るす「P-39Q」タイプで、商品名にこそ書かれていませんがランナーには「P-39Q」の文字が見られます。
デカールは1種類で
アメリカ陸軍航空隊 362nd FS (or 363rd FS), 357th FG 42-19595/125
となっており、部隊マークがないのでどちらの飛行隊が正しいのか不明なのですが、シリアルの記録を辿るとカリフォルニアで撮影された本機の写真を確認することができました。
当時なので白黒写真ですが、塗り分けもだいたいは合っていそうな雰囲気です。
完成写真
完成写真はこちら。背景はいつもの「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものです。
前輪式の機体ですがおもりの指示がインストにないため、あやうく入れ忘れるところでした。
主脚はディティールこそ良好なものの、かなり細くて華奢なので、注意が必要です。
デカールは特に何もせずとも、若干の印刷ズレこそあれ黄ばみも無くそのまま使えました。
写真を撮っていて、航法灯を塗り忘れていることに気付きました。(このあと塗りました)
塗装指示はありませんが、主翼上面にモールド再現されています。
横から見ると、コックピット後方に配置された液冷エンジン、コックピットのドア等、本機の特徴的な構造がよくわかるかと思います。
今回は「P-39 エアラコブラ」を製作しました。
太平洋戦線でこそあまり活躍を聞きませんが、様々な特徴が盛りだくさんで、当時のアメリカ機としては珍しい流線型のスタイルが美しい飛行機です。