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お客様の要望を無条件に聞き入れるのはプロではない #1338
お元気ですかー?
今日は「人材サービスにおけるプロフェッショナリズム」についてお話しします。特に、 「お客様の要望を無条件に聞き入れることが本当に正しいのか?」 というテーマです。
この業界で働いていると、時々耳にする言葉があります。
「お客様がそうおっしゃるなら仕方ないですよね」
一見、顧客志向に見えるこの言葉ですが、僕はこれを 「プロの無責任さを隠す盾」 のように感じることがあります。
お客様の要望=正解ではない
お客様の要望は確かに大切です。しかし、それが全て正しいとは限りません。特に人材派遣や紹介においては、要望が法律やコンプライアンス、あるいは公正さを逸脱している場合もあります。
たとえば、
「このポジションに若い人を採用したい」
「派遣スタッフだけど、事前に面接したい」
といった要望です。これらは、法律上問題があるケースがほとんどですが、お客様にとっては業務効率やニーズの観点から「やりやすい」と感じることも多いのが現実です。
このような場合に、無条件で「分かりました」と言うのは、プロフェッショナルとしての責任を果たしているとは言えません。むしろ、 お客様自身をリスクに晒す行為 だと僕は考えます。
医者や料理人のように、断る勇気を持つ
プロフェッショナルと呼ばれる職業の多くは、「お客様の利益を守るため」に時に厳しい態度を取ります。
例えば、医者なら「この薬を飲むなら絶対にお酒を控えてください」と厳しく指導しますし、料理人なら「この食材を使うのは安全上問題があるので出せません」と断ります。
なぜなら、プロフェッショナルはその分野の専門家としての責任を持ち、お客様に最善の結果を提供する使命があるからです。人材サービスも同じです。いや、法律や慣習などの複雑さを考えればそれ以上です。
お客様の要望をただ受け入れるのではなく、 「本当にそれがお客様の利益につながるのか?」 を考え、時には「NO」と言う勇気を持つべきです。
グレーゾーンに引き込む営業が業界を悪くする
さらに深刻なのは、人材サービスの営業が自らグレーゾーンに引き込む場合です。
「面接ぐらいなら大丈夫ですよ」
「他の会社もやっていますから安心してください」
といった言葉で、お客様をコンプライアンス違反に導いてしまうケースがあるのです。
一時的にはお客様の要望を満たすかもしれませんが、これが発覚すれば罰則を受けるのはお客様側(もちろん派遣会社側も)です。そして、長い目で見れば業界全体の信用を失う結果になります。
プロフェッショナルとしての責任を果たす
では、どうすれば良いのでしょうか?
僕は、次の3つを意識することが重要だと考えます。
法律・コンプライアンスの知識を持つ
お客様の要望を聞いた際に、それが適法かどうかを即座に判断できる知識を身につける。
お客様に正しい情報を提供する
「それは法律上難しいですが、こういう方法なら可能です」と代替案を提示するなど、お客様の利益を守るための提案を行う。
リスクを説明し、信頼を築く
「この方法を取るとリスクが生じますが、それでも進めますか?」と正直に伝え、お客様が正しい判断をできるようサポートする。
プロフェッショナルとは、時にお客様にとって耳が痛いことを伝える存在でもあります。それが、長期的な信頼関係の構築につながるのではないでしょうか。
最後に
僕たち人材サービス業界は、人々のキャリアや生活に直接関わる仕事です。それだけに、法律やルールを守り、社会に貢献する責任があります。
「お客様の要望を聞く」のではなく、 「お客様の利益になることを提案する」 姿勢を持つこと。それが、プロフェッショナルとしての第一歩だと思います。
僕自身も、時には楽な道を選びたくなる瞬間があります。でも、そういう時こそ原点に立ち返り、「この仕事で何を成し遂げたいのか」を考えるようにしています。人材サービスをより良いものにするために、皆さんもぜひ一緒に頑張っていきましょう!
では、また!
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