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八十里越の開通に向けて!(その3~下田マーケティング中学校~)

2026年(ころ?)の国道289号八十里越の開通に向けた記事の第三弾!

今回は、2022年に下田中学校の生徒たちと一緒に挑戦してみました「下田マーケティング中学」の取り組みをご紹介します。

第一弾はコチラ!

第二弾はコチラ!!

1.主役は私たちひとりひとり

三条市役所に人とお金の無限のリソースがあれば、八十里越の開通に際して、あれもこれもつくることができるかもしれません。でも今は行政が1から10まで全部やるような時代ではないと考えています。

そういうわけで、八十里越の開通に向けては、私も三条市ももちろん前向きにがんばりますが、主役は私たちひとりひとりだと思っています。

その中でも特に、未来を担っている地元の子どもたちに「八十里越の開通を自分ごとにしてもらいたいな」という気持ちが私の中でありました。

2.下田マーケティング中学校の開校

(1)下田マーケティング中学校とは?

では地元の子どもたちに何を託したのかと言いますと・・・

八十里越の開通後、三条市が通過されるのではなく観光客の目的地になることを目指し、三条市がクライアント(依頼者)となり、下田中学校3年生にコンサルティングを依頼しました。

最終的にはコンサルタントである下田中学校の生徒たちから

①イベント、②観光ツアー、③お土産

についてアイディアを出してもらうお願いをしました。

ここで気を付けたのは「子どもたちのアイディアをもらうだけのイベントには絶対にしない」ということ。

ですので、アイディアを出してもらう前提として、生徒たちにはマーケティングを学んでもらい、かつ、最終的な提案についてもその学んだマーケティングの枠組みに基づいて考えてもらうというのが、この下田マーケティング中学校のポイントです。

(2)CMOによるレクチャー

三条市で「マーケティング」といえば、三条市役所の澤正史CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)

アイスブレイク用の情報がひとつだけ入ってます!

下田マーケティング中学校の初回(2022年6月)には澤CMOから下田中学校3年生に向けてマーケティングのレクチャーがありました。

澤CMOからは、マーケティングの技術的な話の前に、間違ってもいいから自由に意見を出し合おうという今回の下田マーケティング中学校の大切な方針も生徒たちに伝えられました。

(3)マーケティングの枠組み

今回、下田中学校の生徒たちには、次のマーケティングの枠組みに沿って分析・検討してもらったうえで、①イベント、②観光ツアー、③お土産のいずれかをプレゼンテーションをしてもらうことになりました。

1.自分たち(三条市や下田地区)の強み・弱みは何か

2.世の中の流れのうち、自分たちにとってチャンスになること、ピンチになることは何か

(※1と2は、いわゆるSWOT分析です)

3.1と2で分析したことを、どのように掛け合わせるのか(いわゆるクロスSWOT分析)

4.誰に売るのか、ライバルはどこか・他との違いはどこか

5.1から4までの分析・検討結果を踏まえて、何を(Product)、いくらで(Price)、どうやって販売するか(Place)、どうやって知ってもらうのか(Promotion)

3.いよいよ発表

2022年11月、私が下田中学校に再び訪問しての発表会。

ひとことで言いますと、いや~、みんなすごかったです。想像以上でした!!!

本格的なマーケティングの枠組みに乗せていますので、かなり難易度は高いはずのこの取り組み。

生徒たちは(いとも簡単に?)難しいハードルを飛び越え、みんな素晴らしいプレゼンテーションでした。

たとえば、①イベントについてプレゼンテーションしたグループ。豊かな自然、広い土地を活用しての音楽フェスを開催することを提案しました。でも、音楽フェスは競合も多いということで、この地域の強みである「ものづくり」の要素も取り入れたフェスにすることで差別化できるとの提案です。

②観光ツアーについてプレゼンテーションしたグループは、下田地区での観光客の多くが日帰りであるという弱みと、世の中の流れとして、豊かな自然を求めている、昔を懐かしみたい方が多い、ジビエ料理が流行しているというチャンスを掛け合わせて、旧・荒沢小学校の校舎を宿泊施設として整備し、夕食にジビエ料理を出すという提案でした。

③お土産を担当したこのグループは、下田地区の強み(?)である虫の多さを逆手にとって、虫せんべいだったり昆虫ふりかけだったり虫まるごとキーホルダーだったりを作って売ろうという提案です。ターゲットも絞って「男性にだけ売れればよい」という潔さも見事でした。

今回紹介した3つのグループ以外にも、三条市の花である「ひめさゆり」を使った入浴剤をお土産としようだったり、駆除した熊の肉を使って熊ジャーキーを製造・販売しようだったりと、おもしろい内容の発表がたくさん。

また、マーケティングのプロセスや最終的なアイディアもすばらしかったのですが、生徒たちのプレゼンテーションも本当に立派。各グループ5分ほどと限られた時間の中で、メンバー同士の役割分担もしつつ、しっかりと発表していました。三条市の将来は明るいです!!!

ひとつ興味深かったのがプロモーションの方法。

さすが中学生、いずれのチームもYouTubeやTwitter、InstagramといったSNSでのプロモーションを提案していました。

だけど、どのチームからもTikTokを使ったプロモーションの提案はなし。

私が最後に「なんでTikTokは挙げなかったのですか?」と生徒たちに聞きました。生徒からは「TikTokは個人がおもしろいと思うものを動画にして載せるタイプのSNSだから、会社が商品だったり製品だったりの宣伝に使うのとはちょっと違うかな」との回答がありました。なるほど、勉強になりました。

4.未来に向けて

下田マーケティング中学校の開校にあたって気を付けた「子どもたちのアイディアをもらうだけのイベントには絶対にしない」ということ。

生徒たちのすばらしい吸収力と理解力と実践力のおかげで、このトラップにはまらずに乗り越えることができました。

次は私たち大人の順番。そう、子どもたちのアイディアを搾取して終わらないこと。

今回、合計16グループの発表があり、どのグループの発表も本当にすばらしかったです。ひとつでもふたつでもアイディアを実現できるよう、今後、進めていきましょう!


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