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【#1047】正規雇用が増えれば良いわけではない
こんにちはー!
今日のnoteは「正規雇用が増えれば良いわけではない」というお話です。
正規雇用が増えると・・社会が良くなる?
「正規雇用を増やすにはどうしたらいいんですかね?」
「正規雇用が増えた方が、日本人の収入が増えていいですよね?」
最近、若手ビジネスパーソンから頂いた質問です。
そういう教育がされているのか、景気の見通しがよくない時代が続きすぎたせいなのか、以前よりも、正規雇用を増やすべし!という論調を耳にするようになりました。
そんな風潮の中ですが、人材サービスに長く携わってきた僕としては、とにかく正規雇用が増えるということは日本や労働者が良くなっていく道ではないと思うのです。
選択肢が多い方が豊か
確かに、非正規雇用が減り、正規雇用が増えたら日本全体の賃金が上がるかもしれません。正規雇用の方が非正規雇用よりも賃金が高いからです。
(とはいえ、会社の利益・人件費に使える金額は変わらないわけで、どこかに皺寄せがいく可能性はありますので単純計算どおりには全体の賃金は増えないとは思います)
しかし、それがすなわち、豊かだったり、幸せな社会なのでしょうか。僕はそう思いません。
なぜなら、社会の豊かさとは選択肢が多いことと同義だと考えるからです。
例えば、1980年台の好景気と言える時代には「フリーター」という言葉と働き方が流行しました。
今でこそ、フリーターという言葉にはネガティブなイメージさえありますが、かつては「会社に縛られない自由な働き方」であったのです。。
現実にはその後、バブルは崩壊し、安定と引き換えに自由を手にしていたこの働き方は「不安定な働き方」の代名詞になっていきます。
「ほら見たことか、フリーターなんて気取っているから非正規雇用に落ちたのだ」的な論調がここから増えてくのですが、よく考えてみて欲しいのです。
問題は正規雇用以外は不安定であるということなのでしょうか。全員を正規雇用にできないことでしょうか。
あの時代、企業は未曾有の好景気であり、もしかしたら全労働者を正社員にできたかもしれません。
でも、その時の働き手はそれを望まなかったのです。正社員という、会社に全てを捧げ、住む場所も、職種も、働く時間も、引退のタイミングも、給与までも選べない働き方ではなく、もっと自由に働きたいと思っていた人が確かにいたのです。もちろん、十分な賃金をもらいながら。
僕は明白に、正社員以外の選択肢がある世の中の方が豊かで幸せだと考えています。起業する人もいるし、個人で仕事する人もいるし、派遣社員も、パートもアルバイトも選択できる世の中の方が、働く人が納得できると思うのです。
正社員一択しかなかったら、自分で選ぶことができていないというだけで、滅私奉公に耐えられない気がします。
問題は、その多様性を許容できなくなった不景気なのではないでしょうか。
仮に今の状態で無理やり全員を期間の定めのない雇用にするとすれば、とにかく定年まで雇用契約があるだけの人がたくさん発生するだけではないでしょうか。
転勤ない代わりに賃金安いとか、職種を限定するから賃金低いとか、今までより賃金が下がる人も出てきそうです。
正規雇用さえ増えれば良くなるというのは、追い詰められて幻が見えているようなものではないでしょうか。
実際、2014年から、正規雇用は毎年増加しています。
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仮に正規雇用が増えたら社会が良くなるとして、そうであれば300万人超の正規雇用の増加(2014年から2022年の間)による恩恵をもっと感じられていると思うのですが、気のせいでしょうか。
正規雇用が増えれば社会が良くなるのではなく、選択肢がある状態で社会全体を豊かにしていくことが重要なのではないでしょうか。それはきっと、資本主義社会においてはGDPをあげることや生産性をあげることを意味するのだと思います。
最後に
今日のnoteは「正規雇用が増えれば良いわけではない」というテーマで、正規雇用だけの世の中より選択肢が多い方が豊かであるというお話をしました。
最後に、特に人材サービスに従事している方に伝えたいです。なんとなく、正規雇用を増やすのが一番!って思っている人材サービズ従事者が増えたような気もするので。
「とにかく正規雇用が増えれば良いのだ」と思い込まないでください。
むしろ、人材サービスが向き合うべき本来の課題は正規雇用が100%の世の中が幸せなのか?ということです。
全員、住む場所も職種も選べない働き方が良いでしょうか。
限定正社員として、賃金が安くても無期雇用なら正規雇用で素敵でしょうか。
もっと踏み込むなら「非正規」雇用という呼び名は差別ではないでしょうか。パートタイマーは「正規に非ず」でしょうか。
僕は、人材サービスの価値は、正規雇用が良いものだという思い込みや非正規雇用はダメだという差別と闘い、たくさんの選択肢を生み出すことができることにあると思います。
それぞれの会社や働き手は、正社員の募集を支援したり、派遣社員の支援をしたり、パートの採用方法を提案したりしている専門家だと思います。
そのプロたちの仕事が集まると、それが選択肢の多い社会なのではないでしょうか。
僕は「あえて今の仕事選んでいる」と思えている人を1人でも多く増やしたいと思っています。そのためには選択肢を生み出すことが必要なのです。だから、人材サービスに従事して、挑戦しています。
一緒に、頑張っていきましょう!
では、また!
(タイトル画像、コミーさんのいう通り作ったんですけど、すごいっす。もう、画像サイトの有料契約は解約か・・?)
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